ソウル紀行①

ソウルに所用があり南大門市場の中の路地裏の食堂で一人ディナー。
韓国の焼肉とかプルコギってなんか口に合わないのでいつも海鮮か豚肉を食べている。というかキムチが生来食べる事が出来ないので韓国の食事はいつも困りがち。友人はみんな「本場の焼肉」を目指して明洞にいくんだけど値段の割りにちょっとなあ・・・というのがとても多い。

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こちらは何度かソウルを訪問したときに行く店でコスパも良くて丁寧に料理を作ってくれるのでよく利用する。最初はビールとつまみ数種類。店の前の海苔屋で買った海苔を出して食べても何も言われない。

ビールはハイト。OBかどちらかを飲むんだけど両方ともイマイチ。日本のビールと比べて水っぽくて妙な甘さがあってコクがなくて発泡酒のよう。多分使用している麦芽の量が決定的に不足しているのであろう。

韓国には焼酎をビールで割って飲む習慣があるのであっさりとした方がいいのかもしれないと思った。。いわゆる日本のホッピーのようなものか。とにかくビールに対する味覚の違いにはいつも驚く。

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今回目当てのカンジャンケジャンをお願いする。明洞が本店で赤坂と北新地に店のあるプロカンジャンケジャンが超有名。明洞ではハムチョ・カンジャンケジャンという店が有名で日本人観光客がよく行っているようである。新沙洞にはカンジャンケジャン通りがあっておしゃれストリートとともに若い女性観光客が多いようである。

カンジャンケジャンはいわゆる生のワタリガニをタマネギやニンニクなどの野菜が入った醤油ベースのタレに漬けて熟成させたカニの醤油漬けなんだけどお酒も白い御飯にも合う料理で本当は春がいいときなんだけど秋もそれなりに卵を持つので美味しくいただける。

ハムチョカンジャンケジャンでは一匹3000円くらいか。新地のプロカンジャンケジャンは一匹5000円くらい。この店は2匹たっぷり食べて2500円という良心価格。

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胴と足の部分は手でつかんでそのままちゅ−ちゅ−食べる。生臭さは全くない。蕩けるような甘くて柔らかい身がニンニク味の醤油ダレとベストマッチ。カニ味噌がある甲羅の部分はスプーンですくってご飯に入れて海苔とともにスプーンでかき回してもらう。もちろんお店の人がていねいにしてくれるんが嬉しい。甲羅に御飯を入れる向きもあるが不衛生なので私はしない。

この味噌まぜ御飯はカニ本来の甘み&特製の醤油ダレ&ご飯が三位一体となってお酒にも合うおかずにもなる。ごま油を少し入れるのが私流。。コチュジャンタレで漬けたヤンニョムケジャンもいいけど辛過ぎて蟹の味がわからなくなる。

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お酒と蟹をしこたまいただいたあと身体が冷えないようにスンドップチゲと白い御飯を再度いただく。辛いんだけど見た目ほどではないあさりが入っていて貝の旨味も感じる。

スウンドップって純豆腐って訳されていていわゆるおぼろ豆腐の事。韓国ではにがりを入れる前の豆腐が売られているよう。この豆腐を食べる料理は細かく切られた豚肉や玉ねぎ、白ネギ、ごま油などいろんな味が混ざってとても深いものを醸し出している。

豆腐はふわふわして白い御飯と一緒に食べるととてもいい相性がある。ビール2本飲んで全部で3500円くらいでした。。。お腹いっぱい大満足でした。


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又三郎 11月

現在食べログ大阪レストラン部門9位。全国焼き肉部門1位に輝く日本でナンバーワンの表記のお店に久しぶりに訪問する。オーナーの荒井世津子氏とはチェーンストア理論を一緒に学んだりアメリカ視察ツアーにご一緒させていただいたり、京阪神の繁盛飲食店の情報交換と試食などいつも大変お世話になっている。今では予約が全く取れない大人気店となりで店主もテレビ出演やマスコミ等で引っ張りだこの今や芸能人並みの忙しさ。

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彼女を支えるグランシェフの金髪の大森氏もフレンチ出身で前菜などのサイドメニューに焼肉店の範疇とレヴェルを遥かに超えたエクセレントな美味しさをお客に提供される。

場所は長居公園近所の長居パークホテルの1F。場所は完全な2等地。入り口の雰囲気は高級感溢れ白金にあるレストランを彷彿させる。
重厚感ある扉を開けると持ち帰りのケーキや焼き菓子などが飾られたキラキラのショウケースと熟成中のドライエイジングビーフの入った巨大な冷蔵庫が目に飛び込む。

まずはビールで乾杯して「身も心もお任せコース」(勝手に命名)を所望する。

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オーナ自らこの日提供される熟成肉のプレゼンテーション。岩手産黒毛和牛とジャージー牛を掛け合わせた月齢32ヶ月の雌のロース。ジャージーはホルスタインじゃないけどいわゆる乳牛。でも最近は脂肪分が少なくて肉の旨味がしっかりあるのであちらこちらでよく見かける。そのジャージー牛に黒毛を掛け合わせたものという事でとても興味深い。

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それと熊本産の黒毛和牛の雌の外平とよばれるところとランプという2つの部位を提供いただくという事となる。

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しばらくして大きな肉の塊が網の上にドカンと3つ置かれる。ここからこの日はオーナーがずっと世間話と熟成肉のレクチャーをしながら焼いてくれる。この世間話のセンスが強烈で別料金をとる事が出来るくらい面白いと界隈では言われている。

まずは片面を3分くらいまんべんなく焼く。裏返してふたたびまんべんなく焼く。続いて4方に均一に焼きムラがないように肉を移動させながらしっかりと焼く。肉にダメージを与えないように眠っている肉を起こさないように炭火の力を借りて優しく優しく火を入れる。しばらくして火から下ろしてアルミホイルで包んでじんわりと火入れをする。
5分くらいアルミホイルの中で休ませて再び焼く。じっくりとまんべんなく焼く。そしてまたまた火から下ろしてアルミホイルで5分くらい包む。一回目よりもしっかりと火入れをする。いわゆる低温調理を機械を使わないで丁寧に行なう感じである。

またまた休ませて3回目の火入れをしてアルミに包んで出来上がり。かなり根気のいる作業である。その間約35分なり。こうする事で肉本来の柔らかさも肉汁も保たれる。

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肉を焼いている間にアルザスのスパークリングをいただく。熟成肉の端を使って作るコンソメスープは濃厚でおいしい。この日は松茸が入って少し嬉しい感じ。

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熟成肉で作ったパテは。鶏の肝なども入れてかなり軽い感じ。お店で販売もしているピクルスも秀逸。スパークリングがとてもよくすすむ。

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前菜の盛り合わせは巨大な無垢の木の板に載せられて登場。カリカリのクロワッサンに挟まれた熟成肉のリエットやハンバーグ状になった皮のないソーセージ(名前忘れた・・)にタスマニアマスタードをたっぷりつけていただくと何とも言えない美味しさで赤ワインがすすみまくる。皿からはみ出まくる生野菜には梨と柿とイタリアンサラミが添えられる。ざっくりと作られて盛り込まれている感じなんだけどかなり計算された内容である。

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焼きあがってカットされた肉は部位別に供される。厚切りにされた肉は口に入れると山形のだだ茶豆やミルクのような香りが立ちあがり食後のフレイバーが口の中で「ふわっと」広がる。肉汁もほとばしり黒毛和牛なのでそんなに熟成期間は長くないんだけど熟成香は充分感じられ旨味もしっかりと感じる事が出来た。上質のピノノワールと組み合わせるのが私の好みなんだけど店主から安いグラスワインを薦められいただいたら大当たりなのもビックリした。

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ロゼ色に輝くジャージーと黒毛の交雑肉もかなり秀逸。味は濃厚で複雑。店主は先日、山形で子牛を買ったとも言っておられた。彼女は肉の仕入れをもっとも重要視されおられ熟成する事で美味しくなるポテンシャルのある枝肉を一頭買いし希少部位などは焼肉にまわしたり固い部位などはハンバーグ用にしたりされていると言っておられた。

血統、肥育月齢、育て方、サシの入り方、肉色、脂質をイマジネーション力を最大限に活かして生産農家まで訪問して牛そのものを見ると言っておられた。

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デセールは盛り合わせをとお願いするとてんこ盛りにしてくれた。。お店の中は清潔で焼肉屋の匂いや生肉の匂いはみじんもしない。ばか騒ぎする団体もいない。お店のスタッフもアイコンタクトでコミュニケーションをとる。

やっぱり焼肉日本一はだてじゃないな・・・

以下オーナーのブログから抜粋

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熟成肉についていろいろな方からいろいろな事を良く聞かれるらしい・・・

(その部分は省略)

「菌は付けているんですか?」

「温度は?湿度は?」

とよく聞かれるけれど、

一番嫌いな質問は「肉の歩留りは?」

理由は、「正直よくわからない」から。

ただ、ちゃんと経営できてるから

熟成肉の値付けは間違っていない・・・と、思っている。

その程度の感覚でやっています。

美味しいもの作る前に

「どれだけ儲かる」とか「どれだけ儲けないと」を

考えていたら

前に進まない。

熟成肉を廉価に量産して売ろうとするは

まだまだ適さないと思う。

嗜好品として愛好されてからの

汎用品が生まれてくるならわかるけど。

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大阪市住吉区長居2-13-13長居パークホテル1F
TEL 06-6693-8534
予約必須
11:30〜14:00
17:30〜23:00(L.O.22:30)
定休日 木曜日

*明日から韓国に4日間行ってきます。。。


カテゴリー 長居, 焼肉 |

ラ・フェット ひらまつ

フェスティバルタワーの表記のお店を訪問。友人が今年こちらで結婚式をしたらしい。。エレベーターを途中で乗り換えてビルの最上階のグランメゾンに到着。お店の方が恭しくお迎えいただきシャンパーニュで乾杯する。

グランメゾンなので、サービスの方々は燕尾服を着てるんだけど蝶ネクタイは黒色だったのが残念。しかしながら窓から見える景色は絶景。内装はウエディング仕様。

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外国産の渡り蟹が入ったキッシュ。トマトとバジルのクーリーソースが美しい。アメリカでよく出てくるクラブケーキのような食感。しかし総じて凡庸・・・出来合いではないが宴会料理丸出しなのが残念・・

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フォアグラのポワレとリンゴのタタン仕立て透明フィルムのキャラメリゼ ペリゴール風ソース。ソース・ペリグーは、牛肉系のフォンに、マディラ酒とみじん切りしたトリュフが入ったソース。

フォワグラの火入れもまあまあかな。上に乗っかっりんごの優しい甘みがフォワグラにベストマッチ。これは個人的に大好きなせいもあるけど鉄板の美味しいメニューで文句のつけどころなし。

パリッとして中はむっちりで少し酸味のあるパンとエシレバター登場。この発酵バターはクリームを乳酸発酵させてるんでヨーグルトのような軽い酸味があり香り高い。パンが確実においしくなる。最近JALの国際線での機内食で出てきたのに驚いた。

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52℃で柔らかく蒸し焼きにした真鯛。季節野菜と爽やかなレモンビネガーソース。

低温調理は私どもの店でも行なっているが52℃というのはほとんど聞いた事がない。
肉魚のタンパク質は高温で短時間に日を入れると凝縮して固くなるので真空パックにして58℃から62℃の間でじっくりと加熱をするのが常。

人間がお風呂で「デトックス」するように低温でじっくりと火を入れ老廃物や臭みを出しながら養殖の鯛を美味しくするという理由づけなんだけど思ったより身はしっとりしていなかった・・・

たぶん低温加熱してから仕上げに表面に焼き色をつけているんだけどそのときに火が入り過ぎたんだと思う。残念・・・・

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仔牛とオニオンのアン・クルート。エピス風味 ジャガイモとハーブのエクラーゼ セップ茸風味のジューとともに

これも低温調理だと思う。仔牛は多分ホワイトビヴィールと推察する。肉のきめが細かくて柔らかくて味わいも良くてかなり秀逸。世間にある水っぽい仔牛とは全く異なる。パイで巻いたりパン粉をつけていたりするのがよくある仔牛料理でそれが定番なんだけど肉自身がおいしいのでこれだけで堪能する。

肉の上の玉ねぎもかなり甘い。パイ包みとメニューに書かれているんだけど・・・めんどくさかったのかな・・・エピス風味はいわゆるミックススパイスのことだと記憶する。。特にどおって事はない。。ソースはかなり美味しい。。

ジャガイモのエクラゼはサービス係がいろいろ能書き言ってたけど普通のマッシュポテトをオーブンで焼いたものなり。。いわゆるルスティヤンと呼ばれものヤン。

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デセールは軽いフランス産マロンのクリームとナッツのメレンゲ「モンブラン」ラム酒の香るグラスを添えて

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コーヒーカップもかなりいいデザイン。一緒に出てきたミニャルディーズは一口サイズのものばかりでマカロン・サブレ・生チョコ・パートドフリュイ。

クリスマスは忙しいだろうな・・・・

中之島フェスティバルタワー 37F

ラ・フェット ひらまつフレンチ / 肥後橋駅渡辺橋駅大江橋駅

夜総合点★★★☆☆ 3.5


カテゴリー 肥後橋, フレンチ, レストラン |