今から25年前に「がらくた」という変わった名前の焼き肉屋が表記が南住吉の住宅街にあった。その頃の私は大学を卒業し、親が細々と始めた仕出し屋のお手伝い。土日が忙しくて友人と遊ぶ時間もなく朝市場に行って弁当を作って配達して休憩をして夕方から弁当の器の引き上げに廻る。
夜の9時頃に軽トラの荷台一杯に食器を積んで仕事は終了。そのあと自分へのご褒美にこの店で焼き肉を頂くのが楽しみだった。優しいお店の奥さんと頑固を絵にしたようなご主人。佐賀牛にこだわっていて甘くて美味しい肉を味噌タレにつけてご飯と一緒にザブザブ食べると全身に力がみなぎる。当時の私の元気の源だった記憶がある。
その店もいつの間にかなくなり、お店の記憶も風化し、ご飯と焼き肉を一緒に食する習慣もなくなった50歳を目前にした私は、過日に地下鉄あびこ徒歩5分にその店が移転していたことを発見。昨日にお酒を飲まないデザイン会社女性社長の運転で25年ぶりに訪問する。
店の奥さんは25年前から全く変わらず「私、おばあさんになったでしょう」と謙遜され「あなたのことは声を聞いただけでわかるよ」と言っていただき涙が出そうになる。まさに23歳の若かりし当時にタイムスリップしたよう。ご主人も少し痩せられたが頑固な顔は変わらず。ええ肉を出し続けている焼き肉店主の矜持が顔に表れている。
昔と一緒で飲み物はビールと酎ハイだけ。焼酎はなし。肉の店頭売りも当時とそのまま。
メニューも価格も昔からほとんど変わらず。
ロース650円、バラ500円、ハラミ450円、タン450円、上ミノ、塩ミノ450円、ココロ450円、キモ400円、センマイ400円、ホルモン380円、ビビンバ450円。
この日はシマ腸450円、上バラ600円、上ロース700円も別メニューとしておすすめと言っておられた。
上ロース、ハラミ、上ミノ、センマイを所望するとこんな感じで登場。すべての肉がごちゃ混ぜなんだけど肉はピカピカしている。。。こちらに移転して23年と言っておられた。世間話をいろいろした。ご夫婦が元気で仲良くご商売をされていることが一番嬉しかった。
大ご飯を注文してジュージューと肉を焼きながら思い出と一緒に味噌タレで食す。若い頃の友人や出来事が走馬灯のようによみがえる。肉とタレとビールと白ご飯の相性が良すぎてザブザブ食べまくってしまう。同伴した女社長47歳も下半身太りを気にしながら私の真似をしてザブザブと白ご飯を片手に肉を食べまくる。
この店の味噌タレは私の焼き肉の原風景。見た目よりもあっさりして肉の邪魔をしない。当然どの肉もとても新しくて柔らかくて癖もなく「ホントに美味しいねえ」といいながら最後まで食す。
玉子スープと若布スープは300円。キムチは150円。生ビールと酎ハイ3杯頂いてこの日の支払い4800円。感覚値で言えば相場の半額。。この店だけは人に教えたくない・・・・
肉の鮮度がいいのでがっつり食べても次の日お腹に影響しない。他店の焼肉食べ放題なんか行った日には必ずお腹痛くなってしまう。
しかしながら若い頃の青春の蹉跌も今になったらいい思い出である。そういや青春の蹉跌っていう石川達三さんの小説の映画化で萩原健一と桃井かおりの同名の映画を昔に見たな。。。誰と一緒に見たのかは忘れたな。
大阪市住吉区苅田7-3-26
06-6694-9541 火曜日休み