鮨 かなさ【大阪市 福島】

JR福島駅から南西に徒歩10分、住宅街にあるの表記の店を訪問。店に入るとネタケースが見えるカウンター10席でカウンターバックが曲線になっていて洞窟のような雰囲気。照明の使い方も考えられていてうまく高級感を醸し出している。腰板は石材を使っていてとてもセンスがいい。

「かなさ」という店名は沖縄の方言で「愛」のことらしい。モダンな造りの店内にはシーサーや沖縄の飾り皿などが置かれる。30代と思われる沖縄ご出身の御主人と奥様と弟子さんの3人で切り盛り。

サッポロラガービールと一緒にいただく突き出しは若竹煮。。

刺身は和歌山産の鯛から。一切れは塩を自分でつまんで振って・・もう一切れは山葵醤油で食べ比べる趣向。

大きなサイズの「釣り鰺」の漬けは脂が乗りまくり。。

旬のアイナメは皮目をさっと炙って供される。

琵琶湖産の稚鮎の焼き物。最初に頭だけを食して2口目はワタの苦味をビールと一緒に味わい3口目は尻尾の部分を楽しむ。

この日のお酒は奈良の篠峰の生原酒と埼玉の亀甲花菱という含み柔らかでキレのある生原酒。最後は福岡県の「上を向いて歩こう」という辛さのある香りの高い、すいすい飲める純米吟醸酒。

生のホタルイカをボイルしてさっと炙ったものはワタの旨味がお酒にドンピシャ。

名古屋フグの刺身は白子とおろしポン酢で供される。

砂糖を使わずに漬け込まれたガリは生姜とゴーヤ。。ゴーヤのガリはめずらしい。

太刀魚の塩焼きもふわふわの食べ口。。金針菜が添えられる。。。

蛸は手前はさっと塩蒸ししたものでしっかりとした弾力だけど隠し包丁を施しているので食べやすい。奥はしっかりと酒蒸ししたもので歯が要らないくらい柔らかい。。こうやって同じ素材を異なる調理法でいただけるのが嬉しい。

旬の「のれそれ」は酸味のあるタレで供される。ごま油の香りもする。。。寿司店でごま油の使用は珍しい。でも美味しい・・・・

ずわい蟹の身と甘エビの身を包丁で叩いて混ぜたもの。これは初めていただいた。最初は半分アテとして日本酒と一緒にいただいて半分はご飯と混ぜていただく趣向。不味いわけがない・・・

炙ったキンキをすし飯に乗せて上から出汁をかけて茶漬けとしていただく。この趣向も実は初めてなり。

寿司の扉は瀬戸内海の鰆から。続いてのマグロは私だけパス。和歌山のハリイカ、コハダと続く。最近多い赤酢でないのが嬉しい。

続いて巨大サイズの足赤エビ。尻尾はわさびを乗せてアテで、頭と胴部分は握りで供される。青森産の雲丹は見ただけで高級とわかるもの。口の中ですっと消える幽けき味わい。ふわふわの焼き穴子と続く。

最後に茶碗蒸しをいただいて干瓢巻きと卵焼きでフィニッシュ。ガンガン飲んで会計は一人1万円でした。。内容を考えるとコスパはいい方だと思う。。

次回は泡盛をいただきながら食したいと思った。

ご主人は沖縄から大阪に出てきて20年とのこと。沖縄のことは全くわからないと言っておりました。

大阪市福島区福島4-4-24
電話: 06-6147-6171

<p><a href="https://tabelog.com/osaka/A2701/A270108/27072635/?tb_id=tabelog_58fd903a74c612f1a51344077fb7ef147a49643c">鮨 かなさ</a> (<a href="https://tabelog.com/rstLst/RC010201/">寿司</a> / <a href="https://tabelog.com/osaka/A2701/A270108/R5287/rstLst/">新福島駅</a>、<a href="https://tabelog.com/osaka/A2701/A270108/R11301/rstLst/">中之島駅</a>、<a href="https://tabelog.com/osaka/A2701/A270108/R7750/rstLst/">野田駅(阪神)</a>)
<br />夜総合点<span style="color: #FFD700;">★★★</span><span style="color: #A9A9A9;">☆☆</span> 3.5
</p>

 

大阪市 福島 寿司

肴と寿司 ほしつき【大阪市 福島】

寿司激戦区の福島駅界隈にある表記の店を訪問。駅裏の商店街の2階でとても判りにくいところに位置する。星と月がデザインされた看板が目印。店内は明るカジュアルな内装。カウンター6席、テーブル2卓。

メニューは
・おまかせ寿司5貫1000円・10貫が2000円/特上5貫1500円・特上10貫が3000円
・鮨コースは3500円・5000円
・鮨懐石コースは4000円・5500円・8000円

この日はテーブル席だったのでアラカルトで好きなものをいただくことにする。店主はかなり若い・・・女性スタッフと2人で切り盛り。

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座付きは炙って軽く燻製をかけた鯖と自家製のスルメイカの塩辛。普通に美味しい。。。

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造り盛りあわせ1900円は本マグロのトロ、ホタテ貝柱、ツブ貝、煮タコ、縞鯵、熟成させた平目、皮目を炙ったのどぐろ。どれも丁寧な仕事でとても美味しい。

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赤ナマコは軽く茶振りにしたもの。レアな火入れなので歯ごたえを残したまま。近年ナマコが中国に輸出されるようになって仕入れ価格が高騰。普通の料理屋では見ることが少なくなった。私も数年振りにナマコをいただいた気がする。

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しんみりと煮込まれた鮑。最近は煮鮑を出す寿司店も増えたが美味しさは産地とサイズに比例することは証明済み。鮑は蟹や河豚と同様でサイズが大きくなればなるほど100gあたりの単価も上がるのでその兼ね合いが難しいところである。

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日本酒も好みを言えば店主が合わせていただける。最初は「みむろ杉 」奈良の今西酒造がつくる純米吟醸 露葉風 無濾過生原酒 中汲み 27BY というもの。中汲みらしい太いボディ感が特徴で途中から燗にしていただいた。

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縞鯵の頭を塩焼きにしていただく。良い脂があったが養殖の匂いを感じたのが残念。玉子焼きもイマイチ・・・

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寿司は軽く火入れした北寄貝、コリコリの細魚はこの日のスマッシュヒット。活の足赤海老、塩味の剣先烏賊、1枚付けのコハダ。お酒もしっかりといただいて一人9000円でした。やっぱりこちらはコースでいただくのがお得のようです。。

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1階に繋がる階段がかなり急なので転落に注意。そのあとは行きつけのホテル阪神前のアニバーサリーで安ワインを飲みながらスタンディングでライブ鑑賞。飛び入り演奏の客ばかりでこの店はいつ行っても楽しい。サックスやクラリネットのソナタも良かった。。。

大阪市福島区福島7-5-15-6
452-4848

大阪市 福島 寿司

鮨 千陽【大阪市 福島】

ミシュランのビブグルマンを最近取得された福島にある有名店。こちらは中央市場の前にある飲食人大学を経営する人材派遣会社の運営。最近はメディアの取材も多く予約がなかなか取りにくい。

「飲食人大学」は1年生の料理学校のカリキュラムを3ヶ月という短期間で現場で通用する技術を身につけることが出来るという短期集中型のまさに世の中が望んでいた学校である。寿司を含め和食の修行は劣悪な労働環境のもと精神修養を中心とした前時代的で属人的要素の強い「見て学べ」という慣習が根強く残り、それが和食料理人や寿司職人を志す人の障害となっていることは周知の事実である。

こちらの学校はそうした封建的な古い慣習に風穴を開け、今では多くの女性寿司職人の卒業生を輩出している。こちらの料理人大学の寿司専科は3か月で60万円(キャリアアップ助成金の対象なら30万円)のカリキュラムで江戸前寿司の実践的なノウハウを教えてくれると言っていた。
その卒業生が働くお店がこちらで、1階席が3500円コース、2階席が7000円コースと分かれていて今回は男性板前さんがいる1階でいただいた。(2階は女性職人さんです)

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7席の店内は木のカウンターで板前さんとの距離がかなり近い。ビールで乾杯をして前菜が無花果の胡麻クリーム掛け、甘海老の5杯酢掛け、魚介の白和え。手作り感もありまずまずである。

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小さな蓋付きのガラスの器の中にはフカヒレの炊いたもんが入る。かなり気の聞いた演出である。

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刺身は鯛とインド鮪。私は鮪が苦手なのでアコウに変更。鯛は養殖であったが上質なり。

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こちらの板前さんも3ヶ月学校で勉強して1年目と言っておられた。手が遅く包丁の使い方がまだまだぎこちないけど熱心さや丁寧な所作に応援したくなる。素直で擦れていない応対に好感が持てる。

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剣先烏賊を薄くすいて刻んで握る。切り方一つで甘味が増す。塩と酢橘でいただく。

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昆布〆にして水分を飛ばした今が旬のイサキは脂がしっかりとのってとても美味しい。

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漬けにしたインドマグロの赤身は辛子が添えられる。

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鮪が苦手な私には目板かれいを出していただいた。気遣いがとても嬉しい。日本酒もいろいろな種類のものが用意されていて好みを言えば誂えていただける。

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脇を固めるスタッフさんも学校の卒業生や入学予定の方で一生懸命さが伝わるのが感じがいい。

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大振りの小肌の半丁付け。〆具合も御上手。江戸前の仕事をちゃんと踏襲している。

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小さな雲丹丼には3杯酢のゼリーがかかる。ミョウバンの味がしっかりする比較的廉価の雲丹だけどひと手間かけることで癖が気にならなくなる。

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レアに煮込んだ肉厚のホタテ貝柱を炭火でさっと炙って潰して握ったもの。古い江戸前の仕事で関西ではほとんど見たことがない。専用の甘辛醤油との相性も良くてこれが私的には今日のナンバーワン。

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酒器はすべてスガハラガラス。光の模様が美しい。ルネラリックを思わせる。

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好物の海老は大振りの冷凍ブラックタイガー。仕事を施すことで活車エビを超える味にしたいと言っておられた。玉子のおぼろを中に鋳込んで一方には甘エビのおぼろ、もう一方には小海老のおぼろをトッピング。身が分厚くて食べ応え満点。プリプリの海老とおぼろの味で食べ比べる楽しさを提供。

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煮込まれた穴子は笹の葉に乗せられて炭火で炙られて供される。北新地の名店「平野」と全く同じ手法である。食したときにふわっと笹の香りがする。

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最後はカステラのようにフワフワに焼かれた玉子。もう少ししっとりした方が美味しいとは思うが許容範囲内。

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最後の汁物もかなり出来が良い。

キャリアが1年未満の調理人(多分調理師免許は取得していないと思われる)がここまで出来るということに感動がある。つまり単に美味しいとか美味しくないとか言う問題ではなく本格江戸前寿司のハードルをここまで下げたこちらのお店に敬服する。  

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最後に少し残っているお酒を見て玉子の端っこのへたの部分を切って出してくれた。新地の高級店でもなかなかしてくれない気遣いに心を掴まれる。。

大阪市福島区福島5-12-14
06-6450-8685
営業時間 18:00~23:00

鮨 千陽寿司 / 福島駅新福島駅中之島駅

夜総合点★★★☆☆ 3.5

大阪市 福島 寿司