カテゴリー:和食

グランドティアラ大阪【大阪市 大国町】

日曜日にお世話になる知り合いの料理人の方が厚生労働大臣表彰「現代の名工」を受賞されその披露祝賀会パーティーに参加。200名の出席者で会場は満席。この日の為に周到に準備され腕に撚りをかけた料理が振る舞われた。数々の名料亭の料理長を歴任し、大学の講師なども務められ業界にも多大な貢献をされた方で基本に忠実で、日本料理の伝統をしっかりと守り、継承されている当代では傑出した技術を持つ日本料理人の一人。

前菜は鴛鴦の器が印象的。中には毛蟹とうるい、アスパラ等の春野菜を合わせたお浸し。もう一方は自家製の蛸の塩辛に叩いた山芋を添えたもの。いずれも味の決まり方がドンピシャ・・・

旬のアマゴのは素焼きにしてこっくりと炊き上げるが嫌な甘さ苦味は全くない。車海老の月環の中は長芋を裏ごして作る。一寸豆の翡翠煮も薄い蜜漬けで提供。擬製豆腐は湯がいて裏ごしした豆腐に卵や野菜を加えて調味し芥子の実をつけて焼いたもので昔ながらの古い日本料理の仕事。

小鉢は赤貝のあちゃら和え。あちゃら和えは鷹の爪を入れた甘酢に季節の野菜 をつけたものの総称で和風のピクルスのようなもの。普通はダイコン、カブ、蓮をよく使用する。包丁された赤貝も上質なもの。

粽寿司の中身は小鯛を使用。〆加減や酢飯の加減も完璧。日本料理の伝統をきっちりと踏襲した細やかで丁寧な仕事に感動する。

日本料理の華であり、この日も「自信の逸品」と私に言っておられた煮物椀は蛤の身がたっぷり入った蛤糝薯の潮仕立て。ふわふわのしん薯の火入れの確かさに驚く。貝の旨味をたっぷり引き出した出汁は透明感があり貝の嫌な癖等はみじんも感じられない。あしらえの筍や若布も丁寧なプロならではの下ごしらえが光る。久しぶりに心から美味しいと思う煮物椀に遭遇・・・

氷の器で供される刺身はヨコワ、鮮度抜群の剣先烏賊、湯洗いした天然車海老、脂がのりまくりの天然鯛の4種盛り。包丁の冴えが切り口を見ただけで判る。あしらえは山葵、寄せ岩茸、蕨、ラディッシュ、撚人参、穂紫蘇。

炊きあわせは筍の油煮と鮑の柔らか煮。植物油を低温から少しずつ温度を上げて火入れする古典的な仕事で最近は久しぶりに見る事が出来た。鮑は好物のエンペラのゼラチン部分が入っていて少し嬉しかった。蕗の味の入れ方や昆布の型くずれせず柔らかく炊き込む技術はさすがとしかいいようがない。

箸休めの胡麻豆腐は胡麻のペーストを使用せずに洗い胡麻をミキシングして丁寧に作られていた。胡麻のかそけき風味と香り、吉野葛の分量、出汁で塩梅を合わせた酢の加減などシンプルが故に難しいものであるが完璧に仕上げられている。秋田産の蓴菜も涼しげでいい・・・

会場の端で焼かれる黒毛和牛のフィレステーキ。ベルギーのフライドポテトで最近冷凍食品でもたまに見かけるポムデュセスの美味しさにビックリ。肉は最高級のものである事は口に入れただけで判る。トリュフが入ったソースは煮切った酒に醤油、水飴、塩、酢等で調味したものと思われるがこれ以上は判らなかった。

パイ包みされた茶碗蒸しの中身は伊勢エビを低温で火入れしたものが入る。茶碗蒸しの出汁のベースにスッポンのスープを使用し、その上に生姜を効かした銀餡が掛かる。

食事は綺麗に飾られた赤飯。西瓜の甲南漬けが添えられる。

水菓子はクラウンメロン、マンゴー、苺が杏仁ゼリーとともにシンプルに盛りつけされる。美しく美味しい料理は界隈にいくらでもあるけど昔からある面倒で細やかでしっかりと手のかかった、本物の昔ながらの「日本料理」をいただく素晴しい機会であった。

大阪市 大国町 和食

板焚屋

JR奈良駅から興福寺に向かう最近綺麗になった三条通りの途中にある居酒屋を訪問。こちら以外でも大宮や天理など県内に数店舗展開されている。この辺りでおすすめの安くて美味しいお店を聞くと必ず名前の挙がるお店。

店内は1階はカウンタ−席で沢山の大和野菜が並べられ職人さんが忙しく料理を作る様子が見える。この日は会合での食事だったので大きな鹿の剥製の横の階段を上がって小上がりのある席に案内いただく。お店は居酒屋ではなく割烹のような内装であちこちに奈良ならではの装飾小物が飾られる。

この時期になるとしょっちゅういただく竹筒に入ったホタルイカ。。

お造り盛り合わせは本マグロの赤身、車海老、鯛、縞鯵の4種盛り。マグロは見ただけで上質なのが判る。

焼き物はサザエ、大和肉鶏モモ肉の塩焼き、一寸豆など。焼酎といっしょに食べまくる。

大きな鉄鍋で提供される有頭海老、するめ烏賊、季節野菜等をオリーブオイルで蒸し焼きにしたもの。海鮮の鮮度もよくて若い人にはぴったりの料理。

揚げ物は旬の桜えびのかき揚げと蓮根のはさみ揚げ、蕪の天ぷらの3種盛り合わせ。仕事も丁寧で食材もこだわりがありどの料理もワンランク上の仕上がりとなっている。

このあと〆のそばとデザートで終了。飲み過ぎてフラフラで電車に乗って帰阪。ちなみに会計は飲み放題がついて6000円でした・・・

奈良市下三条町44-3
電話番号 0742-24-1234
営業時間 月~金 17:00~翌0:00
土日祝 11:30~翌0:00
定休日 年中無休

板焚屋居酒屋 / 近鉄奈良駅奈良駅

夜総合点★★★★ 4.0

和食居酒屋 奈良県

味吉兆 ぶんぶ庵【大阪市 本町】

本町で所用があり、その後でセントレジスホテルの地下にある表記のミシュラン店を訪問。11時過ぎで一番乗りの貸し切り状態。暖房が効いていないということだがそれは仕方がない。地下鉄改札直結のビルの地下なんだけど小さな庭もあって綺麗なしつらえが嬉しい。こちらのお店で「せきまえ」と呼ばれる昼限定のお弁当3000円を所望する。待っている間にお店の中を個室を中心にスタッフの方に案内いただく。接遇のスタッフ同士が「今日はヒマな日らしいで〜」と大声で話しているのも大阪らしくていい。レジの姉さんはダウンパーカー姿・・・

2017-03-09 11.09.19

先付けは花山葵と独活と菜の花のお浸し。器、盛りつけ、出汁醤油の塩梅など文句なし。こちらの吉兆さんは創業者に学んだ職人さんのご子息が経営していて大丸百貨店にあるレストランと堀江の料亭、セントレジスホテル開業の際に出来たこちらのお店の3店舗を現在営まれている。

2017-03-09 11.14.04

お椀は玉子麺と新若布。簡素なものだけど伝統的な吉兆ならではのしっかりと引かれた強めの出汁にとてもよく合う。若干、化学調味料の味がしたのは気のせいかも知れない・・・

2017-03-09 11.19.47

松花堂仕立てのお弁当は刺身に細かく目を入れた剣先烏賊、口取りは春野菜を拍子に切って辛子の効いた胡麻酢で和えたもの、ふわふわのカステラ玉子、高野豆腐、粟麩を揚げたものを照り焼きにしたもの、ミニキャベツ、スモークサーモンにアロエとタスマニアマスタードが2粒鋳込んだもの、卵の黄身とクリームチーズを合わせて丸めたもの、雷蒟蒻。。どれも伝統的な吉兆の先付け・八寸で丁寧に手作りされたものばかり。お酒が欲しくなるが昼間なので我慢する。

煮物は新筍と蕗、ほうれん草の煮物。しんみりした味わいがとてもいい。揚げ物は海老のパリパリした食感の「ぶぶあられ揚げ」と「蕗の薹の素揚げ」。海老の火入れも完璧でかなり美味しい。ご飯は当然のことながら炊きたてでお代わりしてしまう。香の物も上質。

2017-03-09 11.33.28

デザートは伊予かんとはっさくのゼリー。酸味とほのかな苦味が中年親父には嬉しい。夜の献立は8000円から。別途税金とサービス料10%がかかる。座敷は1室2000円の別途の部屋料が必要。立地も良くて座敷も椅子席なので外国人とゆっくりと話をするにはぴったりのお店だと思う。

大阪市中央区本町3‐6‐4 本町ガーデンシティ B1F
月曜日定休

夢KANそば(蕎麦) / 昭和町駅文の里駅松虫駅

昼総合点★★★☆☆ 3.5

大阪市 本町 和食