今回のLA視察で最も行きたかったお店の「Eatse」。2015年にサンフランシスコでオープンしたハイテク無人ボウル専門店。今回は年末にロサンゼルスの最新ショッピングモールにできた2号店を訪問する。
超モダンなお店はモニターとオーダー用の機械5台(iPad)が並んでいて小型のアップルストアのような感じ。店内には椅子やテーブは全くない。がらんどうな感じ。店員はコンシェルジュと呼ばれるアシスタントの方が1名だけ。提供されるメニューはスーパーフードのキヌア(南米産の疑似穀物)を中心としたボウル(丼)にワカモレをはじめとする新鮮な野菜や豆類を組み合わせた健康的なもの。キヌアは12時間浸水させてえぐみを抜く。チキン、ビーフ、ポーク、フィッシュは使用しない。メニューにカロリーやタンパク質重量表示がされる。定番ボウルメニュー8種(温製・冷製)はすべて6ドル98セント。自分流のカスタマイズも可能。料理はすべて店内で手作りされている。料理は名店の料理長が監修。
注文は最初にiPad にクレジットカードやデビットカードをスワイプする。客は各々のブースに立ち、タッチスクリーンに映し出されたメニューから、好きなものを選んで注文する。再訪時にユーザーごとの購入履歴や好み、カスタマイズの内容などを全て記憶し、次の来店時にはそれらを反映した提案などもおこなってくれるとのこと。いわゆるアマゾンのコンテキストアウェアネスである。レシートは環境に配慮のためメールアドレスに送られる。
待っている間に客の名前とデザインされた画像が透過型液晶画面に映し出される。まさにお店全体がアーティスティックなロボットのよう。
商品が出来るとスクリーンに名前が映し出されて、指定されたロッカーのようなところを軽くタッチして自分で取り出す仕組み。
注文して会計が終わると2分足らずでボウルが提供される。裏方では必死のパッチの人海戦術で作っているらしい。しかしその様子が全く見えないのがとてもクール。出てきたボウルには名前が印刷されたラベルが貼られており客はカスタムメイド感を感じることが出来る。
新鮮な素材とバランスを考えた調理とソースの味付けは味の濃淡があり混ぜれば混ぜるほど美味しくいただける。看板メニューのブリトーボウルはワカモレやタコスの皮が入ったメキシカンなテイスト。ベントーボウルは照り焼き味で枝豆や大根などが入るアジアンテイスト。No worry curryはレッドカレー、焼いたジャガイモなどが入ったエスニックテイスト。それぞれに商品力と高い価値を感じることができる。
ドリンクは糖分ひかえめのシトラスやジンジャー、マンゴーグァバなどのソーダドリンクがりこれも店内で作られている。
全メニューを通してヘルシー感あふれるものになっているのに敬服。ワクワクする空間でおいしくて健康的で便利で洗練された食事に感動する。革新性と公共性を兼ね備えた新しい食事提供システムである。
そのあとは同じショッピンモールにある「EMC」というかなりカッコいいシーフードの店でシャンパーニュとオイスターバーを楽しむ。米国で獲れる様々な産地の生ガキを食す。フロリダの蛤とロングアイランドとカナダの牡蠣の食べ比べをする。あまりにも味が濃くて美味しいのでカリフォルニア産のkumamotoも追加する。
オーガニック系アンチエイジング・レストランの「トゥルーフードキッチン(True Food Kitchen)」も私どもの会社のベンチマーク店。「ヘルシー」「低カロリー」だけでなく「美味しい」という食本来の楽しみも健康とともに追求するスタイル。この日は胡瓜のモヒートとともにサラダをいただく。
様々なオーガニックな生野菜と一緒にモヒートを楽しむ。
この辺りは中間世帯所得が10万ドル(約1,100万円)を超すマンハッタンビーチという立地なので富裕層相手となるレストランやショップが多い。
使用される食材は枝豆、シラタキ、椎茸、豆腐が多く使用される。看板料理の「レタスラップ」はシイタケ、豆腐、カシューナッツを味噌味で炒めたものとニンジンの千切りをレタスと一緒にいただく中華料理でよくありそうなものをひとひねりしたもの。
「大豆発酵食品テンペ入りハンバーガー」は肉の代用品としてよく使用される、大豆を発酵させて作るテンペが入る。
Mendocino Farmsはグルメサンドイッチのお店。日本には全くない業態でメニューだけでなくオープンエアーの店舗もカッコいい。メニューは温かいサンドイッチと冷たいものに分かれていて季節限定のものなどもあり選ぶのに苦労する。すべてのサンドイッチの素材はオーガニックでかつ厳選されていてシンプルな素材同士の味が重なりあって深い味を醸し出す。サンドイッチの価格はほぼ10ドルくらい。かなりかっちょいいお店です。