福島

鮨 清水

偶然ある方からご紹介いただいた福島にあるお寿司屋さん。マンションの3Fにある隠れ屋。常に満席なので予約は必須。お店に入るとカウンター8席のみ。あと別に個室もあるとお聞きした。かなり高そうな感じだが何も言わずに黙って座ってすべてお任せでお願いする。

2013-08-14 19.30.15

最初に生ビールをいただきながら先付けをいただく。素麺の上に鱧と松茸の乗ったもの。今年始めての松茸。涼感のある座付きはかなりいいセンスである。素材感たっぷりでこの店のもつレヴェルが伺える。

2013-08-14 19.34.47

徳島の鯛。かなり美味しかった。。春先に美味しくなって産卵をして今からよく肥えてくる走りの鯛である。パクパクと食してしまう。

2013-08-14 19.39.01

続いて和歌山の鯖。活かりけもあってコリコリしたフレッシュな状態。しかしベタ塩で2時間くらい締めてさっと酢に漬けた半殺し状態。かなりきっちりとした仕事をされている印象。生姜醤油でいただく。つい「おいしい!」と口に出る逸品。

店内はシンプルな感じで壁に安岡実篤先生の色紙があるのみ。お酒はかなりいろんな種類があってビール、シャンパン、白赤のワイン、日本酒、焼酎、ウイスキーなどタイプ別にたくさん置いておられる。シャンパンとお寿司ってよく聞くけど実は試した事がない。次回の楽しみにしよう。この日は最初に宮城の浦霞を所望する。

2013-08-14 19.48.37

グラスに入ったトウモロコシのムースは清々しい佳作。さっぱりしていてもトウモロコシの風味と甘さがちゃんと残っていてついどうやって作っているんだろうと考えてしまう。すべての仕事で伝統的な手業と斬新さのバランスにうなるものがある。

2013-08-14 19.44.49

活蛸は細かく目が入れられて食べやすくされている。もちろん見た目も素晴らしい。味も深くて日本酒によく合う。

2013-08-14 19.54.33

カマスの柚庵焼き。醤油が少し勝っているがこれも日本酒のあてにはぴったりである 。。写真で見えないが2枚重ねなり。

2013-08-14 19.55.45

日本酒のあとはシャンパンにしようか迷ったけど浦霞が美味しすぎてそのまま続けていただく。震災で酒蔵が潰れてしまったと聞いたが復興されている事嬉しく思う。

2013-08-14 20.03.47

茶豆は山形産ではないがかなり濃厚な味。こういったもので休憩しながらボチボチお酒をいただくのはかなり贅沢な時間である。

2013-08-14 20.10.56

そのあとピンピンの新しいホタテ貝の入った野菜サラダ登場。寿司屋で野菜サラダはかなり斬新。しかし旨いから文句はない・・・・それぞれの食材がかなり上質である。

2013-08-14 20.25.52

握りの最初はマトウ鯛。口の尖ったカワハギみたいな魚だった気がする。身はネットリして脂もあってかなり高級な白身の食感と味である。鮨はかなり小さなサイズ。女性向きであろう。

2013-08-14 20.29.37

僕はまぐろが苦手と言うと大きな蒸しアワビをごろんと大きく切ってくれて握っていただく。モチモチして旨味が凝縮されて死ぬほど旨かった。。

2013-08-14 20.31.47

コハダは一枚漬け。7月のシンコは1貫原価で5000円と言っていた。もちろん高すぎるので仕入れないと言っておられた。東京のコハダと違って真っ白になるまで締めないのが大阪の高級店の特徴。塩は多めにして酢はさっとつけている感じ。生っぽさもあって実にシズリーな感じ。

2013-08-14 20.35.10

鯵の締め方も同様.脂も乗っているのでかなり美味しい。。鯵なのに口の中で溶ける。魚の脂の融点が低いのかなと思っていたら豊後半島の関の鯵と言っておられた。

2013-08-14 20.38.31

生っぽさを残して浅めに湯がかれたシラサエビ。ぽりぽりした食感と強烈な素材の甘さは比類なきものである。車エビよりもサッパリした感じ。海老好きの私にはたまらない食材。

2013-08-14 20.54.00

お酒を旨口で所望すると賀茂鶴の大吟醸がでてきた。。かなり爽やかなんだけど辛すぎない。。瓶もゴージャスでワインみたいな感覚で飲める。

2013-08-14 20.54.04

しっかりとすり身の入った厚焼き卵。完全なる江戸前の仕事。カステラのように甘いお店もあるがいつも閉口する。かなりいい塩梅で焼かれている事に感心する。

2013-08-14 20.44.37

甘々の剣先烏賊。。食べやすいようにしっかりと目を入れている。烏賊は細かく目を入れれば入れるほど甘みが増すことは存外知られていない。

2013-08-14 20.49.36

淡路島のムラサキ雲丹はひたすら甘い。もちろんミョウバンを使ってないので見た目はイマイチなんだけど粒もかなり大きくて最上級の素材である。

2013-08-14 20.56.01

最後は穴子で笹の葉っぱに包んでいぶして加熱。。笹の香気も穴子に移ってえも知れぬ味わいとなる。

2013-08-14 20.57.52

塩とツメの2種類が握られる。塩で食せは身の甘みがグッと際立って穴子自身の香りも楽しめる。煮詰めはより香ばしさがましてパンチのある印象となる。両方とも甲乙付け難い旨さである。

ご主人も気さくで敷居もそう高くはない。価格も新地の同レベルのお店の約半分くらい。。デートにぴったりかな。。また秋までに再訪したい。。

北区堂島3-2-7サンライズビル3F
06-6450-0666
19:00~25:00/土23時
日・祝休み

鮨 清水寿司 / 福島駅渡辺橋駅新福島駅

夜総合点★★★☆☆ 3.5


カテゴリー 梅田/JR大阪, 福島, 寿司 |

楽心

ここ最近関西で最も予約の取れない熟成焼き肉の又三郎さんの美人女性オーナーに紹介いただき普段お世話になっている友人と共に福島にある表記の店を訪問。心斎橋の「桝田」、豊中「とよなか桜会」で修業されたご主人がこの地で4月にお店を開かれた。あいにくこの日はカウンターは満席だったので座敷に通していただく。

2013-05-18 19.00.11料理は10500円のコース一本だけ。嫌いなものを告げてまずはビールで乾杯する。開店して数ヶ月なのに家庭画報などのハイソ系の雑誌の取材がひっきりなしと聞き及ぶ。

2013-05-18 19.00.06

真っ黒の真の折敷は重厚感たっぷり。店主は35歳なんだけどかなりのイケメン。。。

2013-05-18 19.04.37

先付けは最初何かわからなかったがイメージは「黒」らしい。烏賊の湯がいたのに大徳寺麩、キュウリにクコの実を黒ごまの酢であえたもの。。。これは普通に美味しい。。。

2013-05-18 19.11.36

二つ目の先付けは岡山のアスパラガスの下は新タマネギのピュレ ちりめん山椒。ぐちゃぐちゃに混ぜて食べるといろんな味がしてとてもいい。

2013-05-18 19.35.23

煮物椀の蓋の裏の蒔絵はカキツバタ。。美しすぎ。。。出汁も丁寧な仕事ですっきりしながらも鰹がちゃんと効いている。椀種は車エビのしん薯。卵がしっかり入っていてふんわりしていて海老がプリプリ。上にのっているのは蕗。。。この料理でこの店のレヴェルが充分にわかる。。。

2013-05-18 19.40.37

明石の真鯛。。この時期にしてはかなり脂ものっていい素材。天然ワサビも粘度があって上質なものである。重ね盛で5枚。大庭の新芽があしらいとなっている。

2013-05-18 19.50.28

かなり大きな赤貝のお造り。生醤油と辛み大根と小口ネギと花穂紫蘇。。

2013-05-18 19.50.36

漬けにしたマグロ脂身の瞬間揚げ。。これも辛み大根と金山寺味噌のようなものでいただく。

2013-05-18 20.03.53

八寸であるが楽箱というかたち。北海道産の雲丹を乗せた寿司2貫。袱紗玉子焼き、マイクロトマトのゼリー寄せイタヤ貝をマカロンに見立てて中に豌豆の餡を射込んだもの、トコブシの炊いたん、白キュウリと新生姜の甘酢をもずくゼリーに乗せて。いい食材をしっかりと手を加えてより美味しくされておられる。サービススタッフもとても快活で説明も丁寧。純米吟醸酒と共にゆっくりと味わう。

2013-05-18 20.26.28

青森産の時知らず鮭の醤油焼き。いい脂があるんだけどノルウエー産のサーモンと違って旨味も充分に感じられる。新レンコンに鞍がけ大根、下に敷かれているのはホワイトアスパラガス。。あしらえの葉っぱは始めて見るものでかすかにワサビの味がする。しっかりとした醤油の辛みがサッパリすっきりとしたタイプの純米酒にぴったり。

2013-05-18 20.40.16酢の物はなすびに白子の豆腐を鞍がけにしたもの。白いトウモロコシを散らしている。最初は黒で最後は白で締めくくる。遊び心満点のセンスに敬服。サーブス担当の若きマダムは新地でソムリエとフロマージュの資格を取ったときに店主と出会い結婚されたと言っておられた。

2013-05-18 21.03.19

食事はうすい豌豆ご飯。。釜炊きで残ったものはおにぎりにしていただく。。

2013-05-18 21.20.11

デセールはびわにシャーベットを射込んだもの。最後まで手の込んだ献立に脱帽。京都でいただくと2万円はするであろう内容。予約が取れない店になることは必至。

大阪市福島区福島1-6-14

06-6451-2323

楽心割烹・小料理 / 新福島駅福島駅中之島駅


カテゴリー 福島, 和食 |

kamoshiya Kusumoto (カモシヤ クスモト)

JR新福島駅近くの福島西通の交差点にあるサンクスの裏にある黒い壁の建物。パッと見はこじゃれた普通の一戸建ての建売り住宅。外には空のシャンパンボトルが並んでおり横目で見ながら小さな階段をあがると白い壁に 『kamoshiya KUSUMOTO』と小さな表札。

まさに隠れやレストラン。店内は、モダンな感じの8席のカウンターと奥に個室が一部屋のみ。
カウンター前にはウッディーなテーブルが広がる。2階はワインが2000本入っているセラー。
ピアノジャズクラシックが流れる店内。(醸し屋)と言うだけあって醸造酒しか置いていませんとマダムの丁寧なる説明。

ここは楠本さん御夫婦で経営されているお店。全ての料理が日本酒にもワインにもなんでも合うように構成されていると言われる。まずは生ビールで乾杯。

10000円と12000円のコースがあり、この日は10000円のコースを所望。

2013-03-07 07.43.50

最初は小振りのお椀登場。肌寒いのでスープをどうぞと言われる。中は蕪のスープでとても滋味深い。上にかかっているのは大徳寺納豆。大豆の発酵食品。味は味噌や醤そのもの。

2013-03-07 07.44.03

8席しかないのとダウンライトでとてもムーディーな雰囲気。マダムがすべてのお酒をサイズの違うグラスで量り売りするというシステムを説明。料理にあったお酒を好きなだけ飲んでいただきたいということらしい。

2013-03-07 08.04.11

ここでお造り登場。焼き霜に作られた鯛に塗られているのは山椒のオイルらしい。少しぴりりとした感じがする。木の芽や芽ネギ、ちしゃ軸、防風などのあしらいも美しい

2013-03-07 07.54.42

桜鱒のコンフィーは最近あちこちのレストランでよく見かける。50℃くらいの低温でじっくりと長時間熱を加えた桜鱒の上に、花わさび・新玉葱のペーストが乗ったもの。。ねっとりと粘り気のある食感が特徴。臭みもなくあっさりと頂く。

2013-03-07 07.56.52

お造りに日本酒を合わすがジャケットで選んだ吟醸酒はすっきりとしていながらやや癖もあるしっかりした味わい。

2013-03-07 08.26.32

この店のスペシャリティーらしい稚鮎のガダイフ揚げ。上に載っているのはトリュフなんだけど香りはかなり弱め。。少し残念。。。
鮎に巻きついているガダイフはトルコの細い小麦の麺状のでパリパリして美味。

2013-03-07 08.42.43

ここでバーニャカウダ登場。鯛の肝が入ったソースと言っておられた。これを野菜につけていただくという趣向。酸味のある重たいめの日本酒をおかわりする。。

2013-03-07 08.42.39

野菜は鴬菜、百合根、かぼちゃ、ミニキャベツ、そら豆、スナップ豌豆、菜の花・・・

2013-03-07 08.45.46

この料理にはパンはお約束。。。

2013-03-07 09.08.11

ここでマダムおすすめのマグナムシャンパン登場。。コクがあってかなり重たいめのもの。。

2013-03-07 08.59.39

魚料理は土鍋で登場。脂がのりまくりの肉厚ののどぐろ。。。周りは蟹肉が入った春雨にエビのソースをまとわりつかせた中華風の味付け。。このシャンパンにドンピシャの濃い味加減。。お酒がどんどんすすみまくる。

2013-03-07 09.20.18

肉料理は小鍋仕立て。当然マダムが丁寧に作ってくれる。濃いめの出汁に味醂と蜂蜜で甘さを足したものにいろんな種類のきのこを入れまくる。そのあとは鴨肉を入れて京都の菊菜を入れてムシャムシャ頂く。

2013-03-07 09.22.40

鴨肉はシャラン産じゃなくてブルゴーニュの鴨と言っておられた。日本でここだけと言っていたが直輸入しているのであろう。とっても柔らかであっさりしているのが特徴。

2013-03-07 09.44.26

最後のデザートまでフルーツがたっぷり麹につけられていてシャンパンにぴったり。最後にマダムが宝石箱みないな箱にお勘定書きを入れて来られそこに現金を入れるという会計。。摩訶不思議だけどどうってことはない。

創作度がとっても高く隠れ家感満載でとても面白いお店でした。。。

福島区福島5-17-14

06-6455-8827
営業時間:18:00~翌1:00(L.O)
定休日:月曜・第1日曜

カモシヤ クスモト無国籍料理 / 新福島駅福島駅中之島駅


カテゴリー 福島, レストラン |