弊社社員旅行2日目の「すすきの」の夜は社員同士であちこちの店に飲みに行ったりでいつの間にか私一人となる。25年前に友人に初めて連れて行ってもらったすすきので一番古いと言われる北海道の味覚を堪能出来る表記の居酒屋を訪問。道中どぎつい風俗ビルが建ち並び呼び込みの兄ちゃんに声をかけられるのを楽しみながらひっそりとしたファザードの古風な暖簾をくぐって店に入る。
店内はまんま昭和の雰囲気。カウンターもイスもかなりの年季。聞けば創業29年と言っていた。店名はアイヌの言葉で「仲間」と店内に表記されていた。樹齢1000年以上の巨大エゾマツを使った大囲炉裏で北海道の魚介類や野菜を焼いていただくというお店。
当地では超有名な50年の歴史を誇る「杉の目」という料亭の姉妹店で食材や仕込みはすべてそちらのお店から届けられると言っていた。この日はどういうわけは客は私だけでベテラン熟女ギャルのお姉さんと話をしながらお酒を頂く。大きなカウンターは約25席で奥には「離れ」と呼ばれるテーブル席がある。
突き出しは鰊漬け。いわゆる北海道の厳しい冬を乗り越えるための保存食である。塩分濃度は思ったより高くない。米麹を使用しているため酸味が強く鰊独特の風味が何とも言えず箸が進まない・・・
この日は寿司を食べた帰りなのでいつも頂く名物の店で干している巨大ホッケ1800円や強烈に脂ののったキンキ4000円は食べたかったが今回は遠慮した。両方とも炉端の熱で水分を抜いて旨味が凝縮したマスト注文アイテム。
お姉さんが注文を受けてから焼き出すので提供時間は北海道時間。シシャモ1000円もかなり美味しいし「烏賊1200円」や「じゃがいも400円」「焼きおにぎり」などの普通のメニューも普通よりかなり突き抜けたレベルで美味しい。毛蟹や刺身もありすべての食材が料亭レベルなので何を食しても美味しい。
今が旬のホワイトアスパラがあったので迷わず所望。丁寧に炭火でこんがりと焼かれたアスパラは何もつけずに頂く。鮮度のよさも相まって甘くて瑞々しくて滋味深く焦げたところは香ばしくまさに北海道の大地の味がした・・・かも
巨大な天然ホタテ800円も頂く。丁寧にこんがりと時間をかけてまんべんなく焼かれる。最高の焼き上がりを見極めながら手際よく黙々と焼きの作業に集中する姿はとても美しい。薄暗いカウンターで一人で食していると山奥の民家に招かれたような錯覚に見舞われる。
大きな魚は食すのに時間がかかるのでそのあいだに冷めても焼き直しをしてくれる心遣いもある。
普段は最後に北海道の郷土料理「三平汁」を頂くのだがこの日はお腹いっぱいで遠慮する。本物の炉端焼きを頂いた、とてもいい北海道の夜でした。
札幌市中央区南5条西5丁目
TEL 011-512-3570
営業 17:00~23:00
炉ばた焼 ウタリ (ろばた焼き / すすきの駅(市電)、すすきの駅(市営)、資生館小学校前駅)
夜総合点★★★☆☆ 3.5