カテゴリー:フレンチ

MICRAD 3月 *伊賀牛を使ったハンバーガーイベント【大阪市 住吉大社】 【大阪市 北加賀屋】

住之江区の加賀屋にある表記のお気に入りレストランを仕事帰り久しぶりに一人で訪問。大阪メトロ北加賀屋駅・住之江公園駅、南海本線住吉大社駅から徒歩10分という歩きごたえのある立地。

バス通りに面する間口の狭いお店は白を基調とした内装でカウンター5席とテーブル2卓のみ。目立たないファザードなので知らなければ通り過ぎてしまう。調理歴19年の童顔女性オーナーシェフのミクさんが小さな厨房で手際よく作るイタリアンとフレンチと中東料理をフュージョンしたアラカルト料理が売り。何をいただいてもワンランク上の美味しさ。コスパもいいので紹介した方にはほぼ喜んでいただける。

上質な素材へのこだわりはかなり強く野菜は契約農家、肉類は粉浜商店街の老舗精肉店「うしや」から仕入れをされ調味料もほぼ自分で作られるこだわりよう。自家製のフォカッチャやカンパーニュなどのパン、手作りスイーツもとても美味しい。。

この日は年に数回行われる精肉店とコラボした「ハンバーガー」のイベント。ブランド牛の伊賀牛の腕部分を荒ミンチにして繋ぎなしの100%ビーフの状態のものを手作りバンズで提供。スタンダードなサワーマヨネーズやヨーグルトソース、ケチャップなどで味をつけたものと安曇野山葵を使った醤油ソースの和風のものを選ぶことができる(共に1600円)。このほかにも希少なハンガリーの国宝とも言われるマンガリッツァ豚100%(1400円)のものもある。今回は和風のものを注文する。

ハンバーガーができるまでに前菜盛り合わせをいただく。ビーツ、野菜のピクルス、鶏レバー、レーズンバター、とうもろこしのムースなど。

焼いた肉をなん度も休ませながらゆっくりと火入れする。出来上がりのビジュアルななんとも艶かしい。

肉の旨みがダイレクトに伝わる。山葵ソースも全く肉の邪魔をしない。バンズの美味しさが突き抜けていてこれだけワインといただきたいくらい。腕の肉をこれほど上手に昇華させる技術に敬服。。これまでで一番美味しいハンバーガーをいただいた気がする。

ワインとクラフトジンを合わせて美味しくいただきました。3種類食べたかったけどお腹いっぱい。15.16日もこのイベントはされています。かなりハイレベルであることは間違いない。。お店は小さいので予約必須です。

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大阪市住之江区中加賀屋4-2-3
日曜休み
090-3736-0286

大阪市 住吉大社大阪市 北加賀屋 イタリアンフレンチレストラン

ラポンヌターシュ *名店コートドールのDNAを継ぐフレンチ【大阪市 北浜】

最近のマイブームで月に一度、西天満の足裏マッサージに通っている(強烈に痛い・・)。その帰りに裁判所の裏側にある表記のフレンチを一人で訪問する。

本年2月に東京の誰しも認める古典的なフレンチを日本に持ってきたと言われるフランス料理界のレジェンドの「斉須政雄シェフ」が引退され、長きにわたり人々を魅了した名店「コートドール」も閉店となった。こちらの田村シェフはコートドールで修行先され、斉須シェフに直接学ばれ、2013年7月に大阪のこの地で独立された。

お店はシンプル&スタイリッシュでカウンター12席のみ。ライブ感あるオープンキッチンなんだけど火口やオーブンもクラシカル仕様でスチームオーブンもない。お店はすべてシェフひとりで切り盛り。特筆はお店の清潔さでいつも感心するくらい、どこもピカピカ状態。今回は夜のプリフィックスコースのうち8800円のものを予約

アミューズはコートドールの伝説のスペシャリテの「赤ピーマンのムース」

ふんわり滑らかで透き通るような味わいだけどコクのある赤ピーマンのムースとトマトソースのほのかな酸味が合わさって、凝縮した野菜の味わいが口の中で響き合うのがわかる。田村シェフはコートドールで前菜担当もされていたのでこの料理はコートドールそのものと言われる。

前菜はサーモンの燻製を所望する。

火入れ、燻製の加減も絶妙で香りを楽しみながら柔らかな食感とスパイス感も味わえる逸品。酢漬けの野菜もいい口直しとなる。

追加料理で赤穂の牡蠣のクリームスープを注文する。ポシェした牡蠣の出汁と野菜のスープが相まってとても味わい深い。バターもしっかり入って、添えられた牡蠣のパンチに負けていない。

数種類の料理を同時に提供する田村シェフの所作はゆったりとしながらもテキパキして無駄がなく流れるようでとても美しく、見ていて楽しい。提供される全ての温製料理の皿が熱々なことにも敬服する。

魚料理はこの時期のスペシャリティの平目のアメリケーヌソースを選んだ。皮目をパリッと焼き上げた身厚の平目と濃厚なアメリケーヌソースの相性は抜群。シャルドネが進みまくる。添えられたパンでソースを残さず拭っていただいた。こちらもコートドールのスペシャリティ。

「牛ほほ肉の赤ワイン煮」は一見どこにもありそうな料理なんだけどどこにもない他店とは一線を画した仕上がりとなる。分厚くカットされた肉は解けるほど柔らかく、繊維が綺麗に分解される。ソースはとても軽くて重層的、人参のピューレと合わさってさらに深みを増す。こちらもワンランク上の仕上がりでこれ以上に美味しい赤ワイン煮は食べたことがない。

デザートはクレームブリュレとエスプレッソを所望。名物のソルベもいただきたかったんだけど悩んでこちらにする。表面のカラメルをしっかり炙って固め一旦冷やしてから提供される。バニラの粒がたっぷり入った王道の味わい。

お酒もグラスで上質なものをたくさんいただきました。

地に足のついた料理ってこういうことなんだなと納得しながら店を出る。カジュアルだけど本格的なとてもいいお店です。。

過去の記事はこちら

大阪市北区西天満4-1-8
06-6312-1777
営業時間:18:00~23:00
定休日:日曜日

大阪市 北浜 フレンチ

SAKAEYA+「caillou カイユ」 特別イベント

滋賀県の南草津にある全国的に有名な食肉卸・精肉店の「サカエヤ」のイベントにお誘いいただいて参加。南草津駅からタクシーで10分の辺鄙な場所に位置する。こちらの精肉店に併設されているカウンター10席の小さなレストランを使って開催。故にお店の名前は「SAKAEYA+」とのこと。

以前は専属シェフを雇ってお店をされていたらしいが現在は取引先のシェフやオーナーの知人が期間限定で入られるポップアップ方式で定期的にレストラン運営をされている。今回は5回目のイベントとのこと。

メインの精肉店では近江牛をはじめとする高級牛肉やその他の産地の牛肉が部位別に販売される。

その横の大きな冷蔵庫には得意先に合わせた骨付きの熟成肉を保管。卸として肉の注文を受ける70件の得意先は全てオーナーシェフの顔の見える店ばかりとのこと。温度や湿度、菌の状態などが異なる冷蔵庫で肉の個性を残しながら味を乗せていくことをこちらのお店では「手当て」をするというらしい。こちらのご主人の精肉師の新保吉伸氏が電話で相手と意見交換をしながら肉の状態をコントロールすると聞き及ぶ。

今回は東京・西小山の「caillou カイユ」というレストランから数々のフレンチの国際コンクールで優勝された安達晃一シェフが来られ、店主の新保氏がこのイベントのために肉を手当てしながら、安達シェフと2人で肉に合わせたメニューを決めていくという趣向。

アミューズは「さいとうポーク」のジャンボンペルシエ。いわゆる煮凝り。よくある血生臭さなどは全く感じないピュアな味わい。「走る豚」を使った一口サイズのスペアリブは金柑を合わせて供される。

続いて現在では希少な阿蘇赤牛の盲腸、小腸、大腸のアンドウイエット(ソーセージ)。コリコリとした食感が心地いい。牛の盲腸は初めていただいた。ソースはトピナンブール(菊芋)のピュレ。

近江牛センマイのカツレツ。トマトと粒マスタードのソース。新鮮なセンマイを冷水で締めながら洗ってカツレツにしたもの。これも初めていただいた。

自家製パンも秀逸。

阿蘇赤牛のミノ、ハチノス、赤センマイのソテーを牧草を燻して香りをつけた出来立てのオランデーズソースでいただく。フレンチでここまでホルモンをいただいたのは初めて。

途中で店主の新保氏が登場し挨拶をされてからカウンター前で骨付きの大きな肉の塊を捌く。

近江牛のA4、マーブリング12のリブロース肉を新保氏が手切りでしゃぶしゃぶ用にカットする。

目にも鮮やかなスライス肉。これを目の前でセップ茸のコンソメを使ってしゃぶしゃぶにして供される。

個人的にはもう少し火入れされた方が美味しいと思った。

安達シェフがパリの国際コンクールで優勝をした料理でドーバーソールにムースを詰めて火入れした魚料理のスペシャリティが登場。これを眼の前でカットして盛り付けられるのだけど舌平目とムースの食感の調和やバンジョーヌワインを使ったソースの味の深さ含め、本当に美味しいなあと思った逸品。

肉の塊から腕部分のみを取り出して掃除をして、直径1センチ弱の大きさにミンチにする、それを小さく丸めてハンバーグ仕立て。

和牛経産牛リブロースの炭火焼き。蓮根のプレゼ。シェフが30分以上かけて丁寧に火入れした肉は少し硬かったけど脂身もキツくなく食べやすい。ハンバーグはつなぎがないのでボロボロと崩れるけど肉の味がしっかりと記憶に残る。

締めは近江牛のレバーをソースにした手打ち麺。

テリーヌにしたチョコレートとレモンピールを合わせた柔らかいアイスでフィニッシュ。

今回ワインもペアリングで5種類。白ワインもとてもいいものをいただきました。3時間半のディナーで終電で帰阪しました。
ごちそうさまでした。

お店のHPはこちら

滋賀県草津市追分南5丁目11-13
077-563-7829

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