各支店の若手調理社員9名で改善会議のあとに表記のお店で研修飲食。
私が世界で一番素晴しい飲食店舗と考えている
サイゼリアは代表の正垣泰彦会長が東京理大の4年生の時に、アルバイト先の渋谷食堂に見込まれて、68年に千葉・市川市のパーラーの店を引き受けたことからスタートと聞き及ぶ。現在店舗数1100店舗、売上高1200億円のビックカンパニー。。
正垣氏は私も学び経営の軸にしている渥美俊一理論(チェーンストア理論)を最初から実践し生産性を中心に経営を考えた事は素晴しい。現在の飲食チェーンではマクドナルドと共に最高の実践店舗である。
まずは皆でビールで乾杯してメニューのなかから片っ端から選んで注文。
最初に149円の冷たいカボチャのスープ。しっかりとコクがあるのに切れ味もいい。こんなに上質のものがこの価格でいいのかと思う。ほうれん草のソテー199円、トマトとモッツアレラ299円、シーフードサラダ599円などの前菜はどれも安くて美味しい。シーフードサラダは大人数用のメニュー。小海老のサラダ299円と似通っているのでやめたらしい。客から見たら同じものに見えるという理由。
本場のプロシュート399円はこの価格であり得ない。熟成のミラノサラミ299円は自社の直輸入。かなりおいしいガーリックオイルで提供されるエスカルゴのオーブン焼きは399円。相場は大体1200円くらい。安く売っているお店の半額以下。表面がカリカリで中がモチモチのミニフィセルと言われるパンが160円。ガーリックオイルにつけて頂くとワインがすすみまくる。ムール貝のガーリック焼きも399円。すべての料理が200席満席時でも2人のホールスタッフでオーダー後15分以内に提供。忙しくなければ5分かからないと言っておられた。厨房はパート2名。200席の店舗を4名で運営。
看板商品のミラノ風ドリア299円は1000回以上の改良をしたと聞き及ぶ。客は食べてもわからないくらいの微調整なんだけどその影響で注文数が増えたり減ったりするとも聞く。来店客の2割が注文する。マルゲリータピザは399円。界隈では500円の窯焼きピザの店をたまに見かけるがそれよりも2割安いというのが素晴しい。味の方も及第点。
ワインは1500mlのマグナムサイズが1080円。グラスでは100円。残れば持ち帰りも可能らしい。持ち帰りの特別容器があるのかと思ったらナイロン袋一枚手渡された。それも素晴しい・・
パスタはフレッシュトマトソース499円とペペロンチーノ299円。ソースと混ぜて加熱をすれば完成するまでカミサリーで調理して一人分に小分けして店舗に配送していると聞く。とびきり美味しいとは思わないけど価格を考えると充分の商品。
ハンバーグは399円はベルトコンベア付きのオーブンで5分で焼き上がる。若鶏のグリルは499円。食材原価率35%と聞きおよぶ。普通に美味しいねえと若い調理師と話す。日常使いでこの価格でこれだけのものを食す事が出来るという事はかなり価値がある事と感じる。
イカの墨入りスパゲティーは売れないけどあればお店の空気感があがる商品。食後酒のグラッパも同様。
この他にカツレツとステーキを食べたかったが全員食べ過ぎで満腹になる。
この会社は本当の意味でのマーチャンダイジング推進のために静岡県白河市周辺の高原エリアに280haの一大農業生産拠点を築いて野菜の生産と畜産をしていると聞いた事がある。この直営農場とは別に野菜の契約農家が332戸、稲作農家では114戸にもおよぶらしい。
デザートはミルクジェラート199円、ティラミス369円 プリン249円 チョコケーキ299円と言った感じ。スイーツは食べつけてないので深く知らないが価格以上の価値はあるものと推察される。
現在中国にも約100店舗展開しており将来は3000店舗まで増やして行きたいと代表が言っていたのを聞いたことがある。
私どもも含め外食産業は、消費者のニーズが多様化したといって、新しい業態というか流行を追いかけて新規客を追いかける会社が多い中でサイゼリアは新業態に見向きもせず、経営の原理原則を追求して現在の業態に集中しお客の支持を得て成長を続けているのは見事である。
サイゼリヤ マグスミノエ店 (イタリアン / 住之江公園駅、平林駅)
昼総合点★★★☆☆ 3.5