カテゴリー:フレンチ

Vient (ヴィエント)【大阪市 住之江公園】

先月、住之江にオープンしたフレンチに友人と3人で訪問。大阪メトロ住之江公園駅から徒歩5分のH.B.Pという瀟洒なホテルの2階に位置する。本格的でイノベーティブなフレンチをカジュアルにアラカルトでクラフトビールと合わせていただけるという稀有なスタイル。

今回はシェフお任せの7種類のクラフトビールを料理と組み合わせたコースを所望する。

シェフの竹矢匠吾氏は全国でも有名なフレンチの出張料理人として活躍されてこられ、様々なポップアップのレストランや料理教室、若手料理人の育成にも注力されてこられたと聞き及ぶ。料理にクラフトビールを合わせるのではなくお気に入りのクラフトビールをベースに料理献立を考えると言っておられた。

アミューズは「ブーダンノワールのタルトレットに有機栽培のミニトマト」。ブーダンノワールは豚の血と脂を使った腸詰だけど今回は腸詰でなくリエットのような状態でいただく。生臭さや癖は全くなく、コクはあるけど濃厚すぎず、添えられた上質のトマトとトマトのビールの影響もあり、かなり上品でさっぱりした味わいとなっている。

「新玉ねぎのフラン」は玉ねぎの甘みが玉子に溶けて透明感のある優しい味わい。和食の茶碗蒸しよりも軽くてウスバカゲロウの羽のような儚さがある。柑橘系の酸味のある軽めのビールとともにさっぱりといただく。

「ホタルイカの山菜アヒージョ仕立て」は行者ニンニクを使用。この工夫もこちらのお店ならではのフュージョンスタイル。揚げた山菜の香りと相まってかなり考え込まれた献立。苦味とコクのあるビールで口が灌がれるのが醍醐味。

「鮎と水ナスのピサラディエール 山菜のフェッテ」 ピサラディエールはアンチョビを使ったフランスのピザでそれを低温調理で火入れした鮎でオリジナルなスタイルで表現。盛り込まれた山菜やオリーブもとても美味しくて美しい。全てが細やかな仕事でグランメゾンのよう。引き出しの多さに敬服。

「クリュスタッセとアスパラガスのショーフロア 紫キャベツのザワークラフトソース」

好物のクリュスタッセ(甲殻類)が出てきて気分が上がる。アスパラガスを裏ごしして味を入れたものをゼラチンとともにレアに火入れした車海老に纏わせたもの。ソースにしたザワークラフトは当然のことながらクラフトビールと相性抜群。まさに目の覚めるような一皿。

「釣りの鰆のポワレ 初夏野菜のエチュべ ふきのとう香るヴァンブランソース」

こちらも鰆を弱火で水を使わずに調理されたもの(多分ですが・・・)身の中心が綺麗に透き通っているのがお見事。しっとりとした食感とともに魚の旨味が突進してくるような美味しさ。酸味のある白ワインのソースも軽くて魚の味の邪魔をしない。。素揚げにした「ふきのとう」のほろ苦さがビールと絡み合う。

「河内鴨のデクリネゾン 焦がし万願寺唐辛子のサルサヴェルデ」鴨肉のロースは蜂蜜などをベースにしたソースを皮目に塗って焼き上げたもの。火入れは完璧で断面全体が均一にロゼ色に仕上げられる。焼き込まれた手羽元と素揚げの手羽先も一緒に添えられる。よく見るイタリアンパセリの代わりに焦がした万願寺唐辛子を使用したソースは旨味と苦みの合間った大人の味わい。初めていただくこのソースには感動・・・・

石榴のグラニテで口直し。。

デセールは和歌山の善兵衛農園の柑橘と下に敷かれた蕎麦のムース。蕎麦のムースも初めていただいた。華やかな香りのデザートビールと合わせてコース終了。

・トマトのビール
・シークワーサーが入った大正ビール
・ホップの香り満載のおさるIPA
・華やかなフルーティーな香りの箕面ヴイツェン
・スッキリとした酸味のある蔵ケルシュ
・強い苦味と焦がした麦の香りのロブストポート
・華やかで軽い花の香りのラベンダー&カモミール

スタッフさんの料理の説明も丁寧でとてもいい時間を過ごせました。この場所でこのようなフレンチをワインでなくクラフトビールといただけるとは全く思わなかった。。フレンチとビールの相性も再発見。定期訪問のお店がまた増えました。。。

お店のHPはこちら

大阪市住之江区新北島5丁目1-50
H.B.P HOTEL 2階

080-3405-2528
11:30~15:00(L.O.14:00)
18:00~22:30(L.O.20:30)
水曜日定休

大阪市 住之江公園 フレンチ

ビストロバキュース【大阪市 心斎橋/四ツ橋】

西区新町にある表記のビストロをランチタイムに訪問。大阪メトロ西大橋駅から歩いて5分くらい、四ツ橋駅から7分くらいの場所に位置する。店内はカウンター席8席くらいとテーブル8席でシェフ一人で切り盛り。この日記の読者様にオススメのお店ということで紹介いただく。

ランチタイムはコース2種類で好みでメイン・パン・サラダ・コーヒーがつく。オードブルやスープ、デザートは好みで追加する仕組み。この日は「鶏肉と豚肉の蒸し煮」がメインのもの1200円にオードブル800円追加でお願いする。メインがすずきのポワレの場合は1600円とのこと。

サラダと一緒に盛り込まれたボリューム満点のオードブルは大きな自家製のロースハムが2枚とホタルイカのマリネやクスクス、玉ねぎのピクルスなどがてんこ盛り。

メインは見ただけで美味しいことがわかるもの。柔らかく処理された鶏肉の下には、滑らかなバターの香りのマッシュポテト。炒めた玉ねぎの甘さと煮詰めたアップルビネガーの酸味とコクが驚くくらいの美味しさを醸し出している。

ポツポツとした歯触りが面白い黒米入りライスも添えられて食べ応えも満点。夜は好物のカスレもあって王道のフレンチをいただける希少なお店。価格含めて大満足で店を出る。次回は夜にゆっくりと再訪します。

大阪府大阪市西区新町2-3-13
06-6535-2355

大阪市 心斎橋/四ツ橋 フレンチ

びすとろぽたじえ 3 月【大阪市 玉出】

住之江区の玉出にある表記のフレンチレストランを会社のスタッフと訪問。大阪メトロ玉出駅2番出口から徒歩2分の場所に位置する。
こちらのシェフは辻調理師学校の西洋料理の伝説の元教授。現在も高齢ながら現役で腕を振るわれる。当然のことながら辻調の卒業生や先生方もよく訪れる。当日勤務していた若いスタッフ君も昨年卒業後にこちらに就職されたとのこと。

20世紀最大のシェフと言われるPaul Bocuse(ポール・ボキューズ)氏直伝の1980年台のクラシカルなニューベルキュージーヌのレシピを使ったフランス・リヨンの郷土料理をアットホームなスタイルでいただけるお店。

ディナーメニューは2種類のプリフィクススタイルのコースで今回はフルコースの7700円のものを所望する。メインに魚か肉を選ぶコースは6000円。メニュはどれも奇を衒わないオーセンティックな1980年代のボキューズやシャペルが作っていたニューベルキュージーヌのレシピを中心としたもの。

アミューズのポタージュスープは粘度の少ない、喉にストンと落ちるクリアな味わい。後からトウモロコシの風味、香りが鼻に抜ける。普通のものがワンランク上の味わい。

続いて鹿肉を使ったリエット。鹿肉をラードで煮込んでペースト状になるまで冷やした料理。この日もシェフが大きなボールとヘラで翌日分のリエットを仕込んでおられた。

前菜の盛り合わせは伝統料理のオンパレード。トマトのソルベをソースとして使う厚切りサーモン、根セロリのサラダ、ラタトゥーユ、オレンジジュースとフレンチドレッシングを合わせたもので調味する人参のラペ、無塩バターと一緒にいただく自家製のロースハムなど。

私はフォワグラのテリーヌは焼き壺を使って作られるスペシャリティのフォワグラのテリーヌを所望する。こちらはグランシェフがフランス3つ星のオーベルジュ・ド・リルで学ばれた逸品。よくあるテリーヌ型ではなくこちらのお店の店名にもなっている専用の壷に入れて焼き上げて、それをこそぎ取って盛り付けるというクラッシックな製法を引き継がれる。

限りなく滑らかで清らかで軽い舌触りで濃厚で独特の甘さも感じられて何度食べても驚きの美味しさ。まさに唯一無二の味わい。添えられたイチジクのコンポートとの相性もとてもいい。シャルドネと一緒に時間をかけて楽しむ。

好物の魚のムースパテのアメリケーヌソースはリヨンの伝統料理。平目と帆立貝をすり潰して、ふわふわに蒸しあげたスフレ状のムースをさらに焼き込み、芳醇な香りとコクのある濃厚なアメリケーヌソースを添えたもの。日本であまりいただける機会がないものと思う。ムースをいただいた後はバケットでソースを残さずこそげ取ってワインとのマリアージュを楽しむ。

肉料理は豚バラ肉の黒ビール煮込みを所望する。柔らかくほろほろに煮込まれたバラ肉も味わい深いが飴色の玉ねぎの甘さがなんとも言えない。ふわふわのマッシュポテトと艶やかなソースを混ぜて肉をいただくとピノ・ノワールがすすみまくる。

デセールは好きなものを好きなだけチョイス。。ほとんどの客が「全部盛り」を注文するとのこと。

私はワインが残っていたのでデセールはパスしてチーズ盛り合わせをいただく。何度きても感動のある地元の名店です。ランチタイムも営業されています。

過去のぽたじえはこちら

大阪市西成区玉出中2-13-31
06-6651-9568

大阪市 玉出 フレンチ