梅田/JR大阪

鳥よし鍋

私が子供のころからあったミナミの名店。 私が調理師をしていた頃このお店の料理長が前菜造りの名人で いっぱい著書を出しておられた。料理が上手なのはもちろんだが前菜はそのお店の 会席コースで一番最初に出てくるものなので料理の印象がそれで決まってしまう。 言い換えれば会席のコースの看板みたいなものなのでそこに精神を集中して 手間を精いっぱいかけて作らなければならない・・・というようなことをおっしゃっていたことを 思い出す。その当時でもかなりご高齢で私が見たこともないような技術を持っておられ なんとも細かな手仕事をされていたという記憶がある。 そんな古い時代にもこの鳥よし鍋があり多くの千切りにされた野菜と細かく切られた 豚肉と鶏肉を灰汁の出ないコクのある出汁で煮込みコショウをかけていただくという趣向。 旨い不味いを超越した年期を感じる料理でしかもヘルシーさも満点で財布にも優しい 非の打ちどころのない素晴らしい名品である。 toriyosinabe.JPG 仲居さんが丁寧に作ってくれるし最後のうどんもあっさりしているのでぺろっといってしまう。 安くてボリュームがあって美味しくて大阪の和食店の見本のような店。 ディスイズ大阪和食レストラン!見習いたいものである。

鳥よし茶屋 (鍋(その他) / 東梅田駅北新地駅大江橋駅


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岩さき

京都食べ歩きナンバーワンの関谷絵里さんのブログで有名な岩さきへ 席数がカウンター6名座敷4名の小体な店のため予約がなかなか取れない またコストパフォーマンスの高さと料理の質の高さ、おかみさんの面白さと フレンドリーかつ上質な接客はお客の心を虜にする。。 お店は網代天井に塗り壁と茶室のようなたたずまい。。 P4110001.JPG 昼のお膳をいただいたのだが まずは桜茶からスタートで食前酒は新潟の純米酒。 P4110003.JPG 座付は大徳寺麩と菜の花と鳥貝を土佐酢でいただく 最初からなかなかいい取り合わせ。。 P4110004.JPG 続くお椀はアナゴを骨切りして炙ったもの香ばしい香りとよく脂の乗ったアナゴはセリや木の芽と 相性抜群。お出汁も少し濃いめだが椀だねに負けてしまわないようなとても良い加減である 吸い地も椀だねも完成度が高い素晴らしいものです。 P4110005.JPG 続くお造りは私がマグロが苦手なので鯛と甘鯛のまぜまぜ。 付け合わせの軽くボイルされたうるいもシャキシャキと美味しく 目の前ででっかい鯛の尻尾のほうを切りつけて頂きコリコリしたなかにも 旨みがしっかりあってこれぞデス・イズ桜鯛て感じだった。 お造りでいただいたアマダイも脂たっぷりでこれまた至福の旨さとしか言いようがない 食事の間もおかみさんの早江子さんの話が楽しくこのおかみ京都一のお話好きと見た。 しかし気配りしながらおいしく食べさせてくれる気使いがうれしい。 サーヴィスの達人と言えよう。 ご主人は高台寺和久傳や祇園丸山と名門で修業をしてこられ、 知る人ぞ知る柊家で料理長を務められたらしい。どうりで無駄な装飾が全くなく いかにも京都らしい洗練された料理をいただくことができる。 P4110006.JPG 焼きものは桜マスの南部焼き。南部鉄のざらざらしたところを表現しているらしく ゴマの香りが香ばしく火入れも完ぺきでさすがと唸る逸品だった P4110008.JPG 続いてのおしのぎは細く買ったされた大葉をいただく飯蒸しでいい塩梅の出汁と もち米の相性も良く大葉の香りをたっぷりといただいた P4110009.JPG メインの鰆と筍の煮物は大きな鍋で供された。この鍋は銅製で熱伝導もよくこの料理だけでも主人のセンスの良さが感じ取れる。 P4110011.JPG ご飯は釜炊きでそれぞれのお客様ごとに炊かれる。もちろん不味いわけがなく P4110012.JPG お焦げも秀逸で漬物も全く手抜きなし。 P4110013.JPG デセールはこんな柔らかいわらびもちが存在するかというくらいのものと 葉っぱに包丁の入ったイチゴ。。 厳選された食材と無駄を省きまくった洗練の極みともいえる端正で真っ直ぐな料理。 器の揃え方や使い方にもこだわったデスイズ日本料理といえるお店でした。 完璧・・・・降参。。

西天満岩さき懐石・会席料理 / 大江橋駅なにわ橋駅淀屋橋駅


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王様のスプーン

うどんも好きだけどカレーも大好き。 でもカレーを食べ歩いて美味しさと繁盛度は正比例しないことを感じる。 その中で本当においしいと個人的に感じるお店がここ。 好みが分かれるかもしれないがこの店のカレーは絶対にここでしか食べることができないということは間違いない。。。 グルメブログとかに薬膳カレーと紹介されているがそんな簡単な言葉で表現できるレヴェルでは 決してない。これは何が入ってどう作っているのかほんまにわからん。。。 舌を覚醒させ大脳をフル回転させながら食べるがこのカレーの味を表現すると 少し甘くてジーンと辛くてスーと眉間のあたりに風が通って野菜のうまみも感じながら 生姜やコショウの風味が残ってスパイスがビンビンと「どうや!」って向かってきて・・・ なんとも悩ましく色っぽいカレーと表現している。 今日は時間があったので美しい女性店主に「このカレーどうやって作ってんの」とお聞きすると ・・・うちのカレーはね・・まずスパイスは鼻に抜ける感じのカルダモンとクロブとコリアンダとあと忘れたけどそれらのスパイスを細かく引いて・・生姜とにんにくをいれて・・・玉ねぎ、ニンジン、ジャガイモ セロリにリンゴとバナナを入れて・・・コンソメベースにオニオンスライスのいためたものを入れて・・・・ トマトベースにチャツネを入れて塩とみりんと醤油と味噌とウスターソースで味を調えて・・・・ SBとCBの粉をブレンドして・・・1時間半炊き込んで・・・・バラ肉をぶち込んで 最後にまたまたスパイスを仕上げに入れ込んで・・・ 聞いてるだけで気の遠くなる作業と食材の多さ。。 絶対こんなに手間のかかっているカレーはあり得ない。。。 シャバシャバしたカレーだが滋味深さが半端やない この複雑な手間のかかったカレーがこの値段で食べることができるとは 本当にいい世の中になった。 本当にこの店主がこのカレーを作っているのかと思う出来栄え。 カレーに生野菜と前菜が付いているがそんなの関係ねえ・・。。おっぱぴー 店主曰く。私はこのカレーに人生かけてます。。。 このカレーは日本で5本の指に入っていると私は保証します。 料理人の私がトップ・オブ・ザ・カレーの称号を与えたくなる出来栄え。。。 繁盛しすぎて大資本がレシピを買って店舗展開しないことを切に祈る oosama.JPG 全く能書きをうたっていないのも素晴らしい。。 大繁盛といやさかを願う。。。。。。。  大阪市北区西天満5-11-4  06-6362-8028 11:00~20:00 日曜休み


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