カテゴリー:フレンチ

ラ・フェット ひらまつ 9月【大阪市 肥後橋】

肥後橋のフェスティバルホールにある表記のグランメゾンで芸術鑑賞の余韻を持って会食。こちらは個室を含めいろいろなダイニングがあってプライベートの使用からグループの会食まで使い道はいろいろ。1フロアすべてがお店なのでトイレに行くといつも迷子になる。コース料理もリーズナブルなものもあって様々な客層に対応出来る。プライベートでは訪問するたびに席を替えてくれる気遣いが嬉しい。

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アミューズはいつも出てくるチーズを練り込んだお菓子。サワークリームとの相性もとてもいい。普段予約から当日の接遇まで担当いただいているセルヴァーズのキレキレの動きとウイットに富む会話が食事を更に美味しくしてくれる。苦手な食材から好みのお酒までメールでやり取りが出来るのが嬉しい

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乾杯はひらまつおなじみデラモット。サロンのセカンドだけどこちらのレストラン用に加糖なしで特別に作っていただいていると言っていた。最後までいただいても飲み飽きない。セルバーズの初々しいうんちくを聞くのがいつもの楽しみ。

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コースの扉は雲丹のフランに青さ海苔をゼラチンで固めたものを載せたもの。茶碗蒸しのような感じだけど火入れが残念・・・

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ムール貝のファルシはエシャロットやニンニク、ハーブを混ぜてグラタン状に焼いたものに泡のソースがかかる。特にどうって事はない・・・

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柔らかく火入れされたアワビとセップ茸に軽いブルギニオンソースを掛けたものとアーティチョークにパリグーソースをかけたもの。アーティーチョークの独特の酸味が動物性のソースによく合う。パンはフランスから冷凍で空輸。パスパスして口に合わないがエレシバターと一緒だと許容範囲。    2016-09-04 12.34.53

名物のフォワグラ料理。下には丸茄子が敷かれている。この組み合わせとソースは完璧。日本人なら誰でも美味しいと思える佳品。

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オマール海老はジロール茸を添えてソーテルヌワインで蒸し煮にしたもの。ブルーブランのソースもかなり研ぎすまされた味。ブルターニュ産か北米産かは比べないと見分けがつかなかったがプリプリシコシコで美味しくて一気に食べてしまう。

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鱧のフリットは火入れが残念。身が薄いのと骨切りしているため難しい。フルーツトマトとリュバーブのジャムが添えられる。リュバーブは北欧の植物で例えると日本のすかんぽのようなものであろうか。ジャムの味は梅肉に甘味を足したような感じ。

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ワインで作ったグラニテ。。これも特にどおってことはない。。

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ツムラ本店の河内鴨の炭火焼。これは焼き鳥屋の世界か・・・しかしながら身質は柔かでサクサクしてかなり美味しい。クラッシックな赤ワインのソースもワンランク上の出来映え。うっとりするようなメインディッシュにはソムリエお任せのボルドーのしっかりしたものを合わせる。

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ワインが残ったのでフロマージュをウオッシュと青カビの2種類所望。

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お茶の香りのマカロンは始めて食べた・・・

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メインのデセールが出て最後に追い討ちをかけるマカロン攻撃。夏の終わりのフレンチはお腹いっぱいになりました。ごちそうさまでした・・・

ラ・フェット ひらまつフレンチ / 渡辺橋駅肥後橋駅大江橋駅

夜総合点★★★☆☆ 3.5

大阪市 肥後橋 フレンチ

ビストロエピス 7月【大阪市 姫松】

所属する奉仕団体の友人とホリデーランチ。自宅から徒歩5分の表記のお気に入りのお店で会食。界隈(帝塚山)はフレンチ、イタリアンの店がたくさんあり競争の激しい激戦区。その中でも私が最も美味しいと思うのがこちらのお店の奥野シェフが作るオーセンティックフレンチ。この日は活オマール海老の料理を特別に付けたコース仕立てにしていただく。

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まずはビールで乾杯。一皿目は桃のスープ。産地は聞き忘れたが甘酸っぱい独特の香りが鼻腔をくすぐる。しっかりとコクがあるのに透明感のある食味はシェフの年季ならでは。コンソメスープにクイジナートして裏漉した白桃とヨーグルトと生クリームを足したもの。ゼラチンで固められたコンソメとオリーブオイルがいいアクセントになる。店の前にあるポアール本店のパリジャンが進みまくる。

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2皿目のサラダ仕立てはスモークサーモンを低温調理したものを真空パックにして湯煎で仕上げたもの。身はしっとりと柔らかく添えられたレモンクリームとの相性も素晴しい。軽く付けられた薫香も邪魔にならない。こちらのお店にはスチームコンベクションなどはなくすべてフライパンと鍋だけで料理を仕上げられる。

ここでブリュットシャンパーニュを昼からいただく。会話も楽しく食事が10倍おいしく感じる。

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黒トリュフのリゾットの上にバルバリー産の鴨とフォアグラのポアレを乗せたもの。上にはサマートリュフが乗せられてとても贅沢な好みの一品。リゾットもパンチが効いた味でとても美味しい。奥野シェフはサウスタワーホテル(現スイスホテル大阪)の伝説のダイニング「ラツール」で修行され、塩とビネガーをしっかり使用したどっしりと腰の据わったクラシカルな味わい深いソースと絶妙の火入れは最近流行のフレンチスタイルとは完全に一線を画している。

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活オマールを使った料理は得意のブールブランソースとアメリケーヌソースと香草のソースで供される。最近は冷凍技術が発達しているので冷凍オマールもそれなりに美味しいが活海老には食感だけではなく独特の風味があってそれとシャンパーニュとの相性もお気に入り。

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選べる肉料理は子羊肉の香草焼きをチョイス。完璧な火入れのされた羊肉は神々しさを感じる出来映え。このビジュアルだけでも肉のおいしさがわかる。柔らかくてしっとりとした身質にラム肉独特の旨みとコクを感じる。きめ細かでコクがある必殺の赤ワインソースとの相性も抜群。こちらのシェフの仕事(調理)は火を入れることで新鮮さや素材感がさらに突出し、しっかりとしたコクのあるソースを合わせることで食材のありようをより自然に感じることが出来る。まさにガストロノミーを地でいくような内容である。

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デセールのヌガーグラッセは一口いただくと口の中が煎り立てのヘーゼルナッツや胡桃の香りでいっぱいになる。滑らかで口溶けのいい、しっかりしたコクのあるグラッセである。この時点で腹パン状態。気がつけば2時間半経過。。内容もボリュームもコスパも大満足。。

小さなお店で席数が12席なので予約は必須。

住吉区帝塚山東1-3-36
06-6675-0211
定休日:火曜日の夜と水曜日

大阪市 姫松 フレンチ

びすとろぽたじぇ【大阪市 玉出】

1970年代にヌーベルキュージーヌを確立し、世界で最も有名な料理人と言われるポール・ボキューズからその技術を学ばれた肥田順シェフのお店。こちらのお店は以前は本町にあったらしいが本年に私の自宅近くに移転されこの日は友人と訪問する。

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アラカルトメニューもたくさんあるがプリフィクスになったコースメニュー6000円がお得でお薦めらしいのでそれをお願いする。アミューズはとうもろこしの冷製スープ。ポタージュワシントンというらしい。透明感のある滑らかな味わいは暑気払いにぴったり。

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前菜は名物の自家製ハム。しっとりした舌触りと口一杯に頬張るとハーブの凝縮された豚肉の旨みを感じる。ぱさつきは全くない。低温でじっくりと旨みが逃げないようにボイルされているのと水で塩抜きされていないのが秘訣かと推察する。無塩バターを乗せていただくのはフランス流。付け合わせはオレンジ風味でレーズンが入った人参のサラダと根セロリのサラダ。

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マリネされたサーモンとトマトのソルベ。滑らかでひんやりしたソルベがサーモンと素晴しい相性を見せる。

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どうしても食べたくて追加した前菜はシェフのスペシャリティーのフォワグラのテリーヌ。よくあるテリーヌ型ではなく専用の壷に入れて焼き上げてそれをこそぎ取って大皿に盛りつけてくれる。見た目の華やかさはないけど味わいはかなり濃厚で特有の甘さと旨みが半端ない。今まで食したフォワグラ料理の中で最高に私の口に合う逸品だった。添えられた無花果と少し甘めの白ワインを合わせていただくと美味し過ぎて目眩がしそうになった。

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魚料理はすり身を蒸し上げたはんぺん状のものにソースアメリケーヌをかけたもの。フワフワでしっとりした食感のすり身のはパサつきが全くない。濃厚だけど雑味や癖のない透明感のあるアメリケーヌソースも味わいが深く、あっさりした魚のすり身に絡めていただきシャルドネと一緒にいただくと頭の中をマルセイユのル・ヴュ- ポ-トの風が吹き抜ける気がする。

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泉南で獲れたエイのポワレ。北海道や青森でよく獲れると聞くが泉南のものは初めていただく。作り方はわからないけど丁寧な下ごしらえと骨抜をされたエイはアンモニア臭はまったくなくしっかりしっとりとした火入れしたものに焦がしバター、レモン汁、ケッパーのソースを合わせたもの。

日本では食すことが少ないがノルマンディーやブルターニュ地方の名物料理。パリのレストランのメニューには必ず載っている。見た目通り最高のエイ料理だった。

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鴨料理はグリーンペッパーソース。しっとりと焼き上げられた鴨肉にビーフストック、白ワイン、生クリームとグリーンペッパーで作られた(多分)ソースとの相性がとてもいい。お薦めのピノノワールとともに楽しむ。あしらえの野菜も丁寧に作られていてカルダモンの香りの人参や三度豆もとても美味しい。

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羊肉に鶏肉のすり身とキャベツ、様々な香草を合わせたものを巻き付けて蒸し焼きにしたもの。微妙な火入れが必要でなかなか手のかかる面倒な仕事で最近の調理人でこのような料理を継承する人はほとんどいないと仰っておられた。すり身部分もしっとりしてて絶妙に火入れされた羊肉と一緒に味わうと味の濃淡をしっかりと感じることが出来てトマトベースのソースとシラーのワインで最高のマリアージュを見せる。

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ジュラスの40年をいただく。アルマニャックだけどかなり上品な甘い香りとスパイシーな味わいにうっとりする。

 

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デザートは好きなものを好きなだけいただける。
グレープフルーツの皮のコンフィチュールやグレープフルーツのコンポート、プリンのようなもの、自家製フィナンシェ、マンゴーのタルト、真っ白のコーヒー風味のブランマンジェ、チョコレートケーキ、シャーベット2種、グレープフルーツのカモミールシロップ漬けなど・・

現在はほとんど食べることが出来ない古典的なオーセンティックなフレンチをいただける希有なお店。何を食しても突き抜けた美味しさがある。コスパも素晴しく店も厨房もとても美しい。出来ればカウンタ−でシェフの調理を見ながら食すことをお勧めする。素敵なテラスもあって使い方はいろいろ。

先日レストランひらまつでポールポキューズの総料理長クリストフ・ミュレール氏が来日し晩餐会の誘いを営業の方にいただいたが気が乗らないので遠慮した。しかしながらリヨンにあるボキューズには一度は行ってみたいなと思う夏の夜でした。

大阪市西成区玉出中2-13-31
06-6651-9568

びすとろぽたじぇビストロ / 玉出駅塚西駅東玉出駅

夜総合点★★★★ 4.0

大阪市 玉出 フレンチ