西天満

ふく吉【大阪市 梅田/JR大阪】 【大阪市 西天満】

今年の6月に開店した西天満の気鋭の寿司店。新地の名店「平野」出身の若きご主人の仕事の丁寧さとええ仕入れで何を食しても「美味しいなあ」とつい口に出るマイブームのお店。

お店の名前は「ふく吉」と書いて「ふくよし」と読む。食べログの掲載も実は私が一番のり。7席のみの白木のカウンターでお任せコースを頂く。

2013-12-05 19.34.27

生ビールと共に座付きを頂く。大黒しめじと炙った薄揚げと水菜のお浸し。特にどおって事ないものなんだけどかなり美味しい。

2013-12-05 19.41.03

お造りは巨大な包丁を使ってゆっくりとひかれる。絹のような舌触りの平目と肝を巻き込んだカワハギ。醤油とポン酢で頂く。。。お任せで日本酒をお願いすると「篠峯」の純米吟醸が出てきた。。美味しすぎるので困った。

2013-12-05 19.48.07

セコ蟹は3倍酢で頂く。外子はいつもは食べないんだけどこの日は身と一緒にムシャムシャと食べまくる。ご主人の綺麗で丁寧な仕事が光る。

2013-12-05 19.59.07

赤貝は対馬産と言っておられた。コリコリして赤貝特有のいい香りがする。日本酒がとってもよくすすむ。

2013-12-05 20.04.36

小口にカットされた鯛の酒盗和え。「この酒盗はあんまり塩辛くないね」と聞くと鯛の酒盗を使っているとの事。まさにお酒がどんどんすすみまくる逸品。

2013-12-05 20.09.06

こんがりと焼かれた琵琶湖産の本もろこ。というか琵琶湖産の自然分布しているものだけが本モロコと言われる。。琵琶湖の漁師は琵琶湖で捕れる魚で一番美味しいと行っているのをよく聞き及ぶ。

春先の卵を持ったものが珍重されるけど12月の本モロコも肴の旨味がしっかりしていてかなり美味しい。こんな小さな魚がどうしてこんな値段するのかと思うくらい高価なものである。

骨も硬くなく身も淡白すぎず嫌なクセもなく魚の旨味が最高に感じられる。聞けばさっきまで生きていたらしい。頭を下にして焼いているので頭の骨はモロコの脂で唐揚げ状態。

2013-12-05 20.15.42

福田氏のスペシャルティのタコの煮物は歯がなくても噛み切れる柔らかさ。イボや皮も剥がれず丁寧な炊き込みにいつも感心する。海老芋の煮物も秀逸。

2013-12-05 20.28.23

温物は北海道産の雲丹と白子の乗った茶碗蒸し。トロトロでフワフワで甘あま。。出汁の加減が完璧。

2013-12-05 20.45.24

この辺りで握って頂く。裏旬のさよりは鮮度がいいのでコリコリしている。熟成させる寿司屋もあるけど関西は活かったものが珍重される。この辺りで麦焼酎の水割りを所望。

2013-12-05 20.47.08

私は食べなかったけど中トロ。。

2013-12-05 20.48.05

今が旬の剣先イカ。細かく目が入れられていてとっても甘い。

2013-12-05 20.48.53

鯖は完璧な締め方。。というか私の好みになっている。というか魚自身の魚体が美味しいのであろう。瀬戸内海産と言っていた。

2013-12-05 20.52.02

釣りの鯵はビジュアルだけでも美味しそう。。ご主人の謙虚な客に対する対応も好印象。。奥さんも見ただけで人柄のよさが伝わってくる。

2013-12-05 20.55.18

レアに湯がかれたシラサエビはポリポリしてとっても甘い。。味噌も美味しくてこれだけ10貫くらい頂きたいと思った。

2013-12-05 21.00.26

煮物椀はブラウンマッシュルームと大根と菜種。。その下に金目鯛の切り身が隠されている。下処理の確かさのため魚の嫌な匂いは全くない。出汁の美しさも秀逸。寿司屋のレヴェルを超えたできばえ。出汁の表面に浮く魚のエキスは芸術的である。

2013-12-05 21.09.05

コハダは一枚付け。。しっかりしたコクと味の深さは焼酎にぴったり。夏のシンコもうまいけど個人的にはこっちの方が好み。

2013-12-05 21.14.34

いつも最後に出てくる穴子は塩と甘たれ。。皮の部分の脂が強烈。。目利きの素晴しさに敬服。ここまで旨味を引き出した穴子の握りはあまり見かけない。。

2013-12-05 21.20.29

最後はかんぴょう巻と卵で締め。。福田様いつもありがとうございます。命の洗濯が出来ます。。これで明日も頑張れるわ。。

大阪市北区西天満4丁目11番8号
06-6809-4696

大阪市 梅田/JR大阪大阪市 西天満 寿司

ラ ボンヌ ターシュ【大阪市 梅田/JR大阪】 【大阪市 北浜】 【大阪市 西天満】 【大阪市 淀屋橋】

私どもの会社の顧問をしていただいているフードコーディネーターの先生と表記の店を訪問。個人的にはこの夏にオープンしてからもう何度も訪れている。そしていつも同じものを食す。しかし何度食べても食べ飽きない。界隈のフレンチとはテイストが全く異なる。

場所は古美術店や弁護士事務所がひしめく裁判所の裏で「老松 喜多川」の隣。「イザイ」「ピクレコ」など新店ラッシュのある美食ストリート。ファザードは木調でカフェのよう。看板もない。知らなければ通り過ぎてしまう感じ。

2013-10-31 18.22.39

今月の婦人画報でも日本全国のフレンチレストランでランキング2位、知人のシェフも間違いなく日本一のフレンチと認める東京・三田にある「ラ・コート・ドール」で8年修行した田村シェフのお店。ありがちな流行のフレンチではなく修業先の技をしっかり感じさせるオーセンティックな正統・新古典料理を提供。店名の意味は「よい仕事」らしい。コートドールの斉須シェフが名付け親と聞く。

料理そのものはコートドールのスペシャリテやそのコンセプトをなぞった形の料理。つまりコ―トドールそのものの味を食することが出来る。田村シェフもそれを職人として継承することをよしとされている。

簡単なようなんだけど古典的なスタイルの継承は一つ間違えば野暮ったくなり客にその本質が伝わりにくい側面もある。ただ食材の見極めや仕事の丁寧さを見る限りその心配は無用と推察される。

総じて言えば流行のフレンチにありがちな示唆にとんだいけてるスタイルではない。たとえば普通の飾り気のないムースが口に入れたとたん無限大に味が開花するような仕事をされる。どこにもあるようでどこにもない。。わかる人が見れば大感激。

2013-10-31 18.27.08

まずはシャンパンで乾杯。店内は明るいベージュのフローリングと木を効果的に配した温もりのあるクラッシックモダン。座席はゆったりと配されたカウンター8席のみ。広いピカピカのステンレスのオープンキッチンでシェフが一人で調理とサービスをされる。流行のスチームコンベクションなどはなくすべて直火仕様。

コースはおまかせの5000円のものとアラカルト。初めて訪問される方はデザートに食後の飲み物まで付いたおまかせコースがおすすめ。

2013-10-31 18.34.53

アミューズはコートドールのスペシャリティの「赤ピーマンのムース」今回の訪問もこれが一番の楽しみ。

田村シェフはコートドールにいたときこの料理を嫌という程、作り続けておられたのでかなり安定した仕上がり。見た目もかなり美しい。スプーンで食すと赤ピーマンのねっとりした食感と素材独特のクセとトマトのクーリーの酸味などが見事に調和。何十年前かわからないがこの料理が出来たときはフランス料理界が騒然となったと聞く。まさに伝説級のスペシャリテである。

2013-10-31 18.44.16

オマール海老のムースも一見普通のどこにでもあるような感じなんだけど食すとオマールエビの濃厚な香りと風味が口の中いっぱいに広がる。口の中がすべてオマール海老になる感じ。アフターに鼻から抜ける香り(アロマ)がまさに往年のフランス料理って感じ。しかも上品な仕上がりはさすが。私のような甲殻類ラバーは必食の逸品。

2013-10-31 18.50.09

ラ スール カデット ブルゴーニュ シャルドネ 2010はかなり手頃な値付け。柑橘系のような香りに程よい酸味でフレッシュな味わい。

2013-10-31 19.10.51

次にコートドールのスペシャリティというか今やシグニチャー、アイデンティティーとなっている「エイのムニエル 焦がしバターソース 」。

皮付きのエイの身は繊維毎に解れてゼラチン質が多いためかとろけるような甘味としっかりとした食感が感じられ、淡白なんだけど噛めば噛むほど溢れるような旨味が楽しめる。

最近見かけなくなった焦がしバターの香ばしさとビネガーとケッパーの酸味がパンチのあるエイのジューシーな白身の魅力倍増させる。焦がしバターもギトギトになりがちだけどそこはプロのテクニックが生きる。

他のフレンチでは味わえない軟骨のコリコリ感と身質のシットリ感、エッジの効いた塩の効かせ加減も往年のフレンチらしくてワインを誘う。私の友人でコートドールのこのスペシャリテが日本で一番旨い魚料理と言う方も多い。上質なエイは食材の安定的な仕入れも難しく現在は北海道から直送してもらっているらしい。

2013-10-31 19.26.41

ここで赤ワイン登場。果実実が深くて風味の良い手頃なものをセレクション頂く。

2013-10-31 19.46.12

メインはギラッと光るソースが特徴の牛ホホ肉の赤ワイン煮込み 。上質の肉はかなり柔らかくて、口の中でとろけていく。ソースも旨味とコクが良くてワインにドンピシャ。咀嚼しながらワインを頂くと気絶しそうなくらい旨い。付け合わせの人参のピューレも風味が濃くて香り良いのに驚く。

2013-10-31 20.15.04

デザートのブリュレは赤玉を使用。バニラの香りも効いてて滑らかで濃い食味。普段食べつけないので他店に比べてどうということはわからないけどしっかりしたデザートという印象。

すべての仕事をシェフ一人でされるので少し時間はかかるけど親しい友人と話をしながらワインと共に食事をするにはとてもいい。とてもいい店です。。

大阪市北区西天満4-1-8
TEL 06-6312-1777
営業時間 18時~23時
定休日 日曜日

大阪市 梅田/JR大阪大阪市 北浜大阪市 西天満大阪市 淀屋橋 フレンチ

ふく吉 9月【大阪市 梅田/JR大阪】 【大阪市 西天満】

8月に友人に連れていっていただいてから2回目の訪問。新地の名店「平野」から独立されたご主人の福田氏の作る料理は食材のこだわりと嫋やかなる仕事ぶりと繊細な食味は私の中で最近のスマッシュヒットなり。「広川」や「多田」ほど敷居が高くなく、ご主人の謙虚な人柄が寿司をよりいっそう美味しくさせる。お店の名前は「ふく吉」と書いて「ふくよし」と読む。食べログの掲載も現在私だけ。。

2013-09-12 19.02.46

生ビールで乾杯をして座付きはいちじく。。最近は和食店で頂くことの方が多くなった。。天ぷらや炊き合わせでよく頂くが今回はストレートでおろした生姜がアクセント。水菜と珍しい水玉順才。。初秋の珍味である。

2013-09-12 19.07.31

衣被ぎ。。秋を感じさせる逸品。こういった普通のものがとってもいい。。しみじみ美味しいなあと感じる商品である。

2013-09-12 19.12.39

8月にも頂いたメイチ鯛。。関西ではマトウダイとも言われる。。魚体自身は黒っぽいんだけど実は白身でねっとりとしていいて味も深く熟成感も感じさせる刺身。。この時期最高に美味しい白身魚の一つ。

2013-09-12 19.19.38

鰹のたたきは美しく包丁された薬味が山盛り。。私は苦手なので別のものにしていただく。このような融通も普通にしていただく。店主と寿司の話や使われている包丁の話しなどたわいもない話で盛り上がる。

2013-09-12 19.19.44

大きな細魚も今が旬。。春の細魚よりも秋口のものが味がしっかりのっていて美味しいと私は思う。鮮度も抜群・・

2013-09-12 19.29.21

松茸と菊菜と菊花のお浸し。重陽の節句ということで出てきた一品。この料理を頂くために麦焼酎を頂く。。

2013-09-12 19.41.04

そして前回も感動しまくった蛸の柔らか煮。よく似たものを出す店は多いのだけど柔らかければいいというものではない。生きたタコを下処理をしてじっくりと炊き込む特別な調味料も使わない。。最初に大根で叩くのだけど叩く繊維の方向や叩き方までコツがあると言っておられた。そしてそこに根気よく綿密にしっかりと味を入れていく。倉掛された酢みその加減と下に敷かれた山芋の素麺も完璧。

2013-09-12 19.48.10

前回はベーコンだったが今回はさえずり。。いわゆる鯨の舌。。塩気もきつくなく臭みやクセも全くない。切り口も秀逸で「ああ、おいしいわ」とついつぶやいてしまう。。

2013-09-12 19.55.30

鯛の身を熟成させて小口に切り鯛の内蔵で作った酒盗であわせたもの。切り身の大きさや熟成期間など何度も試したと言っておられた。。日本酒に合わせると最高に美味しかった。。

2013-09-12 20.00.02

冷やおろしの石川県の宗玄の純米吟醸。やや辛口で濃醇タイプ。口に含んだ瞬間、甘味を感じるけどその甘さが後に残らずに軽い酸味が広がる。どっしりとしたボリュームもかんじられてこのお店の料理にぴったりのお酒である。

2013-09-12 20.03.46

秋刀魚の焼きものは脂のりもよくてかぼすと大根おろしと辛みのある米麹の味噌と一緒に食すと味の広がりと深みが出てとてもいい。日本酒で口を洗い流しながら頂くとここが寿司屋であることを忘れてしまいそうになる。

2013-09-12 20.15.31

鱧と松茸の土瓶蒸し。私が来るからということで高価な韓国産の鱧を仕入れていただいたことに頭が下がる。当然のことながら皮が柔らかくて身は甘くて脂のりも素晴らしい。そして嫌な魚の匂いやクセは全くない。骨も全く気にならず国産の物と比べると遥かに豊潤でとろけるような食感があり高貴な味わい。日本酒と一緒に食すと舌先から五臓六腑がつながって別の生物体のごとく反応するのがわかる。

2013-09-12 20.27.45

この辺りから握っていただく。。まずは剣先イカ。熟成感もあって塩とスダチで頂くと甘みと旨味が増す。

2013-09-12 20.43.17

コハダは築地から仕入れる。やはりモノが関西のものとは違うようでコハダマニアの私は異なりが敏感にわかる。好みもあるであろうが塩のあて方、酢で締める時間、魚体自身の旨味などそれぞれのバランスを考えると私の中では1番ではないかと思う。

2013-09-12 20.55.10

生筋子のしょうゆ漬け。これもイクラ特有の臭みや魚卵特有のクセなどは全くない。旨味のみが味蕾を通して確実に大脳に伝達される。。。

2013-09-12 21.01.10

このお店のスペシャリティーの穴子は笹に巻かれて炙られて登場。脂ののりも強烈でフワフワでトロトロの極み。。塩と煮詰めのそれぞれで頂く。この辺りになるとお腹もいっぱい。このあと味噌が甘いシラサエビと メイチ鯛のお腹の脂ののった部分を食す。

2013-09-12 21.07.46

〆のかんぴょう巻は海苔が美味しすぎる。。このようなものでも手を抜かない姿勢はさすが。

2013-09-12 21.08.55

最後は厚焼き卵。まるで表札のようなたたずまい。何を食べても美味しすぎる。。。

2013-09-12 21.37.56

そのあとは近くの軍人バーでひと休み。

大阪市北区西天満4丁目11番8号
営業時間:5pm-11pm不定休
Tel:06-6809-469

ふく吉寿司 / 大江橋駅東梅田駅なにわ橋駅

夜総合点★★★☆☆ 3.8

大阪市 梅田/JR大阪大阪市 西天満 寿司