京都西陣天ぷら料理の老舗「天喜」に会合にて訪問。。 千本今出川通りを少し上がったところに昭和8年から掛けている茶色ののれんがある。 玄関に入ると表からは想像できない奥深い空間があった中庭には大きな錦鯉が泳ぐ池がある。橋を渡って奥座敷へ向かう。 先付けはお決まりの筍木の芽あえ。。。筍がかなり上質である。。。一口食べればすぐわかる。。。 前菜はスモークサーモンで山芋を巻いたもの、子持ち昆布、白魚酒蒸し、白身魚の寿司を桜の葉で巻いたもの、イイダコの炊いたもの、菜の花。。どれもがきちんとした仕事ぶりである。。。 女将さんが一人ずつに挨拶をされ白酒を注ぎに来られる。 お椀はこれもこの季節お決まりの蛤の真丈で出汁もドンピシャ。。お造りは鰹とイカと鯛。。どれもがかなりのレヴェルであった。。。これぐらいのハイレベルの食材を普通に使われるところが老舗の貫録か。 外務省も海外からの来賓をこちらでもてなすらしいし京都迎賓館でのお料理を担当される程のお店と聞き及ぶ。 メインである揚げたてのてんぷらが登場。カラッと揚がった車エビ、アスパラ、ゴボウ、さつま芋、ワカサギ。。。これを天つゆでいただく。。。 隣席で相伴させていただいた女性が25年前に故郷の和歌山紀伊田辺から京都の女子大に進学し、生家が貧しかったために学費を稼ぐためにアルバイトでコンパニオンをされたらしい。その初めての仕事がこの「天喜」であったこと。 彼女はその時世の中にこんな浮世離れした店があること。そこで食べる客がいるということに驚かれたらしい。。。 彼女はその時に私も頑張っていつか自分のお金でこんな店に来れるような立場になりたいと心に誓った。。。そして苦節25年の歳月がたち。。御年43歳にして今や管理システムでは日本で2位のソフト開発会社の社長となり東京、京都、大阪にオフィスと事業を展開し多くの従業員を抱える実業家となった。。。 のれんをくぐるときに25年前にこの店で初めてアルバイトをしにきた時のこと、そこから25年間がむしゃらに働いてきたことがフラッシュバックしたとお聞きした。 その話を女将さんにすると一筋の涙がこぼれおちた。。。 天ぷら2皿目は鱒をあられをつけて揚げたものとレンコンに海老のすり身をはさんだもの。 美味しすぎ。。。。 ふかひれの入った大きな茶わん蒸しが出て筍ごはんで締め。。。 デセールはグレープフルーツのゼリーと苺と蜜が思いっきり入ったリンゴ。。。 こんな美味しいリンゴは生まれて初めていただいた。。。 最後まで隙のない内容でした。。。。。。 京都市上京区千本今出川上ル西側 075-461-4146
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プロフィール
店主 鷺岡 和徳
外食歴40年。家に帰らず食べ歩く店主が綴ります。食べ次第更新中! 大阪・関西を中心に全国、時には海外の現地グルメも投稿。