月泉【大阪市 西天満】

周りの友人の皆が絶賛する西天満に最近出来た新進の中華料理店を訪問。北浜からライオン橋を渡ってすぐのユニッソン デ クールのすぐそばに位置する。白い壁が特徴的でクラッシックな内装や調度品はカジュアルだけど落ち着いた上質感を持つ。シェフの手元が見えるカウンタ−7席とテーブル12席で構成。店の真ん中には骨董の中国のローボードキャビネットと趣味のいいシャンデリア。

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お任せでコース仕立てで提供いただく。最初はビールで乾杯してセラーからシャルドネのしっかりと樽香の効いた濃いものをシェフ自らセレクトしていただく。ワインの値付けもかなり良心的。

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ビールとともに前菜6種が銘々皿で提供される。どれもが界隈にある中華料理の前菜とは全く異なり一線を画す食指が伸びるものばかり。これが並んだ瞬間に心を掴まれる。

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よだれ鶏(中国では「口水鶏」)15種以上の食材で作ったソースがかかりこれが骨付き蒸し鶏と最高の相性を見せる。 沖縄産の香菜も柔らかくてクセがなくてとても美味しい。東南アジアで頂くものとは全く異なるもの。

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水ダコと茗荷の花山椒とネギのソース。これも驚きの美味しさ。。。これに近いものは空心で頂いたことがあるがそれ以外では全くない。

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徳島産つぶ貝 ピーナツオイル和えは貝のクセや苦味を殺すため、敢えて苦味あるソースを絡めているとのこと。味わいは言わずもがな。

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口に入れると綺麗に溶ける魔法を使った「フランス産のガチョウのフォアグラ 」 飴炊きナッツ添え。表現する言葉がすべて陳腐に思えるほの感動的な美味しさでワインとドンピシャ。。。この料理は横の客に出していなかったのでそれとなく聞くと「選んでいただいたワインのマリアージュを考えて少し献立を変えている」「自分がそうしてもらったら嬉しいので・・」とのこと。これにはかなり感動した。

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脂がのりまくった鰤をお茶を使って瞬間薫製してぴりっと辛い紹興酒のソースを加えたもの。かなりふくよかな味。添えられたルッコラも柔らかくてとても美味しい。

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ピータンをこんがり焼いたものに静岡産生海苔のソースをかけたものも初めての味わい。すべての前菜が期待を上回るものばかりで前菜を頂いただけでノックダウン状態になる。イタリアンやフレンチの技法も使いながらスチームオーブンなどの最新の機械を駆使し、修行された空心の仕事をベースに食材や香辛料の相性や出会いを考えて今までの中華料理の枠を超えたものばかりである。

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接遇はシェフの奥さんとそのお姉さん。ピンぼけ気味の見習いコックさんも味があっていい。料理はお任せ料理(5000円から)で 好み、食事量、食材を聞いてフレキシブルに組み立てて頂けるとおっしゃっていた。

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次の温菜はカリッと揚げられた蓮根餅。辛子も練り込まれていてぴりっとした味わい。上には駿河湾の桜エビとパクチーの茎の和え物がのる。これも白ワインに合わせて作っていただいたものらしい。美味し過ぎて声もでない状態。。

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台湾産のA菜(油麦菜)と豆苗の熱々のお浸し。豆苗を少し入れることで味に変化がある。

さっと炒め紹興酒とニンニクを効かせたスープに浸す。炒め物ではなく温かいお浸しと言う位置づけと言っておられた。空芯菜よりも柔らかくて香りもよく独特の味わいがある。

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殻付き海老の唐揚げにアヒルの塩卵の卵黄を叩いてトリュフオイルで和えたソースを掛けてから黒胡椒を纏わせたもの。これも特別料理と言っておられた。確かに横の客はエビチリであった。旨みが前に出てオイル感と塩加減も良くてワインとの相性も素晴しいものがあった・・・

ここで甕出しの紹興酒をいただく。常温で細かく刻んだ針生姜を入れていただくのが好みなんだけど忙しい中でもちゃんとリクエストに応えていただいたのは嬉しかった。

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こちらのお店のスペシャリティーの酢豚は巨大なトロトロに煮込まれた豚肉をカリカリ・サクサクに揚げたもので

付け合わせの玉ねぎは低温で2時間焼き込んだんだものと言っていた。シンプルな付け合わせだけどこの酢豚の付け合わせとしたら唯一無二のものである。艶のある褐色のエロチックなソースが特徴的。コクが深くてとても濃く、甘みと少しの酸味が合わさった粘度の高いソースとカリカリトロトロの豚肉と紹興酒のマリアージュは何ものにも代え難い感動があった。

基本がしっかりしているなかでの奇をてらわない創造性は現代版の琳派と錯覚させるものがある。

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ソースがもったいないんで蒸しパン(花巻)をいただいていただく。

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満席状態の中シェフから白子はお好きですかと尋ねられ「Oui」と答えると四川風麻婆豆腐 焼き白子乗せが登場。空心で頂いたことのある食味で香りが立つラー油と花山椒がしっかり効いてピリピリと口が痺れる感がある。 辣油は、辛味よりも香りのほうが強く、
そこに花椒の痺れ。もちろん、白ご飯とともにわず白ごはんを所望して一緒に頂く。

炒飯か麺を薦められたがお腹いっぱいでギブアップ。

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デザートは胡麻団子(手作り黒胡麻の餡)柚子風味の杏仁豆腐。どちらも秀逸なり。

高級すぎずしかしながら上質な中華料理がいただけるこちらの店は私的には最近のスマッシュヒット。毎月訪問したい個性的な店が又できたと喜んで帰る。

大阪市北区西天満1-6-4
06-6366-0055
17:30~21:30LO
日曜休み

月泉中華料理 / なにわ橋駅北浜駅南森町駅

夜総合点★★★☆☆ 3.5

大阪市 西天満 中華料理

大阪とらふぐの会【大阪市 寺田町】

札幌在住の豪商の友人とともに表記の店を訪問。こちらは会員制で寺田町のボロマンションの一室を改装して使用。当然看板も何もない。鉄の重たい扉を開けると店内は豪華絢爛な和テイストのソファー席。

お決まりのコースで友人との再会を祝う。

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突き出しは金粉付き白髪ねぎののった河豚皮湯引き。やや太めのカットでこりこりしてビールにぴったり。和服の女性の接遇がかなりいい。

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てっさも飴色でふぐの味も濃くむっちりした食感もちゃんとある。3キロオーバーのものを使用しているので養殖の河豚であるがかなり味がいい。

このあと河豚のヒレのスープが出てきたがこれは普通だった。

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店の方が脂の造りですと言って出してくれたもの。どこの脂かは不明であるがごま油と塩で頂く。河豚屋はこの季節ほとんどの店が昔ながらの蛍光灯の下の汚い座敷でバタバタと接客されてバタバタと食事をして高額な支払いと言うのが常であったがこちらは旧態依然とした河豚料理文化を完全にリノベートした尊敬すべき料理店である。

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名物の焼き河豚。分厚く大振りにカットされた身と皮にニンニクの効いたオリーブオイルがベースの塩ダレと韓国産の唐辛子が味の決めて。大振りにカットされた身は見ただけで旨いのがわかる。。これを網に載せてさっと焼いていただく。好物なので量をダブルにしてもらう。

「とうとう身 」もプリプリもちもちしてかなり旨い。コラーゲンたっぷり。

最近はこちらの焼き河豚を模倣した店も多く見受けられるがこちらのお店は美味しく頂いてもらおうという気持ちが商品に表れている。

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名物のヒレ酒は明かりを消して炎のパフォーマンス。火柱大炎上で大盛り上がり。。とても素敵。。ひれが思いっきり入ってとっても濃厚。美味し過ぎてお替わりしまくる。友人も大喜び。

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このあと唐揚げ登場。大きくてケンタッキーフライドチキンのサイズ。中骨の片身を使用。食べ応え満点。

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特別注文の焼き白子は日本酒にぴったり。本当に美味しいなあ・・・とつい口に出る。

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てっちりも大きな切り身で大満足。身もたっぷりで大きめのふぐを使っているので骨と身の間に噛むとふぐの旨味成分がじわっと口に広がる。
野菜は、白菜・くずきり・エノキ・三つ葉・木綿豆腐。お腹いっぱいだけどスルスル入る。

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雑炊は、店員さんが作ってお茶碗に入れて持ってきてくれる。卵で とじた雑炊は、フグの旨味がよく出ていてとてもまろやか。

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そのあとは西成の中国人ガールズバーに行ってそのまま北新地と西天満をはしごする。。

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このホステスさんの顔芸がマジ怖い・・・。

大阪トラフグの会の場所や入会方法は検索してください・・梅田、寺田町駅前、八尾、ニューヨークにも出店しておられます。

大阪市 寺田町

蕎麦切り大城 12月【大阪市 鶴ヶ丘】

日曜日に友人と朝ランをしてヘビーユースする表記の店を訪問。界隈の超人気店で時分時は長蛇の列。この日は開店直後を狙って入店。
小さな表札だけが目印で知らなければ通り過ぎてしまう全くの一軒家スタイル。綺麗に整えられた前栽を見ながら大きな石臼のあるエントランスを抜けると料亭のような内装の店内に初めて訪問した方は皆驚かれる。
お客の年齢層も高くワンランク上の上質感ある食事の提供が人気のポイント。

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まずはビールと蕎麦の実が乗った「なめこおろし」を所望する。この日は30キロくらい長居公園で走ったので喉がからから状態。。特等席のカウンタ−にご案内いただき昼酒を楽しむ。

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更にさつま揚げも所望。

特筆すべきはこちらのお店のマダム。。高校の後輩で当時「スーコ」と呼ばれる天才アタッカー。彼女を慕って学校の後輩(バレー部・テニス部)の女性が一緒に丁寧なる接客をされる。

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私がこのブログで黒木瞳さんそっくりと書くために彼女を見に来る客が大勢押し掛ける。本人は謙遜されるがこの日に同伴した友人曰く「南果歩さん」の方が彼女によく似ていると言っていたがなるほどと感心。美しいだけではなく目配りと気配りのある品のいい接遇は素晴しく飲食店経営の私はいつも勉強させていただいている。

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この日は温かい酢橘蕎麦と天丼のセット1200円を所望。丁寧に作られた大振りの海老天がついた天丼は上品であるが食べ応え満点。北海道産の新蕎麦を曳きぐるみで打った野趣溢れる玄蕎麦は香りもよく飲込んだあとのアロマも強く感じられながらも洗練されたエレガントな印象。ビジュアルも品格溢れてとてもクールな印象。

汁も出汁と塩分のバランスは完璧でこれ以上のものはあり得ないというクラスの完成度である。使っておられる昆布や削り節のクオリティーの高さが想像出来る。価格と内容のバランスは誰が見ても他店を圧倒し、ボリュームを含めて高級蕎麦屋のありがちな割高感を感じないような工夫もさすがと言わざるを得ない。

一度訪問すれば虜になる事間違いなし・・・・

大阪市阿倍野区西田辺町2-6-13
06-6691-0046
営業時間 11:00~14:00 17:00~21:00
定休 火曜日 第2第4月曜日

大阪市 鶴ヶ丘 蕎麦