地域:大阪市|ジャンル:寿司

芳すし【大阪市 姫松】 【大阪市 西田辺】

阿倍野にある表記の寿司店を訪問・・・・・

今から35年前のバブル真っ盛りの時代に界隈ではナンバーワンの人気を誇る名店だった。ミナミや新地で飲んだ帰りの客で夜中の0時でもずっと満席だった記憶がある。

トロ一皿2000円が飛ぶように売れて中央市場に入る高級本マグロを片っ端から買い占めてマグロの山をカウンタ−に並べていた。カウンター席はいつも常連で占められていてビジターはテーブル席しか座れなかった。若い頃、軽トラに乗ってこの店の前を通りながら、ここでお腹いっぱい寿司を食べることを夢見ていた気がする。

現在の店主のお父さんやお母さん、お兄さんと若い店員が4〜5名くらいいて強烈な活気があった。現在、新地で名店といわれる美菜月さんもこちらのご出身で下働きをされていた記憶がある。このお店のカウンタ−に座ってお腹いっぱい寿司を食べるのが当時の夢だった。現在は大将が一人で切り盛りされていて敷居も下がり、かなり行きやすくなった。

この日も予約で満席。予約でいっぱいの時は入り口のシャッターを半閉めされているとのこと。メニューはコース1択で事前に好き嫌いを聞いてくれてあとはおまかせで提供されるシステム。この日は「マグロが苦手」なことと「海老が好物」と申し上げて誂えていただく。

最初の前菜は「河豚の皮」「胡瓜とクリームチーズと子持ち昆布」「蛸の煮付け」の3種盛り。焼酎と一緒に美味しくいただく。続いて「アワビと河豚の唐揚げ」でインパクトのある料理が続く。

脂がよく乗った韓国産の鱧の炙りが供される。韓国産は国産の鱧の5倍の仕入れ値と言っておられた。本鮪のカマ部分のすき身は友人が食す。セコガニの身は3杯酢でいただく。続いてA5の肉を炙ったものに雲丹をのせたものなど変幻自在の酒肴が次々と繰り出される。

大将はずっと喋りながらスタッフに気合や指示を入れ続け、機敏に動き回る。しかしながら隠し包丁や柑橘を微かに絞ったりして仕事がとても細やかなことに感心する。

続いてキュウキュウと鳴く小さめの伊勢海老を洗いにして刺身で提供。北海道の積丹半島産の高級雲丹、剣先烏賊も一緒に大皿で盛り込まれる。

寿司の扉は手綱にした鱚から。昆布締めにされていてとても美味しい。続いて軍艦巻きにされた雲丹、名物の焼き鰻、新鮮極まりない甘海老、鯵の棒寿司仕立て、細工包丁された烏賊と続く。

冷蔵ケースからおもむろに大きな平貝を取り出し、殻をむいて貝柱を刺身と磯部巻きの2通りの仕事でいただく。これは新鮮極まりないとても贅沢な味わい。。

デザートまでいただいて思いっきりお酒もいただいて一人15000円でした。。これだけ高級食材を出して儲けがあるのか心配しながら店を出る。

大阪市阿倍野区万代1-1-2
17:00〜22:30
火〜土曜日12:00〜14:30
06-6623-229

大阪市 姫松大阪市 西田辺 寿司

まさる【大阪市 四天王寺前夕陽ヶ丘】

夕陽が丘にある表記の寿司店を一人で訪問。25年来通っている私が大阪で一番美味しいと思うお店。この地で商売をして27年と言っておられた。駅からも遠く、奥まった裏通りに小さな表札だけを掲げて店は存在する。店の前にコインパーキングあり。

17時からの開店なのでジャストオンタイムに入店する。美味しい寿司をいただくときは一人に限るというのが持論。お酒は飲まずに熱いお茶と一緒にしっかりと寿司に向き合うのがこちらの店でのいただきかた。

厳つくて坊主頭の吉村店主の握る寿司はとても繊細で細やか。酒肴は一切頼まずに握り寿司だけをお任せでいただく。主人は曰く「うちの店は寿司(特に米粒)を食べてもらいたいので寿司以外の「あて」は新地の料理店で食べてくれ」とよく言っておられる。多種多彩な寿司ネタは握りで40種類、巻物で20種類と圧巻の揃え方。

客のいないカウンターに一人座り、店主といろんな話をしながらマンツーマンで赤身を除いてどんどん握ってもらう。

寿司の扉は昆布〆の鱚から。この順番は20数年来変わらない。「6月の鱚は絵に描いたものでも食べろ」という言葉をどこかで聞いた記憶がある。続いて旨味が凝縮したコチ、上品な脂のアマテカレイ、コリコリ食感の鰺はネギと生姜が添えられる。皮目を炙った香ばしいカマスも旬真っ盛り。北海道産キンメには肝と芽ねぎが添えられる。シャリは他店の半分くらいの量なので一気に食すことができる。シャリの美味しさとネタとのバランスも素晴らしい。。

続いて塩でいただく剣先イカ、えんぺらの部分がたっぷりのシグニチャーの煮アワビ、独特のフォルムの車海老はこの店を代表するネタで中に頭の味噌が鋳込まれる。釧路のバフンウニ、レアに蒸しあげた渡り蟹は卵が甘い。最近希少となったいくらと続く。

後半戦は独特の磯の香りたっぷりの赤貝、かなり大きなサイズでふわふわの煮ハマグリ、炙って磯辺巻きにした鰻は大阪ならではのネタ。、山芋や色々な野菜の入った袱紗玉子でコースは終了。追加でこの時期ならではの脂ののった高級魚のアコウ、炙ったタイラギ貝、皮目を炙った鱧で終了。本当はもっといろんなものを食べたかったんだけどお腹いっぱい。ごちそうさまでした。

食事時間30分1本勝負でした。。値段は新地やホテルの半額。。。ここはほんと最高です!!

過去のまさるはこちら

大阪市浪速区下寺2-3-10
TEL:06-6649-7227
営業時間:平日 17:00~翌2:00 日祝 17:00~23:00
定休日:水曜日

大阪市 四天王寺前夕陽ヶ丘 寿司

すし豊 6月【大阪市 東天下茶屋】

私が30年以上通っている創業50年の阿倍野の寿司店を友人と訪問。国道13号線(あべの筋)の松虫交差点を南に200m、路地を東に入った場所に位置する。(阪堺線の東天下茶屋駅徒歩3分くらい)

昭和の残り香が漂う店内はカウンター8席と小上がり2卓のみ。ご主人とご子息、奥さん3人の家族経営。。大阪の江戸前鮨のパイオニアと言われるお店でよく雑誌にも掲載される。

こちらのご主人は東京生まれで若い頃に東京銀座の名店「新富寿司(今もあります)」で修行。しかしながらお店が厳しすぎて1970年に大阪万博見物と偽って仲間と脱走。そこから大阪で少し修行をして自分でこの店を出した話は界隈ではよく知られているけど実は瀬戸内海の魚にご主人が惚れ込んで東京から職場を変えたというのが真相らしい。

ご主人の東京言葉での解説や軽妙洒脱な会話もご馳走の一つ。人気店なので早めの予約がオススメ。

最初はビールと一緒に和歌山産の「もずく」を所望する。黒いもずくを2秒くらい加熱するとびっくりするくらい綺麗な緑色になる。うずら卵の入った特製の出汁で蕎麦のようにしていただく。しゃりしゃりした食感と磯の香りがとてもいい。食べ終わったら出汁に鱧の骨で取った熱い出汁を注いで蕎麦湯のようにしていただく趣向

ご主人が毎週木曜日に自ら獲りに行く有田川の鮎と琵琶湖の鮎の食べ比べ。解禁直後なので双方ともサイズは小さめ。水槽から取り出して串を打つとぴちぴち跳ね回る。

座付の胡桃と諸子の飴炊きは焼酎にぴったり。旬の桜海老の刺身も甘くて美味しい。ヒゲは取っているのでとても食べやすい。白海老と違って皮は全く気にならない。

焼きあがった鮎はタデ酢と一緒にいただく。頭だけをかじって体に空気を入れて次にお腹部分と3口に分けていただくのが作法。養殖鮎のように脂っ気はないけど旨味は深くてとても幸せな気分になる。

寿司のスタートは黒胡麻を射込んだハリイカから。 明石の鯛、鮪の漬けとヒラマサのかぶら巻きと続く。〆たヒラマサはこちらのスペシャリティで口に入れて咀嚼すると最初はヒラマサの深い旨みを感じて、そのあとカブラでさっぱり口直し、最後に鷹の爪がピリリと来る味の三段ロケットといわれる。

小肌は大きなコノシロサイズで脂がよく乗っている 現在は希少な子持ちシャコ、軽く炙ったカンパチと続く。

続いて昆布〆にしたヒラメ、漁獲量がかなり減ったといわれる大阪湾のシラサエビ、鱧と鯖の漬けと続く。大きなサイズの煮アワビはとても柔らかい。とびっ子の軍艦、「スフレのように口の中で溶けちゃうよ」「焼きたての温度は260度だから気をつけて〜」と講釈がつく泉州産の煮穴子でフィニッシュ。

口直しの香の物はカブの葉の奈良漬、べったら漬け、ズッキーニの浅漬けなど・・・会計は思いっきりお酒をいただいて一人1万円以下。。。ごちそうさまでした。

過去のすし豊はこちら

大阪市阿倍野区王子町2−17−29
06-6623-5417
営業時間:17:00~24:00
定休日:木曜日

大阪市 東天下茶屋 寿司