鮨一心 *東京上野の人気店

私の経営する会社のお弁当が「お弁当・お惣菜大賞2025」というコンテストの寿司部門で最優秀賞をいただき、その表彰式に出席するために幕張メッセまで日帰り出張。その帰りに昨年の12月に訪問してとても良かった表記の寿司店を現地の友人とリピート訪問。

千代田線湯島駅からも銀座線上野広小路駅、山手線御徒町駅からそれぞれ徒歩5分くらい。今回はアメ横をぶらぶらしながら御徒町から向かう。

店内は白い檜のカウンター15席くらいと小上がり席。カウンターの中で握りを担当する大阪の豊中出身の年配のご主人と若い板前さんが2名で切り盛り。17時の開店直後から超満席なのにびっくり。。

メニューはありがちなコースでなく一品や、お造り、お寿司を好きなものを好きなだけ注文するスタイル。特に前回同様につまみがどれも美味しそうなのでお酒と一緒に色々といただく。関西ではあまり見かけないホヤなどもあった。

いつもは刺身盛り合わせをいただくんだけど肴をいろいろいただきたかったので今回は石鯛の昆布締めからスタートする。

続いてカウンターの上の大鉢に鎮座する真っ黒で特大の煮蛸を所望。とても柔らかくて煮詰めもかなり美味しい。巨大なボタンエビも食べ応え満点で関西ではあまり見かけない。頭は塩焼きで供される。続いて江戸前仕事の胴体に卵と足部分が詰められた煮烏賊、岡山産のシャコは軽く炙って供される。

握りは皮目を炙ったキンキからスタート。続いて大きなサイズで味がしっかり乗った小肌。塩梅よく締められた鯵、赤貝と続く。

北海道産の雲丹はひたすら甘い。前回は2匹いただいた車海老、裏巻きにした煮穴子はとろとろ食感。最後にすり身の入った玉子をいただいてフィニッシュ。これ以外にも食べたいものがたくさんあったけどお腹いっぱいで次回の楽しみにする。

値段はお酒をたっぷりいただいて2人で3万円。銀座の半分以下の会計にびっくり。おいしくて安くて接遇もよくて、いい時間を過ごすことができました。ごちそうさまでした。

鰻の蒲焼を山椒の入ったタレで柔らかくなるまで煮込み散らし寿司のスタイルで折り箱に盛り付けています。すだちと酢蓮根の酸味と煮鰻との調和に注力しました。

阪急百貨店梅田本店の「四季の折詰 徳(のり)」のお店で2月末まで販売しています。

前回の記事はこちら

東京都文京区湯島3-43-12
03-3835-4922
17:00~26:00
日曜定休

和食 関東地区

ベルクラッシック東京 宴席

急遽仕事で東京に行くことになる。。新幹線で東京駅を経由して山手線の大塚駅前にある表記のホテルで会合。

新鮮な有機野菜をたくさん使った前菜、旬の牡丹鱧と卵豆腐の煮物椀、お造り5種盛り、脂ののった鰆と地鶏の焼き物をメインにした八寸、和牛ヘレステーキ、鰻の蒲焼きの入った茶漬けでフィニッシュ。思いの外、手がかかっていて美味しいことにびっくり。

食後の二次会は池袋のラウンジで楽しくお酒を飲みました。。

和食 関東地区

未来食堂

築地を出て今回の上京で一番訪問したかった表記の店に早めのランチをいただきに向かう。世界一の本の街と言われる神保町の駅から徒歩5分の教育会館という地味なビルの地下にある。コンセプトは「あなたの“ふつう”をあつらえます」というもの。

2015年9月に開業したばかりだけど現在あらゆるメディアで話題になっていて飲食店のありかたの常識を覆す店で有名。特徴を以下列記する・・・・

・メニューが1種類しかない(主菜は肉・野菜の交互)
・「あつらえ」冷蔵庫にある食材から好きなものを作ってもらえる
・「さしいれ」お酒は持ち込み無料だけど半分はお店に差し入れする制度。
・「まかない」客が50分間お手伝いすると1食無料でいただける。
・その「まかない」チケットを人にあげることが出来る「ただめし」
・月に一度「18禁」という18才以下の未成年だけの子供食堂
・飲食店経営のオープンソース化(開業にあたって事業計画書、資金調達方法、他の飲食店での修行内容、現在の売り上げ・利益等の毎月の月次報告をHPにてサマリー含めてすべて開示)

個人飲食店経営に科学を用いて、社会性と革新性をもった女性経営者として現在も取材要請が後を絶たないと聞き及ぶ。

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この日もお店に入ろうとしていたら「ガイアの夜明け」の取材中とのこと。私が店の外に張り出していて「ただめし」の券を見ていると「取材させてもらっていいですか〜」とディレクターに聞かれたので「俺、指名手配中だけど顔を隠してくれるならいいよ」と返答する。

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話の途中でこちらのお店を経営する小林みらいさんの著書を2冊見て訪問したこと。昨日は「めくはりまっせ」で表彰されたことを告げると「このお方は間違いなくネタになる!」とか言われて約1時間ほどインタビュー攻めにあう(実はそれほど嫌いではない・・・)

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店主は東京工業大学理学部数学学課を卒業後SE(エンジニア)として日本IBMに就職しその後クックパッドの専属SEとして活躍。開業を決め離職した後は1年半くらいサイゼリアと大戸や、老舗仕出し屋など6件で飲食店の修行と研究をされた。昨年度に日経ウーマンオブザイヤーを受賞。

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店内はコの字のカウンター席のみで12席。接客はぶっきらぼうな感じで面倒くさそうに話すのが特徴。しかしオペレーションはエンジニアらしくシステマティックにかつ機能的に段取りされていて席に着くとご飯の入ったおひつと小鉢2種の乗ったお盆を瞬時に渡される。隣の客と共用のおひつから自分で好きなだけご飯をよそう仕組み。

ご飯の茶碗が塗りだったのが印象的。昔はご飯は塗りの茶碗でいただくことが多かった記憶がある。着席してすぐに料理が出て来るのは時間のない会社員には嬉しい仕組み。そのおかげでこちらのお店はランチタイム時に4回転すると聞き及ぶ。

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バリバリの理系なんだけど手作り感もあってメニューやPOPがとてもいい味を出している。

インテリアもこだわりがあって椅子はすべてカリモクのクラッシックバージョン。理系女子経営者ならではの細部にわたるこだわりがあり機能性と効率性とデザインを掛け合わせるとこのような店舗になるといういい勉強になった。

基本的にはすべて店主のワンオペ。この日もまかないさんが2人お手伝い。洗い物と小鉢盛りつけ担当。店主の小林さんから「聞こえたらハイ!と返事をしてくださいね」など時折鋭い指示が飛ぶ。
まかないさんは直接お店に行って申し込む仕組み。小学生や外国人、飲食店経営予定者までいろいろな方が開店準備、接客、皿洗い、閉店後の片付けなどのお手伝いされる。

すべてのお手伝いに対して店主の作った詳細に渡るマニュアルがあるのも興味深い。昼時は12席の客が入れ替わり立ち替わりになるのでどうしてもお店の中は張りつめた空気が漂う。店主を始め余分な話は誰もしない。この部分は好みが分かれると思う。
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主菜と汁があとから渡される。この日は豆腐のグラタン。最後にバーナーで焼いて仕上げる。取材の方が「どんな味ですか・・?」と尋ねるので感じた通り「豆腐の味です・・」と応えるが周りの反応は冷たかった・・・

その他にもこのお店の社会的意義に対する意見や料理についての感想などいろいろな質問に答えながら10分程度で食事を終える。

料理の特徴はかなり家庭的。。よく言えば素材の味を活かした感じで悪く言えば何もかもが物足りない・・・テレビ東京のディレクターが食後に私が黙って何か考えているのを見てあとから「このお店には何が足らないと思いますか・・・」と尋ねられたところ「効率やパターン化を求めすぎのあまり窮屈感満載で食事をしてホッとすることが出来ない部分かな・・・」と返答する。

「味で不足している部分は・・・?」と聞かれたので「こちらのお店は料理だけじゃなくてオペレーションも含めて味の素を少し入れたらいいと思う・・」と返答する。「かなり深い答えですね・・・」と言われたがそこからはノーコメントとする。

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あとこちらのお店では一番乗りは500円というシステムもあってこのおかげでランチのピークタイムを早めの時間から起こすことによって回転数を上げることができるということらしい。

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食後は小さなお菓子とお茶を出してくれる。清算後には未来永劫何度でも使える100円割引券を渡される。小さいことだけど少し嬉しい。この店の運営に共感してFCを希望される方が後を絶たない現状と聞く。近日放映予定のガイアの夜明けが楽しみ。。

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そのあとは近くにある創業昭和30年(1955)の神保町で今でも続いている老舗喫茶店の「さぼーる」を訪問。店の前にある赤電話が印象的。

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こちらは平日でも店頭に人の列が出来る人気店。地下の洞穴のような場所に案内いただく。高齢(推定85才)の店主が店の中で仕切りまくる。壁には来店した日付や名前が書きまくられている。夜はお酒も出しているらしい。

こちらのお店で美味しくて濃い珈琲をいただいて帰阪しましたとさ。

お店の詳細はこちら

東京都千代田区一ツ橋2-6-2日本教育会館B1F
03-3239-3900

未来食堂食堂 / 神保町駅九段下駅竹橋駅

昼総合点★★★☆☆ 3.5

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