堂島レジャービルという船大工通りにある雑居ビルの4階にある和食店を訪問。界隈では予約がとれない人気店の一つ。スナックに囲まれた狭い間口のお店はこじんまりしているが入ると落ち着いた雰囲気。
店名と同じ名前のご主人とサブの調理師2名、ホール担当の4名で運営。カウンタ−6席と個室4席のかなり小さなお店だけど上質感あり。料理はお任せの1本勝負。
最初にシャンパーニュのGuy de chasseyのブリュットグラン・クリュを所望。濃い金色でフレッシュな甘い香りの吸い込みのいいバランスのとれた味わい。
柚子釜に中に車海老と雲丹を鋳込んでなめこの餡をかけたもの。温かくて寒いこの時期にドンピシャのお始め。
瀬戸内海の大きなサイズの鰆を目の前の炭火で炙って山葵のソースと芽葱をかけたもの。鰆の脂ののりが強烈で皮と身の脂が口の中でジュワーと溶けるのに驚く。シャンパンとの相性も抜群。
琵琶湖のもろこを唐揚げにしたものにおろし酢をかけたもの。カリッとした食感と香ばしさでワカサギと姿はよく似ているでど味わいは全く異なる独特の深い滋味がある。これもシャンパンと相性抜群パート2。
天然クエと黒豆豆腐のお椀。半潰しにした黒豆の食感もいい。出汁の加減も完璧。若いご主人も気さくで気取らず料理の話から世間話まで客に合わせて接遇しながら料理を作られる。
道具もかなり上質。
お造りは今が旬の淡路のヒラメと細魚。切り付けもとても端正。
もう一品は大間の鮪だったんだけど私が苦手と言うことで松葉ガニをたっぷりと味噌をかけて出していただいた。こういった気遣いがとても嬉しい。
お酒は十四代の大吟醸を所望する。20年くらい前に大ブームがあっていろんなお店でよくいただいた記憶がある。メロン等のフルーティーな香りと心地よい甘味が特徴で雪が溶けるようにその味わいが喉の奥に消えていく。
五島列島の巨大な太刀魚は身が締まりまくって太刀魚の概念が変わるような身質。それを酒盗につけて焼いたもので日本酒にドンピシャの焼肴。あしらえには河豚白子の醤油焼きがつく。
小さな小鍋で出てきたものは河豚の白菜巻とアンキモの低温蒸し。
叩いた白胡麻が大量にかかる。島之内の一陽さんにいらっしゃたので食材の相性を考えた創作系の料理はかなり光るものを感じる。
赤貝を出汁と牛乳を乳化させたものでさっと炊いたもの。洋の食材も少し差し込んで献立に曲を出す。基本がちゃんとわかっておられるので美味しいものを足しあわせて更に美味しくする術をわかっておられる。生食で美味しい赤貝に火を入れて更に美味しくするのはかなり玄人好みの手練である。
レアに仕上げられた自家製の唐墨とカチョカバロチーズを合わせたものを磯辺揚げにしたもの。シャンパンと日本酒の2種のお酒を目の前に並べて双方で相性を見る。唐墨とシャンパンの相性がとても悪いであろうと思っていたがカチョカバロがカバーしてありがちな魚卵食品との相性の悪さは感じなかった。
熊本の黒毛和牛「和王」の炭火焼にトリュフをのせたもの。コンソメスープが敷かれていてトリュフの香りが強烈でとてもいい。
食事は蛤ご飯と大間の鮪の漬け丼、手打ち蕎麦から好きなだけ選ぶことが出来る。いただきすぎてお腹いっぱいだけど蛤ご飯と蕎麦の2種を所望。大ぶりのレアに火入れされた蛤ご飯はかなり上質。イクラの塩気でどんどん食べ進む。
しじみ汁も浅蜊のような大きさ。塩梅も完璧なり。
そこらの専門店が裸足で逃げそうな二八蕎麦は辛味大根が添えられる。最初に塩をふりかけて細く打たれた蕎麦自身の甘味を楽しむ。
デセールは生姜のクリームに金柑の甘露煮を乗せたもの。
全体的にしっかりとした塩梅なのでお酒が進みまくる。北新地で大ブレイクだけど店が小さいので予約が取れないのと隣のお客さんと距離が近すぎるのが玉にきず。それ以外はコスパも抜群でスタッフさんの接遇もよく大満足でした。
帰りに寄ったお店のお土産にいただいた稲荷寿司がかなり美味しかった。。
大阪市北区堂島一丁目5-35 堂島レジャービル4階
TEL : 06-6147-9876
18:00~