2011年10月

又三郎 10月

20年前に南住吉でよく通った焼肉屋があった。30過ぎのお姉ちゃんが調理と接客をやりながら表でかんてきを洗って・・・必死のパッチでやっている姿に心が動き、また黒毛和牛をストレートに出す焼肉店も当時あまりなかった記憶がある。ポイントカードのポイントをためて手作りアクセサリをゲットして喜んだ記憶がある。。

人の口と好みは移ろいやすくいつの間にか私のお気に入り焼肉店からはずれてしまっていた。ここ数年熟成肉の日本のパイオニアとして店主の荒井さんとこの店が専門誌や情報誌にしょっちゅう出ておられるのをみて本当に懐かしく嬉しく思っていた。

先日長居に移転したのも知らず偶然店の前を通りランチをいただく。昔通った小さなお店が立派になって有名になって垢ぬけたフレンチレストランのような内装と巨大な熟成庫、プロパティシエが作ったと思われるセンスのいいスイーツ、上品な器。焼肉店で見たことのないオープンキッチンあの店が・・・・と感じいった

親戚のおばちゃんが久しぶりに会って「あんたちょっと見ん間に大きくなって~。ほんま立派になりはったなあ。子供のころからよう知ってんねんで・・・」という会話を巷で聞くがまさにそんな思いがした。。

この日は長居公園でナイトラン10キロ。つるがおか温泉で汗を流しそのまま自転車で直行。

(HP写真より引用)

ここ3回目の訪問でやっと店主の荒井世津子さんの顔を10数年ぶりに見た時は涙が出そうになった。。 私の顔も名前も覚えていてくれた。。もちろん私も覚えているが。。。人柄の良さと人を引き付ける優しさは相変わらずでまた業界の成功者としての自信がもたらす風格がオーラとしてでまくっていた。

この日の私との雑談にも「10年以上は鳴かず飛ばずで飲食店をなめていました・・・・」「焼肉やったらだれでもできる思って当時始めたんですわ・・・」プライベートな話なども・・・私よりも年上だったのには驚いた。。せやけどここまでなるにはかなり苦労されたよう。。

まるで同窓会での旧友との再会のようであった。。 趣味のランニングを半年間やってきて「走った距離は嘘をつかない」というオリンピアンの野口みずきの言葉をいつも心に留めている。そんなことを考えながら「本当によかったね。。。」と心から言えた。。

前にも書いたように熟成肉を焼くのは全てお店の方の担当で出来あがりまで30分以上かかる。 その間に前菜をいただく。ナムル君と生レバーちゃん。。10月1日から法改正で生肉が出せなくなったとのことこれはしょうがない。。

生センマイとタン刺し。。これは生でもいいらしい。どちらも新しくおいしい。。 ワインはピノノワールのカレラを所望する。

箸やすめにトマトのサラダと大人の野菜サラダ(少しピリッとしていてワインと相性バッチリ)

そして登場の熟成肉。60日熟成の 土佐あかうしのリブロースと30日熟成黒毛和牛のヘレを200グラムずつ所望する。店主自ら一番いいところを切りつけていただいた。こんな気遣いがとてもうれしい。

肉を常温に戻すために炭火で表面だけ焼いてアルミで包む。。そして寝かす。。。

そのあと再び火を入れる。。。そしてまたまた寝かす。。。

最後に仕上げで焼きこむ。でもそんな長時間ではない。。 アルミで包んで余熱で仕上げて切りつける。。

肉にダメージを与えないように眠っている肉を起こさないように炭火の力を借りて優しく優しく火を入れる。何回かに分けて焼いては肉を休ませてその間にじんわりと火を入れる。そうすることでで、肉本来の柔らかさも肉汁も保たれる。やっぱ肉を美味しくするのも、 不味くするのも、焼きの技術にかかってくるなと感じた。

まずはヘレ肉。。熟成は赤身肉が合うこと再確認。旨み全開。。炸裂する後味の深さ。。肉汁も強烈。。

6週間熟成させた土佐牛のあかうしは、これまで食べたことの無い深い旨みと香りを纏っている。口に含むとミルキーでナッツのような香ばしさ。。。うまみ成分が凝縮した深い味わい。ホースラディッシュ(西洋わさび)と塩でいただく。醤油との相性もよし。。

熟成、厚切り、炭火焼と短角牛のあか牛が本当にいい相性となっている。ホテルで鉄板焼きはもう食せない身体になってしまう。

アメリカの高級ステーキハウスでいただく肉はコクとうまみが強くて一人で500グラムくらいぺろりといただける。その割に肉汁もいっぱいで後味もとてもいい。それは熟成の生と最近理解した肉のおいしさって科学的に分析すると脂と赤身のアミノ酸の旨みである。

たんぱく質が時間経過とともに分解され、アミノ酸がたっぷり増えた 状態なのであろう。 しかも、炭で焼くと、肉汁をたっぷり含んだまま香ばしくなっている。。

世の中にいい肉を提供する店はいくらでもある。それをさらにどうすればより美味しくなるかを必死で考えられ試行錯誤された姿が目に浮かぶ。。

肉の業界は実に保守的で様々なつらいことや嫌なことがいっぱいあったに違いないだろうと肉をほおばりながら考えていた。

サイドメニューのサラダ等も焼肉屋のレベルをとっくに超えている。ワインの価格も良心的。この日は2人で3本あけてしまった。

この店はもはや焼肉屋ではない肉料理を主力とした食の桃源郷である。

大阪市住吉区南住吉2-2-1(第2、3木曜日定休日)

HPはこちら


カテゴリー 長居, 焼肉 |

プノンペン

たまにいただきたくなる堺の宿院のラーメン店。 外観からも 何屋さんか分からない 「プノンペン」 カンボジアとは 関係ないのだけれど店名は 「プノンペン」 

辺鄙な場所にあるが昼間はいつも満席状態。4人掛けテーブル席3つとカウンター席が10席。

メニューはシンプルで■プノンペンそば 1,000円 ■そばなし850円 ■トッピング ・焼き豚300円 ・野菜大400円 ・そば大150円 ■焼き豚700円 ■ライス150円

そばなし、そば、肉入り、と注文する。

いつも面白いのでカウンターで調理する姿を見学する。この店では一回に5~6人前を一度に作る。まず熱したフライパンに油を敷いて醤油かその派生したものをいれる。日本酒、鶏ガラスープを入れて若いトマトのみじん切りと豚肉のバラと赤身のスライスを投入。

味の素を大量に入れ褐色の謎のゼラチン状の固形物?を少し入れる。少ししか入れない謎の固形物がかなり気になる。。コーヒーゼリーであろうか。。このあたりで袋に入った中華そば(製麺所に特注の玉子麺らしい)を湯がきだす。

フライパンにニンニクだと思うんだけど色が水色?(たぶんすり下ろしたときに酸化したのであろう)を入れて唐辛子をぶち込む。。

そのあと大量の自家栽培の杓子菜とセロリが入る。。一人前で二掴み程(かなり大量である)。ここで味見をして麺の入ったどんぶりに具とスープをフライパンからおもむろに入れて出来上がり。

麺は中細麺で柔らか目。スープは見た目よりもあっさりでピリ辛。それぞれの野菜の風味と鶏ガラ、豚のエキスが混在した複雑な味。焼き豚と言うか煮豚も秀逸。。

少し値は張るけど力がみなぎるのがよくわかる。 ここ一番の勝負(何の勝負やねん・・)の時にいいかもね。。

堺区中之町西3-2-33 最寄駅: 南海本線堺駅 駐車場: 有り(6台くらいか) 営業時間: 11:00-19:30頃 定休日: 木曜日、第3水曜日 TEL: 072-238-3287


カテゴリー 堺市, 麺料理 |

Revo

天下茶屋の超繁盛洋食店。黒毛和牛一頭買いの洋食と言うことで昼も夜も大繁盛。喫茶店のようなつくりだが昼は何回転もする。。

黒毛和牛を扱う前もよく通っていたのだが(そのころは大きな有頭海老フライが名物だったことはあまり知られていない)最近は行列に並ぶのが辛いのとせかされて食事をする空気があって足が遠のいていた。。

この日はこの店のスペシャリティの塩とんかつ980円。スープとライスつき。 いわば一見普通のとんかつに塩を掛けているだけのように見えるが豚肉への下味もしっかりと効いている。。かなりサクサクしている。。衣は固めでカリカリしている。。多分これは好みが分かれるであろう。

豚肉は結構普通。。150グラムぐらいであろうか。。しかしかなりあっさりしていてビールによく合う。ご飯にも合う。。。豚肉の旨みも大きくは主張していないが程よくいい。さすがに名物料理だけあって多くの客が同じものを注文している。

同伴者はエビクリームコロッケを所望。大人の女性の握りこぶしくらいのコロッケが二つ。これもカリカリした感じで揚げられている。少し焦げているのが残念。

一口いただくと中には大きなエビがごろりと入っていて薄いピンクがかったクリームソースに海老の味噌の風味もする。。いわゆるアメリケーヌソース系。私はこの味がとっても好物。。濃厚な風味豊かなクリームコロッケである。

お店の看板である黒毛和牛を使った食事は・黒毛和牛 ステーキランチ 2980円 ・黒毛和牛 イチボバター焼き 2980円 ・黒毛和牛 赤味鉄板焼き 2880円 ・黒毛和牛 焼肉 2980円 ・黒毛和牛 上ビーフカツ 1800円 ・黒毛和牛 ローストビーフ 1600円 ・黒毛和牛 牛スジカレー 1000円 ・黒毛和牛 カツカレー 1300円 ・黒毛和牛 サービスビーフカツ 1450円

しょっちゅう雑誌やテレビで紹介されるのでますます行列のたえないお店になってると店の中でも聞き及ぶ。

店頭には、「全員揃われてからの入店となります」とか「待ち合わせ、先に来ての場所取りとかはできません」、「後で来た人は別グループ」とかいろいろと諸注意が列記されている。少し残念な気分。

大阪府大阪市西成区岸里1-3-21

06-6652-9536


カテゴリー 岸里, 天下茶屋, 洋食 |