地域:北浜|ジャンル:フレンチ

ラポンヌターシュ *名店コートドールのDNAを継ぐフレンチ【大阪市 北浜】

最近のマイブームで月に一度、西天満の足裏マッサージに通っている(強烈に痛い・・)。その帰りに裁判所の裏側にある表記のフレンチを一人で訪問する。

本年2月に東京の誰しも認める古典的なフレンチを日本に持ってきたと言われるフランス料理界のレジェンドの「斉須政雄シェフ」が引退され、長きにわたり人々を魅了した名店「コートドール」も閉店となった。こちらの田村シェフはコートドールで修行先され、斉須シェフに直接学ばれ、2013年7月に大阪のこの地で独立された。

お店はシンプル&スタイリッシュでカウンター12席のみ。ライブ感あるオープンキッチンなんだけど火口やオーブンもクラシカル仕様でスチームオーブンもない。お店はすべてシェフひとりで切り盛り。特筆はお店の清潔さでいつも感心するくらい、どこもピカピカ状態。今回は夜のプリフィックスコースのうち8800円のものを予約

アミューズはコートドールの伝説のスペシャリテの「赤ピーマンのムース」

ふんわり滑らかで透き通るような味わいだけどコクのある赤ピーマンのムースとトマトソースのほのかな酸味が合わさって、凝縮した野菜の味わいが口の中で響き合うのがわかる。田村シェフはコートドールで前菜担当もされていたのでこの料理はコートドールそのものと言われる。

前菜はサーモンの燻製を所望する。

火入れ、燻製の加減も絶妙で香りを楽しみながら柔らかな食感とスパイス感も味わえる逸品。酢漬けの野菜もいい口直しとなる。

追加料理で赤穂の牡蠣のクリームスープを注文する。ポシェした牡蠣の出汁と野菜のスープが相まってとても味わい深い。バターもしっかり入って、添えられた牡蠣のパンチに負けていない。

数種類の料理を同時に提供する田村シェフの所作はゆったりとしながらもテキパキして無駄がなく流れるようでとても美しく、見ていて楽しい。提供される全ての温製料理の皿が熱々なことにも敬服する。

魚料理はこの時期のスペシャリティの平目のアメリケーヌソースを選んだ。皮目をパリッと焼き上げた身厚の平目と濃厚なアメリケーヌソースの相性は抜群。シャルドネが進みまくる。添えられたパンでソースを残さず拭っていただいた。こちらもコートドールのスペシャリティ。

「牛ほほ肉の赤ワイン煮」は一見どこにもありそうな料理なんだけどどこにもない他店とは一線を画した仕上がりとなる。分厚くカットされた肉は解けるほど柔らかく、繊維が綺麗に分解される。ソースはとても軽くて重層的、人参のピューレと合わさってさらに深みを増す。こちらもワンランク上の仕上がりでこれ以上に美味しい赤ワイン煮は食べたことがない。

デザートはクレームブリュレとエスプレッソを所望。名物のソルベもいただきたかったんだけど悩んでこちらにする。表面のカラメルをしっかり炙って固め一旦冷やしてから提供される。バニラの粒がたっぷり入った王道の味わい。

お酒もグラスで上質なものをたくさんいただきました。

地に足のついた料理ってこういうことなんだなと納得しながら店を出る。カジュアルだけど本格的なとてもいいお店です。。

過去の記事はこちら

大阪市北区西天満4-1-8
06-6312-1777
営業時間:18:00~23:00
定休日:日曜日

大阪市 北浜 フレンチ

ラポンヌターシュ【大阪市 北浜】 【大阪市 南森町】 【大阪市 梅田/JR大阪】 【大阪市 西天満】

北区西天満の老松通りを北に入ったところで裁判所の裏側の最近出来た「老松 喜多川」、「イザイ」、「ピ グレコ」などの美食エリアにあるカウンター8席のフレンチレストラン。

食後のワインだけを頂きに遅掛けに訪問。東京三田にあるフレンチオブフレンチのコートドールでみっちり修行をした田村シェフのお店はシンプル&スタイリッシュ。ライブ感あるオープンキッチンなんだけど火口やオーブンもクラシカル仕様。

いまやどこの店にもあるスチームオーブンも使わない。お店はすべてシェフひとりでまわされる。

2014-06-11 21.05.35

ワインはブルゴーニュのピノノワールを所望。いつも同じものを頂くので好みがわかってらっしゃるのがありがたい。彼の師匠のコートドールの斉須さんといえばパリのランブロワジーを作り上げた方としてフランス料理界では知らない人がないくらい有名。古典的なフレンチを日本に持ってきたレジェンド的存在。

2014-06-11 21.10.20

名物の「赤ピーマンのムース」を所望する。料理を提供する田村シェフの所作はゆったりとしながらもテキパキして無駄がなく流れるよう。この伝説系の料理はディスイズコートドールと呼ばれるスペシャリテの再現。

クリームをいっぱい使っているので口当たりはふんわりして、まったりなめらかでコクがある。赤ピーマンのクセも少し感じられて敷いてあるトマトのソースの酸味がバランスよくて泣けるくらいいい。口に入れた瞬間に味がプワーっと膨らむ。

田村シェフはコートドールで前菜担当もしていたのでこの料理はコートドールそのもの。

2014-06-11 21.19.10

胡桃の入った人参のサラダはオレンジの皮の擂り下ろしとオリーブオイルで仕上げる。食感もよくてとっても爽やかな後味。

すべての料理が斎須シェフのスペシャリティーかその本質部分の再構築料理でメインディッシュのコラーゲンたっぷりのエイのバターソテーやソースがぎらぎら光る牛ほほ肉の赤ワイン煮は一見どこにもありそうな料理なんだけどどこにもない他店とは一線を画した仕上がりとなる。一言で言えば一見野暮なんだけどとっても美味しい料理である。

敬愛する帝塚山のビストロエピスの奥野シェフ同様にクラッシック料理の技法をきちんと身に付けているシェフは現在希有でありそれを変化させずに伝承する価値を世に生み出し続けているということについて敬意を表する。

2014-06-11 22.42.31

今年36才の田村シェフは結婚相手募集中。。温かい家庭を作りたいんだって。本人はとてもシャイで優しい方なのでいい方いたら釣書と共にペロペロのりちゃん宛に連絡ください。。ちゃんとご紹介しますね(^0-)-☆

大阪市北区西天満4-1-8
06-6312-1777
営業時間:18:00~23:00
定休日:日曜日

大阪市 北浜大阪市 南森町大阪市 梅田/JR大阪大阪市 西天満 フレンチ

ラ ボンヌ ターシュ【大阪市 北浜】 【大阪市 梅田/JR大阪】 【大阪市 淀屋橋】 【大阪市 西天満】

私どもの会社の顧問をしていただいているフードコーディネーターの先生と表記の店を訪問。個人的にはこの夏にオープンしてからもう何度も訪れている。そしていつも同じものを食す。しかし何度食べても食べ飽きない。界隈のフレンチとはテイストが全く異なる。

場所は古美術店や弁護士事務所がひしめく裁判所の裏で「老松 喜多川」の隣。「イザイ」「ピクレコ」など新店ラッシュのある美食ストリート。ファザードは木調でカフェのよう。看板もない。知らなければ通り過ぎてしまう感じ。

2013-10-31 18.22.39

今月の婦人画報でも日本全国のフレンチレストランでランキング2位、知人のシェフも間違いなく日本一のフレンチと認める東京・三田にある「ラ・コート・ドール」で8年修行した田村シェフのお店。ありがちな流行のフレンチではなく修業先の技をしっかり感じさせるオーセンティックな正統・新古典料理を提供。店名の意味は「よい仕事」らしい。コートドールの斉須シェフが名付け親と聞く。

料理そのものはコートドールのスペシャリテやそのコンセプトをなぞった形の料理。つまりコ―トドールそのものの味を食することが出来る。田村シェフもそれを職人として継承することをよしとされている。

簡単なようなんだけど古典的なスタイルの継承は一つ間違えば野暮ったくなり客にその本質が伝わりにくい側面もある。ただ食材の見極めや仕事の丁寧さを見る限りその心配は無用と推察される。

総じて言えば流行のフレンチにありがちな示唆にとんだいけてるスタイルではない。たとえば普通の飾り気のないムースが口に入れたとたん無限大に味が開花するような仕事をされる。どこにもあるようでどこにもない。。わかる人が見れば大感激。

2013-10-31 18.27.08

まずはシャンパンで乾杯。店内は明るいベージュのフローリングと木を効果的に配した温もりのあるクラッシックモダン。座席はゆったりと配されたカウンター8席のみ。広いピカピカのステンレスのオープンキッチンでシェフが一人で調理とサービスをされる。流行のスチームコンベクションなどはなくすべて直火仕様。

コースはおまかせの5000円のものとアラカルト。初めて訪問される方はデザートに食後の飲み物まで付いたおまかせコースがおすすめ。

2013-10-31 18.34.53

アミューズはコートドールのスペシャリティの「赤ピーマンのムース」今回の訪問もこれが一番の楽しみ。

田村シェフはコートドールにいたときこの料理を嫌という程、作り続けておられたのでかなり安定した仕上がり。見た目もかなり美しい。スプーンで食すと赤ピーマンのねっとりした食感と素材独特のクセとトマトのクーリーの酸味などが見事に調和。何十年前かわからないがこの料理が出来たときはフランス料理界が騒然となったと聞く。まさに伝説級のスペシャリテである。

2013-10-31 18.44.16

オマール海老のムースも一見普通のどこにでもあるような感じなんだけど食すとオマールエビの濃厚な香りと風味が口の中いっぱいに広がる。口の中がすべてオマール海老になる感じ。アフターに鼻から抜ける香り(アロマ)がまさに往年のフランス料理って感じ。しかも上品な仕上がりはさすが。私のような甲殻類ラバーは必食の逸品。

2013-10-31 18.50.09

ラ スール カデット ブルゴーニュ シャルドネ 2010はかなり手頃な値付け。柑橘系のような香りに程よい酸味でフレッシュな味わい。

2013-10-31 19.10.51

次にコートドールのスペシャリティというか今やシグニチャー、アイデンティティーとなっている「エイのムニエル 焦がしバターソース 」。

皮付きのエイの身は繊維毎に解れてゼラチン質が多いためかとろけるような甘味としっかりとした食感が感じられ、淡白なんだけど噛めば噛むほど溢れるような旨味が楽しめる。

最近見かけなくなった焦がしバターの香ばしさとビネガーとケッパーの酸味がパンチのあるエイのジューシーな白身の魅力倍増させる。焦がしバターもギトギトになりがちだけどそこはプロのテクニックが生きる。

他のフレンチでは味わえない軟骨のコリコリ感と身質のシットリ感、エッジの効いた塩の効かせ加減も往年のフレンチらしくてワインを誘う。私の友人でコートドールのこのスペシャリテが日本で一番旨い魚料理と言う方も多い。上質なエイは食材の安定的な仕入れも難しく現在は北海道から直送してもらっているらしい。

2013-10-31 19.26.41

ここで赤ワイン登場。果実実が深くて風味の良い手頃なものをセレクション頂く。

2013-10-31 19.46.12

メインはギラッと光るソースが特徴の牛ホホ肉の赤ワイン煮込み 。上質の肉はかなり柔らかくて、口の中でとろけていく。ソースも旨味とコクが良くてワインにドンピシャ。咀嚼しながらワインを頂くと気絶しそうなくらい旨い。付け合わせの人参のピューレも風味が濃くて香り良いのに驚く。

2013-10-31 20.15.04

デザートのブリュレは赤玉を使用。バニラの香りも効いてて滑らかで濃い食味。普段食べつけないので他店に比べてどうということはわからないけどしっかりしたデザートという印象。

すべての仕事をシェフ一人でされるので少し時間はかかるけど親しい友人と話をしながらワインと共に食事をするにはとてもいい。とてもいい店です。。

大阪市北区西天満4-1-8
TEL 06-6312-1777
営業時間 18時~23時
定休日 日曜日

大阪市 北浜大阪市 梅田/JR大阪大阪市 淀屋橋大阪市 西天満 フレンチ