和食

北新地わかな【大阪市 梅田/JR大阪】

後輩の女性経営者と仕事の話があり彼女の経営する北新地の表記のお店を訪問。国際モータープールの北向かいのビルの一番奥に位置する。ビルの入り口には高級キャバクラの「Dear」があるのでそれが目印となる。

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瀟洒で清潔感が感じられる内装のお店は上原さんと言う料理長と若い女性の2人で切り盛り。カウンタとテーブル合わせて15席。

まずはビールをいただいて乾杯する。最初は穴子の稚魚の「のれそれ」登場。これを食すと春が来たって感じがする。多分、高知産であろうか、そんなに美味しいものではないが見た目同様に淡白で噛み締めると咥内で甘味を感じる。ぬるぬるした食感はまさに心太のよう。ポン酢でいただくのがスタンダードだけど高知県では卵とじや天ぷらでいただいた記憶がある。

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お造り盛りあわせは鯛、帆立貝、鳥貝、ムラサキ雲丹、剣先烏賊。特にどおってことはないけど普通に美味しい。北新地にある和食店では珍しくとてもリーズナブルな値付けなのでいろいろな使い方が出来る。現在北新地にあるお店は約4200店舗といわれていてその中で休業中が1.5割くらい。実際に営業している約3400店舗の中で飲み屋さんが約2000件、食べ物屋が900件、物販が約300件と言われる。毎月150件が閉店移転といわれほぼ同じ数のお店が開店する。理由は完全なる需要と供給のアンバランスである。

銀座は毎月230軒の店が閉店すると言われるが彼の地は街中に大手企業の本社があったり巨大物販店など昼と夜の両方の顔がある。北新地の場合は商店街のほぼすべてが飲食店で月間営業日数22日で一ヶ月の利益を稼がなければならないという日本でも例を見ない激戦区である。

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旬の飯蛸の煮付けは食材もいいし仕事も完璧である。こういうものを見ると料理人の腕のよさが一目で伺える。

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料理長お薦めのお酒と一緒に味わう。

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天ぷらの盛り合わせは走りの甘々のとうもろこし、たらの芽、うるい、行者ニンニク、筍、蕗の薹、こごめなど。苦い山菜はお酒が進みまくる。泡盛と合わせれば良かったとあとで後悔。

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最後にホタルイカとアスパラをバター炒めしてもらう。パンパンに膨れたホタルイカとバターの相性が抜群。こういった安心出来る普通の料理をいただけるお店が今まであまりなかった。まさに大人の隠れ家・・・

大阪市北区曽根崎新地1-2-6 新松リンデンビル1F
17:30~翌02:00
06-6343-0090

北新地わかな割烹・小料理 / 北新地駅大江橋駅西梅田駅

夜総合点★★★☆☆ 3.7

大阪市 梅田/JR大阪 和食

大芳

和歌山市のアロチにある和食店を訪問。アロチの語源は昔このあたりの繁華街を地元で「北の新地」という名称で呼ばれていて、 新地を「あらたな地」という事で、アロチと読ばれていると聞いたことがある。魚料理で有名な表記の店は1階はカウンタ−席、2階3階は昭和な座敷でかなりの収容人数と推察される。この日はお酒をつけて予算10000円のお任せコース。

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最初に巨大な舟盛りが登場する。巨大な石鯛とホタテ、ハリイカに大振りにカットされた鮪。舟盛りお披露目のあとで板前さんが座敷に出てきて取り分けていただく。

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メバルの煮付けは特にどおってことはないが地元のものを地元で食す美味しさは和歌山ならではの価値がある。

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地元の友人からの差し入れの日本酒で漬け込んだ梅酒。トロトロしてこれはかなり美味しい。

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こちらのお店のスペシャリティーである宝楽焼。本来の表記は「焙烙」で素焼きの平たい土鍋で野菜や海鮮を蒸し焼きにした料理。巨大なサザエ、海老、地鶏、スルメイカ、アスパラ、ハタハタなどボリュームも満点。生姜醤油につけていただく。。

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このあとカキフライが出てこちらのお店の名物の生ずし登場。

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最後は醤油味の豆ご飯で〆。ボリューム満点で美味しかったです。和歌山の繁華街が場末感満開なのにびっくらぽん。
来月は花見で再訪予定。

和歌山市北ノ新地裏田町43
073-431-1888

大芳割烹・小料理 / 和歌山駅田中口駅

夜総合点★★★☆☆ 3.0

和食 和歌山県

梅の花  さかい利晶の杜店【大阪府 堺市】

表記の店を社員同伴で視察する。さかい利晶の杜は2015年の3月に堺市が作った千利休と与謝野晶子を知ってもらうためのテーマパークのようなもの。先日新聞でこの施設を作った堺市の経済効果は14億円と書かれていた(誰が計ったのかは不明であるが・・・)総檜で出来た平屋の外観はかなり上質感に満ちあふれる。店内も個室を含め、かなりハイグレードかつ美しい内装とすべての部屋から見える前栽の美しさで大阪府内の和食店ではホテルも含めてナンバーワンのデザインと建築意匠を尽くした店と思う。

平日でも満席状態が続く大繁盛店でこの日も数日前に予約をしてなんとか入店する。この日は割引デーでこちらのお店を代表する懐石「梅の花」4320円が3500円でいただけるとのことでそちらを所望する。
こちらのお店は全国で50店舗近くあり、特筆すべきはそのすべての店舗がコックレスで運営されているという点である。

和食店は昔ながらの職人気質をもった調理師の腕や考えに経営が左右されてしまうのが業界の常識で経営拡大のための阻害要因になる事が少なくない。こちらの会社はすべてパートアルバイトで会席料理を作り提供する仕組みを作り上げた業界のパイオニアである。
客層はほぼ女性のグループ客が中心で平日のせいか高年齢の方が目立つ。

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先付け・前菜は引き上げ湯葉と牛乳と葛で作るクリーミーな「嶺岡豆腐」に柚味噌をかけたもの、小松菜のお浸しの3品。

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続いてテーブルに備え付けの電磁調理器を使った湯豆腐鍋。豆乳と湯葉の風呂の中に大きな豆腐が入る。(写真は3人分)

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取り分けてもらい出汁の入った豆乳にポン酢を少したらすとかなりいい塩梅となりお腹にスルスルとはいる。

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お造りは鮪を醤油漬けにしたものにとろろ芋をかけたもの。

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私が鮪が苦手と申し上げると湯葉豆腐と生湯葉のお造りに変更していただく。サービス、接遇はかなり訓練されて行き届いている。

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金華ハムの入った茶碗蒸しにほうれん草の餡がかかったもの。特にどおってことないものであるが卵と出汁の割合と火入れ加減は完璧。

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陶器のせいろで蒸された湯葉シュウマイは豆腐と鶏肉で作った餡の周りに刻んだ湯葉をくっつけたもの。商品は自社のセントラルキッチンで作っているらしい。

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カボチャの炊いたものに鴨のミンチの入った餡をかけたもの。特にどおってことがないものであるが女性が好む商品。

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生麩の田楽は粟麩と蓬麩の2種。それぞれに木の芽味噌と玉味噌がかかる。

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こちらのお店の昔からあるスペシャリティで湯葉の天ぷら。中ははんぺんのようなフワフワの魚のすり身。レモンをかけていただく。

植物性タンパク質攻撃なんだけど物足りなさはあまり感じない。

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湯葉グラタンは少し物足りない塩梅だけどこれもポン酢をかけていただくと味が変わるとのこと。

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餅米を使った雑穀系の蒸しご飯と湯葉の生姜清汁と香の物。有田焼を中心とした食器もかなり美しく洗練された感がある。

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デザートは自家製の水ようかん。セントラルキッチンで作ったもの。お持たせ用もある。

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豆乳で作ったアイスクリームに黒蜜ときな粉をかけたもの。お茶も何度も新しいものに差し替えていただける。おしぼりも4回くらい替えてくれた。このような食器を使い、落ち着いた綺麗な部屋の設えでこの価格はかなりお得感を感じる。京都の料亭以上の設えとサービスでリーズナブルに健康的な和食が食せるという新たな価値をもたらしたこちらのお店に敬服する。

堺市堺区宿院町西2-1-17
072-225-0506

大阪府 堺市 和食