ここ数ヶ月ずっと定期訪問をしている西中島にある表記の寿司店を福島にあるミシュラン和食店の店主と訪問。西中島南方駅南出口から南東に徒歩3分の瀟洒なビルの3階に位置する。
こちらのお店は明治43年東京柳橋で創業され、大正5年に大阪日本橋に移転。その頃は関西屈指の高級店と言われ江戸前寿司のパイオニアとして君臨。
日本橋のお店や支店を閉店された後で3年前にこの地で再開され110年の歴史を引き継がれている。お店は3代目の大将と女将さん、4代目のご子息の3人で切り盛り。
カウンター7席と6席の個室のみの店内は端正で凛とした空間が広がる。メニューはおまかせではなくショーケースの中の食材から好きなものを好きなように注文するアラカルトスタイル。日本の寿司店で初めてショーケースを取り入れたのがこちらの店とのこと。
最初にビールと刺身を少しいただく。6月にもいただいた平目はもちもち食感で上品で甘い味わい。大きく切りつけた鯛もしっかりとした脂が乗っている。写真はないけど鱧も落としにしてわさび醤油でいただく。私はいただかなかったけど和歌山産の鰹もかなりいい状態だったとのこと。
分厚い身の細魚は食べ応え満点。空気を入れて握るシャリは塩味が強めで独特の味わい。続いて1枚付(1/2)の小肌はふわふわ食感。この時期のスペシャリティの鮎もフルーティな香りでこの店にしかない食材。腰高に握られた鯵もクラッシックな江戸前な味わい。
食材によって本手返しと小手返しを使い分ける。握っている途中で木桶をポンと叩く所作も見ていて楽しい。好物の車海老は水槽から引き上げてその場で湯掻いて供される。
夏と冬に旬を迎える北寄貝はかなり見厚。帆立貝も澄んだ味わいで癖が全く感じない。北陸産の大きな甘エビもねっとり食感。
ここからお店の看板の寿司が3種供される。独特のフォルムの煮蛸はこれ以上ないという正確無比な仕事。タコの出汁を継ぎ足して作り煮詰めは例えようのない美味しさ。旨みをしっかり残しながら柔らかく炊き上げる。これは同伴者からも「本当に美味しいと」感嘆の声が出ていた。
続いてのしっかりと皮目を焼き込んだ1匹を丸ごと使った煮穴子も記憶に残る美味しさ。焼き目の一切ない玉子はとても甘くてしょっぱくてお茶との相性もとてもいい。砂糖は使わず醤油と味醂で味をつけて焦がさないのは至難の業とのこと。同伴者は鮪の赤身やトロも楽しんでお腹いっぱいで大満足。会計は日本酒を少しいただいて一人3万円くらい。食材も仕事も含めて大阪の名店の一つだと確信しながら店を出る。ごちそうさまでした。。
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大阪市淀川区西中島1−9−13
クレアシオン新大阪ビル3F
06-6795-9088
12:00~14:00/17:00~21:00
水曜定休