和食

ひろせ 8月【大阪市 心斎橋/四ツ橋】

東心斎橋の表記の和食店を訪問。数年来ずっと毎月欠かさず定期訪問している私が大阪の和食店では一番美味しいと思うお店。

心斎橋駅から徒歩7分の畳屋町の雑居ビルの1階にお店は位置する。白い暖簾が目印で店内はカウンター6席とテーブル席2卓のみの10坪サイズの小体なお店。メニューはコース料理12000円のみだけど界隈の相場で言えば18000円くらいの価値とお得感のある内容で紹介した友人は皆ファンになる。

店主の廣瀬氏は西心斎橋のミシュラン店「ゆうの」で修行され、「喜川」系譜のなにわ料理の「喰い味」重視のいい仕事をされる。食材に対する探究心とこだわりもかなり深く、毎回新しい発見をすることができる。その選び抜いた食材を素材感を活かしながら丁寧にかつ細やかに佳品へと昇華させる技術は突出したものがある。

最初に麦焼酎のソーダー割りにすだちスライスを5枚入れていただき乾杯する。料理の扉はたっぷりの毛蟹と塩茹でした車海老、アボガド、巨峰を白和えにしたもの。タスマニアマスタードが天盛りにされる。それぞれの食材を白和えがうまく繋いでいてインパクトと美味しさを兼ね備えたボクシングに例えると試合開始直後にカウンターパンチが入るような逸品。

鮑の酒蒸しも圧巻の迫力。火入れはいつもながら完璧。あしらえに茄子と加賀野菜の金時草。そこに旨味抜群の鯛味噌が掛けられる。大胆かつ丁寧な仕事が光る一品。

刺身には純米の日本酒を合わせる。ガラスの器には皮目を炙った鱧、梅肉を添えた真蛸、昆布締めの鱚には大葉が射込まれる。メイチ鯛、旬の石陰貝とその肝のぬた和え、鯵の美味しいものばかりを集めた7種類盛りは圧巻である。

煮物椀は夏の平椀に琵琶湖産の「鮎の炭火焼」と白だつ、濃厚な味わいの玉蜀黍豆腐、名残の蓴菜が盛り込まれる。いつもながら出汁の美味しさは特級品。

2キロサイズの真魚鰹を炭火で丁寧に火入れ。北海道の塩水雲丹と卵黄を合わせたソースで供される。鰹の酒盗を少し入れて旨味とコクを出しているのはさすが。素材の良さもさながら食材同士の出会いのセレクションが素晴らしい。

ここでご主人おすすめの赤のワインを所望する。和食に合う赤ワインはかなり限定されるがこちらのお店ではワインを開ける客が多いと聞く。

肉料理は時間をかけて休ませながら火入れしたランプ肉と夏野菜を使った和風のラタトゥーユ。ラタトゥーユは醤油とカレーの風味と丸みのある味付けで完全に日本料理の副菜になっている事にびっくり。

ボトルワインが少し残っているのを見てチーズ盛り合わせが黙って供される。心遣いに感動・・・

食事は甘々の玉蜀黍ご飯。。

デセールは杏仁豆腐とスモモの煮物にパッションフルーツのソースをかけたもの。。スッキリさっぱりでいい口直しになる。

この日も好みの日本酒とワインを美味しくいただきました。ごちそうさまでした。。小さいお店なので予約必須です。初めての訪問は「ペロペロ」を見たとお伝えください。

過去のひろせはこちら

大阪市中央区東心斎橋2-8-23イケダ会館1F
06-7713-0543
17:00~翌0:00

大阪市 心斎橋/四ツ橋 和食

料理屋 稲家 8月【大阪市 梅田/JR大阪】

北新地の表記の和食店を友人と訪問。毎月定期訪問しているお気に入りの店の一つ。纐纈、capi、TOMONOなどのたくさんのミシュラン店がひしめく「北新地プレイスビル」の7階に位置する。同じフロアの隣は天ぷらの沼田が入る。各店舗の料理開始時間の18時にはエレベーターが大混雑。ビルが火事になったらかなり危なそうな感じ。

檜の1枚板のカウンター席からはオープンキッチンの厨房が全て見える。そのライブ感もご馳走で35歳のイケメン稲家店主の料理所作を見ながら、また軽口を交わしながらの食事はとても楽しい。

こちらの店主は神戸の正攻法のミシュラン和食店「植むら」のご出身で料理の流れや献立などはいくつか継承されたものがある。毎月献立の変わるコースは18000円(税・サ別)。お酒を含む支払いは一人30000円くらい。(高級ワインやシャンパンを所望するとかなりの値段になる)

場所柄どうしてもホステスさん同伴が多く席は自然と賑やかな感じとなる。20時の同伴時間には食事が終了するようになっていることにもいつも感心する。席数はカウンター8席のみで18時と20時50分スタートの2回転制。18時の予約は年内満席とのこと。

ご主人の大きな声での挨拶の後、座付は夏らしい長芋素麺にモロヘイヤのすり流し。ネバネバ大会で元気が出そうな一品。

続いてはレアに火入れされた明石の蛸。「自家製からすみは」ミディアムな干し加減でかなり美味しい。粘りのある加賀野菜の金時草のお浸しが添えられる。

日本酒を所望すると桐箱に入った江戸切子の酒器が登場。好きなものを選ぶことができる。勢揃いの酒器を見るには誰よりも早く日本酒を注文するのがコツ。

煮物椀は炭火で焼いた種子島のシブ鯛(フエ鯛)。脂が乗りまくりで関西で見かけることはほとんどない。切り身を見るとかなり大きな魚体サイズと思われる。磯魚だけど磯くささは皆無で夏にしか獲れない高級魚。添えられるのが焼き茄子。吸い口は青柚子。シンプルだけど魚の脂と合間って出汁がかなり美味しい。

刺身は長崎のメイチ鯛の薄造り。これも旨味と脂っ気が強い白味魚。

初見の女性作家の新作の江戸切子。柔らかい色使いが女性作家らしい。

焼き魚は2キロ級の白甘鯛の鱗焼き。丁寧に炭火で焼いて逆立ったパリパリの鱗とふわふわの身がとても美味しい。いつもかなり良い上質な食材を使用される。店主の目利き含めて素材に糸目をつけない仕入れに敬服する。白甘鯛は3キロオーバーだと10万円超えと言っていた。添えられるのは岡山産の白桃の甘酢漬け。

続いて走りのイチジクの白扇揚げ。濃厚な胡麻酢をにカシューナッツを加えたものが下に敷かれる。

宮崎牛のミスジ部分の鍬焼き(フライパン焼き)。少量だけどかなり美味しい。北海道産アスパラと大きなオクラが添えられる。ワインと合わせると美味しいだろうと推察する。

渡り蟹とフカヒレの入った春巻き。「6月にいただいた肝の入った鮑のコロッケも美味しかったな・・・」と思いながらいただく。それぞれの食材の食感の妙と和食の料理になっていることに感心する。

食事は釜炊きで最初に炊きたての白飯が一口だけ供される。続いて北海道産の玉蜀黍ご飯、牛しぐれ丼、兵庫産の柚子素麺と続く。ここまでいただくといつもお腹がはちきれそうにいなる。

デセールは抹茶アイスと白玉とこしあん。細部にも心を入れる細やかな仕事にいつも感動しながら店を出る。

この日いただいたお酒は4種類。どれも好みのものばかりで嬉しかった。来年6月までの予約を取って店を出る。ごちそうさまでした。

過去の稲家はこちら

大阪市北区曽根崎新地1丁目10番2号
06-6341-317

大阪市 梅田/JR大阪 和食

米増 8月【大阪市 福島】

毎月定期訪問する和食店の一つの表記のお店で友人と会食。来年4月くらいまで予約が取れない人気店。

午後2時くらいと夕方からの2回転制で今回は夕方17時半一斉スタートを予約。本湖月等で修行されたご主人の切れ味のある献立や食材の生かし方はいつも勉強になる。

接遇も料理に劣らず素晴らしいものがある。初見の客にでも丁寧かつ和かに対応される姿に敬服する。

カウンター8席のみでこの日の料理は食材の都合で19000円(税・サ別)となっている。(普段は18000円)

料理の撮影は可だけどSNS等への掲載は控えるようにとのことなので献立のみ忘備録として記す。

・大きな蓮の葉に盛り付けられた山の芋の豆腐の上に淡路産の雲丹を天盛りにしたもの。
・シャインマスカットと長野パープルと海月の霙和え。胡瓜の花が添えられる。
・お椀は翡翠冬瓜と白焼きにした焼き穴子。
・刺身は島根産のクエと剣先烏賊。包丁目がかなり美しい。
・氷の上に盛り付けた皮目だけを焼いた鱧。熱冷感が面白い。
・島根県高津川の鮎の骨と頭と鰭を外し、腹に味噌を入れて揚げたもの。蓼ソース添え。
・鮎の頭と骨を焼き込んだスープ。
・揚げた賀茂茄子の上に柔らかく炊いた大きなサイズの鮑。肝を加えた出汁が秀逸。
・山梨産の4種類の夏茸を乗せたやや太めの素麺(茸は全て初見)
・食事は釜炊き白飯と胡瓜の味噌和え。2膳目は冷たい出汁をかけていただく。
・山梨産の桃とヨーグルト
・水羊羹と抹茶

お酒も色々なものが揃っています。昨日は麦焼酎と日本酒をいただきました。毎回期待以上の品のある新しい驚きのある料理を提供いただきます。ごちそうさまでした。

過去の米増はこちら

大阪市北区大淀南1-9-16

大阪市 福島 和食