三ツ輪食堂 10月【大阪市 大国町】

木津卸売り市場にある標記の店を訪問。大国町駅から徒歩3分。無料駐車場あり。周りは飲食店街で隣はオープンから閉店までずっと行列で有名なうどんの「大和」、その横が赤井英和がよく来る食堂の「当志郎」、鰻専門店の「川上」など市場ならではの有名店が建ち並ぶ。

その中でも一番個性的な店がこちら。カウンタ−12席で半分くらいの客が昼からビールを飲んでいる。店に入ると「ビールにしますかお茶にしますか〜」と尋ねられるのがおもしろい。

早朝は主に市場関係者に利用され、8時から昼頃までは一般の客が入る。木津市場で仕入れた新鮮な魚や肉を使った普段使いのお店。

最初にカウンタ−に並んだ総菜を選ぶ。この日は烏賊と焼き豆腐を炊いたものをチョイス。烏賊の火入れも素晴しく柔らかく仕上げられている。烏賊の風味の染み込んだ豆腐も絶品である。

次にこちらのお店のシグニチャーメニューの肉巻800円(定食にしたら1200円)を所望する。

驚くほどふわふわの玉子を割ると、甘く炊き込まれた柔らかい和牛バラ肉が溢れ出る。甘い脂身とふわふわ卵を熱いご飯の上に載せて頂くと最高の幸せを感じる。

いろいろな店で肉巻を頂くがこの店のものがベストオブ肉巻である。朝早くからやっているので朝食にもいいと思う。。パワー全開になります。。。

大阪市浪速区敷津東2-2-8木津卸売市場内
営業時間3:00~13:00
定休日日曜、祝日、第2第4水曜

大阪市 大国町 和食

三ツ輪食堂【大阪市 大国町】

大国町徒歩3分。木津卸売り市場内にある40年以上前から私が通う表記の食堂に北海道の友人を連れて11時頃に訪問。隣の天ぷらカレーで有名な大和はすでに15名くらいの行列。こちらの食堂の先代が作っていた頃から父に連れられてきた記憶がある。市場が改装されて今は綺麗な感じのファザードと内装になってはいるが昔は強烈なインパクトのあるテレビでよく見るアジアの食堂のような感じだった。

店はカウンタ−12席のみ。昼間からビールや焼酎を飲んでいる客も多い。店に入ると「ビールにしますかお茶にしますか〜」と尋ねられる。早朝は主に市場関係者に利用され、8時から昼頃までは外からの客で埋め尽くされる。木津市場で仕入れた新鮮な魚や肉を使った普段着のおかずが有名で入店したら「今日は〇〇が入ってるよ〜」とか「〇〇のお造り美味しいよ〜」といって奨めていただける。

この日は「焼豚の焼きたて美味しいよ〜」との事なんで迷わず所望する。熱々の焼豚は肉汁たっぷりで辛子をつけて頂くとご飯がいくらでも食べる事が出来る。

お店を仕切るのは推定年齢70才のマスオ君で若いときはお父さんに「マスオ!早く片付けんか〜」「マスオ!!野菜仕入れ忘れとるやないか」と毎日ボロクソに叱られていたのを思い出す。兄の邦夫さん(推定75才)と一緒に兄弟で切り盛りされている。邦夫さんの作る料理は当時のご主人(お父さん)の味を完璧に再現された大阪らしい深みのあるしんみりした味をつけられる。

一度来た客の名前もしっかりと覚えていて「〇〇のお兄さんいらっしゃーい!」と挨拶をされる。又、料理提供のときは吉本新喜劇ばりに「おまっとーさーん」と言いながら出してくれる。客が前回に何を食べたかも記憶していて「前は〇〇食べはったけど今日は××どうですかー」と奨められる。

こちらのお店の名物の肉巻800円(定食にしたら1200円)はふわふわの玉子を割ると、甘く炊き込まれた柔らかい和牛バラ肉が溢れ出る。これも熱いご飯の上に載せて頂くと至福の喜びを感じる。新鮮なアサリがたっぷり入った貝汁の美味しさも有名で年季の入ったいい味を作られる。

天ぷらの盛り合わせはちゃんと人数分揚げてくれる。この日は背開きにした海老、新鮮な紋甲烏賊、走りの鱧、茄子の4種盛り。天だしをたっぷりつけて頂く。ビールが欲しくなるが昼間なので我慢。このあと若牛蒡の炊き合わせを頂く(写真なし)。サービスで新ジャガの炊いたものをサービスで出してくれた。。

台の上には旬の野菜を炊いたものや高野豆腐なども大鉢に入っていて好きなものを選んでいただくのもお薦め。注文してから出てくるのが遅いとかすぐ忘れるとか店が散らかってるとかいくつかの問題はあるが美味しいから気にしない。

敷地内にコインパーキングもあって使いやすいお店です。 お昼時を少しだけはずしていくのがコツ。

4月から某大学で講義をしています。終わってから食堂でカレー蕎麦を食べるのが楽しみ。今日はコロッケをトッピング。会計は290円でした。

過去の三ツ輪食堂はこちら

大阪市浪速区敷津東2-2-8木津卸売市場内
営業時間3:00~13:00
定休日日曜、祝日、第2第4水曜

大阪市 大国町 その他料理和食

グランドティアラ大阪【大阪市 大国町】

日曜日にお世話になる知り合いの料理人の方が厚生労働大臣表彰「現代の名工」を受賞されその披露祝賀会パーティーに参加。200名の出席者で会場は満席。この日の為に周到に準備され腕に撚りをかけた料理が振る舞われた。数々の名料亭の料理長を歴任し、大学の講師なども務められ業界にも多大な貢献をされた方で基本に忠実で、日本料理の伝統をしっかりと守り、継承されている当代では傑出した技術を持つ日本料理人の一人。

前菜は鴛鴦の器が印象的。中には毛蟹とうるい、アスパラ等の春野菜を合わせたお浸し。もう一方は自家製の蛸の塩辛に叩いた山芋を添えたもの。いずれも味の決まり方がドンピシャ・・・

旬のアマゴのは素焼きにしてこっくりと炊き上げるが嫌な甘さ苦味は全くない。車海老の月環の中は長芋を裏ごして作る。一寸豆の翡翠煮も薄い蜜漬けで提供。擬製豆腐は湯がいて裏ごしした豆腐に卵や野菜を加えて調味し芥子の実をつけて焼いたもので昔ながらの古い日本料理の仕事。

小鉢は赤貝のあちゃら和え。あちゃら和えは鷹の爪を入れた甘酢に季節の野菜 をつけたものの総称で和風のピクルスのようなもの。普通はダイコン、カブ、蓮をよく使用する。包丁された赤貝も上質なもの。

粽寿司の中身は小鯛を使用。〆加減や酢飯の加減も完璧。日本料理の伝統をきっちりと踏襲した細やかで丁寧な仕事に感動する。

日本料理の華であり、この日も「自信の逸品」と私に言っておられた煮物椀は蛤の身がたっぷり入った蛤糝薯の潮仕立て。ふわふわのしん薯の火入れの確かさに驚く。貝の旨味をたっぷり引き出した出汁は透明感があり貝の嫌な癖等はみじんも感じられない。あしらえの筍や若布も丁寧なプロならではの下ごしらえが光る。久しぶりに心から美味しいと思う煮物椀に遭遇・・・

氷の器で供される刺身はヨコワ、鮮度抜群の剣先烏賊、湯洗いした天然車海老、脂がのりまくりの天然鯛の4種盛り。包丁の冴えが切り口を見ただけで判る。あしらえは山葵、寄せ岩茸、蕨、ラディッシュ、撚人参、穂紫蘇。

炊きあわせは筍の油煮と鮑の柔らか煮。植物油を低温から少しずつ温度を上げて火入れする古典的な仕事で最近は久しぶりに見る事が出来た。鮑は好物のエンペラのゼラチン部分が入っていて少し嬉しかった。蕗の味の入れ方や昆布の型くずれせず柔らかく炊き込む技術はさすがとしかいいようがない。

箸休めの胡麻豆腐は胡麻のペーストを使用せずに洗い胡麻をミキシングして丁寧に作られていた。胡麻のかそけき風味と香り、吉野葛の分量、出汁で塩梅を合わせた酢の加減などシンプルが故に難しいものであるが完璧に仕上げられている。秋田産の蓴菜も涼しげでいい・・・

会場の端で焼かれる黒毛和牛のフィレステーキ。ベルギーのフライドポテトで最近冷凍食品でもたまに見かけるポムデュセスの美味しさにビックリ。肉は最高級のものである事は口に入れただけで判る。トリュフが入ったソースは煮切った酒に醤油、水飴、塩、酢等で調味したものと思われるがこれ以上は判らなかった。

パイ包みされた茶碗蒸しの中身は伊勢エビを低温で火入れしたものが入る。茶碗蒸しの出汁のベースにスッポンのスープを使用し、その上に生姜を効かした銀餡が掛かる。

食事は綺麗に飾られた赤飯。西瓜の甲南漬けが添えられる。

水菓子はクラウンメロン、マンゴー、苺が杏仁ゼリーとともにシンプルに盛りつけされる。美しく美味しい料理は界隈にいくらでもあるけど昔からある面倒で細やかでしっかりと手のかかった、本物の昔ながらの「日本料理」をいただく素晴しい機会であった。

大阪市 大国町 和食