たこ竹【大阪市 谷町六丁目】

松屋町の人形屋の通りにある押し寿司のお店。大阪寿司って最近あんまり食べないなと思いながら久しぶりに訪問する。何年か前に店の親父が死んでしばらく店を閉めていた期間もあったが今はおかみさんと配達も何でもする具志堅用高(知っているかな・・・)にそっくりの職人の2人でやっている。 暖簾には天保2年と書いてあったので1832年の創業である。安治川を埋め立てて天保山を作ったのがこのころという記憶をしている。この店が180年近くも続いているということには驚く。。お店の中は雑然としていて子供(たぶん孫であろう)の絵が貼ってあったり、持ち帰りの容器や段ボールが積まれてあったり古新聞の山があったりでこの店の中の様子にも驚く。神経質な方はたぶん無理かと思う。(店に入った瞬間ひいてしまうであろう) 持ち帰りが多いと聞くが昼から鯖寿司や焼きアナゴの棒寿司をつまみながらビールを一杯というのにはぴったりである。生の魚が入っていない有名なちらし寿司にしようかと迷ったがこの店はやっぱり箱寿司でということにした。職人も手がすいていたようで比較的早く出てきたのはラッキーであった。 noren.JPG 出てきた寿司は一言でいえば予想を裏切るいい出来栄え。。。炭火で焼かれた穴子は見た目よりふんわりとして、香ばしく丁寧に皮目を包丁でたたいているため酢飯とのなじみがとてもよくしみじみ旨いと思った。間に挟んだかんぴょうも仕事が丁寧で、しんみりとした甘さが昆布の香りのする酢飯とベストマッチ。 海老は赤足エビで旨みも舌触りも最高。ぶりぶりでシコシコ。その海老の横はヒラメの昆布締め。。酢飯と海老とヒラメの昆布締め。。。「俺の好きなもんのオンパレードや~ん」と喜んでいるとおばちゃんがお茶を変えに来てくれた。。(親切である・・・) 小鯛は思ったよりも身が厚く旨み凝縮。。これが一番旨かった。。。もう3つくらいいただきたいと思った。玉子も甘さええ感じでエビとの相性良し。見た目の美しさだけではなくボリュームもありこれだけで結構お腹いっぱいになる。握りと違ってご飯ぎゅうぎゅうに詰まっているからであろう。。 osisusi.JPG メニューには箱寿司1人前2100円と載っていたがお代は1400円であった。これもこの店の不思議である。。何か意図があるのか、いつからかわかんないが値下げしたのか、ランチ割引なのか。。 時代の嗜好に完全に逆行しているこの店はいろんな意味で天然記念物のようである。ご飯も釜炊きですべて丁寧な手仕事。。誰か修業に行って跡を継ぐものが出てくることを祈る。。頑張れたこ竹。。大阪を代表する食文化の継承の為に。。。 大阪府大阪市中央区松屋町住吉3-8 11:00~19:30 定休日 木曜、第二金曜らしい

大阪市 谷町六丁目 寿司